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理研の使用者責任

2014 APR 3 20:20:50 pm by 東 賢太郎

小保方氏は改ざんではなく単純ミスで悪意はなかったと抗弁しているらしい。入学試験で計算間違いをして不合格になっておいて、単純ミスだったのだからそれは不当だと平気で言える世界で生きてきた人なのだろう。画像をわかりやすくしたのだとも。わかりやすくしないとわからない程度の読者に向けて書いた論文だったということを自分で言っている。どこの国がそんなものをそもそも論文と呼ぶんだろうか。悪いことをしておいて悪意はなかったという抗弁は法律にはない。故意があったかどうかである。今回の調査結果を信用する限り、故意がなければ絶対に起きない画像処理が存在しておりそれを自分で認めている。その証拠がわかりやすくしたとの主張であり、論文としての適格性を自ら否定して自分の首を絞める結果に至っている。

実験ノート2冊で生物学の歴史を覆せるなら世紀の大天才だ。そんな人が一度できたと主張しているのだからもう一度作らせればいいではないか。理研はそれを1年かけて試みると言っているが、1年もあるのなら理研がゼロからやるより経験値があるはずの小保方氏の方がどう考えても速いだろう。仮に理研が彼女に「一抹の信用」でも置いているならそうするのがどう考えても合理的だろう。それとも理研はできないのは計算済みであり、その頃にはもう特定法人に指定済みだから小保方劇場の目的は達成され、事件のほうはすでに風化しているという読みなのだろうか。

「悪いのは彼女ひとりです」で済むなら理研は普通の組織ではないというレッテルを貼られ、利権と書かれるようになってしまうだろう。国家を代表する研究機関にそんな傷をつけることなど許されるべきではない。民間企業であればこれだけ世を騒がせて組織に不利益を与えたプロジェクトの統括責任者は確実にクビ、共同執筆者は関与の程度によるがいずれにしろ全員が無罪ということはあり得ない。まして理研は民間ではなく税金で運営される組織である。こんな無様な茶番劇に入場料を払わされた国民はどうなるのか。民間企業の常識以上の断罪があって当たり前である。未熟者を採って使って不始末な結果を出したなら、採って使った方も未熟者なのであり、使用者責任をとらせるのが組織防衛というものである。

Categories:______世相に思う, 徒然に

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