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「東大脳」という不可思議

2015 OCT 20 13:13:45 pm by 東 賢太郎

神山先生の鍼を2か月スキップしていて、きのうやっと打っていただいたところだいぶ背中が張っているらしく、1回じゃ無理だよ来週も来なさいとなってしまいました。こんなことは初めてです。帰りに西武の地下を通るとリブロという本屋が三省堂に替わっていました。ネット時代になって書店の経営も大変なんですね。

ぶらっと見ていると、「東大脳」というキャッチコピーの本が目につきます。売れてるんでしょう、子供を東大に入れたお母さんなどが書いておられるようです。何冊かぱらぱらめくってみましたが、よくわからない。受かったのは本人が頑張ったのであって、お母さんがそんなに偉かったんだろうか。

東大生に共通の脳の構造などあるはずもなく、こういう回路を作ってこう使えば入試に受かるなんてのもありようがないでしょう。ここの試験は短時間に膨大なことをやらされますから、たくさん問題を解いて練習に練習を重ねるしか道はないです。

だから僕のような平均的人間が入るのは大変です。入ってもクラスメートに追いつけない。灘、開成、教駒といった連中は地頭の差というんでしょうか、こっちが10日もかかる本を1日で読めてる。甲子園でいえば常連校、PL学園と都立高がやってるみたいなもんで、勝負にならない、そのぐらい差を感じました。

浪人すればいいかというとそういうもんでもない。野球で弱い高校が1、2年余計に練習すれば甲子園出れますかって、時間の問題ではなく能力体力からして無理なんで同じことです。脳の性能で決まるとするならお母さんが幼少からそれを作ってあげるのは大事なことかもしれませんし、そういう努力を一概に否定しようとは思いません。

ただ地頭というのが四則計算、記憶力、回転の速さみたいなことなら僕は出来の悪い方で、だからだめということもない。そういうのはピアノの練習みたいに厳しいお母さんが間違えるとビシッと手をひっぱたくぐらいの訓練がものをいうので、それのあるなしということしょう。

私事ですがわが母はそういうことに一切関心なしで叱ったのは買い食いとケンカで負けたのだけでした。彼女は親父が慶応ボーイで東大は嫌い。ガリ勉するな、でした。だから「男は負けるな」という脳をつくってくれました。感謝あるのみです。

東大に現役ですいすい入れる脳が親の力で後天的にできるならやる価値はあるかもしれませんが、僕が見てきた本当の秀才たちは親が頑張らなくても勉強は勝手にできます。たぶん親は生むだけで遺伝子をあげればOKという連中で、そういう人たちがこの世にはいます。東大に入るだけの脳は彼らにはかなわないでしょう。

僕が幸運だったのは、彼らと机を並べて、頭では負けるということをあっさり認めたことでした。いやそんなことはない、実力を出せば俺だって・・・そう自分を守ってあげた方が楽ですができないことはできないのが現実で、それは全力でやってみないとわからないです。次回は都合よく出てくれる実力があるなら前回も出ていないとおかしいと考える方がほぼ当たりです。

そこで母が東大脳なんかにしていたら、僕は人生に絶望していたと思います。現に、そういうことかどうかはともかく、入ると消息不明になる人もけっこういます。ところが「負けるな脳」でしたから、負けるケンカはせずに生きられそうなフィールドを直感的に自分で見つけたと思います。戦国時代それが一族の生死を分かったように、勝てそうかどうか嗅ぎ分けるのは男社会で無事に生き抜くにはけっこう大事です。

東大脳?そんなのがあるのかないのか不明ですが、仮にあったとしてもそれで人生安泰ではないし学歴で食える時代でもありません。僕は子供には、結局うまく生きてってくれということに尽きる気がします。負けるなよ、万事自分の頭と鼻で判断しろよということで、そういう判断をできる訓練はしてやる。必要なときもう親はいませんから、そのほうが将来感謝されると思っています。

右脳型と左脳型

 

 

 

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