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安倍首相の飛び込み外交(追記あり)

2016 NOV 18 14:14:29 pm by 東 賢太郎

トランプ勝利は世界の政府首脳をあわてさせ、オーストラリアは急遽ゴルフ仲間のグレッグ・ノーマンに電話番号をきいたらしい。その機先を制してアポを入れて会談にこぎつけた安倍さんも外務省も見事であり、話した内容が何であれ会ったもん勝ちであったと確信する。

大事において間髪入れず会いにいくのはビジネスの絶対原則である。嵐だろうが大雪だろうが休日だろうが熱があろうが、とにかく行く。恋愛と同じだ、それはあなたに興味があるという強烈な意思表示になるからだ。初対面の相手に1時間で胸襟開き信頼関係を築いて帰ってくるなど無理だ。来たというだけでいいのである。

相手がオバマやヒラリーだったら上から目線でコーテシーと取っただろうが、僕の証券マン的動物的直感だが、トランプはそういう増長はなく、納得して波長さえ合えば、お前が言うならとドーンと1億株ぐらい買ってくれるいい奴な感じがする。ディールに応じるんだなと取られるリスクはあるが、行かなくたってある。だからこれはベストな策だ。彼みたいな修羅場を渡ったビジネスマンは胸に飛び込まれると弱い。自分も昔やったからだ。

CNNをライブで観ていたら、首相の到着は報じたものの会談内容はおろかトランプタワーのどこでどんなメンツでやるかは不明、トランジションの人事でてんやわんやだしホントにやるの?ムードすらあった。ほぼ飛び込み外交に近かった感じだ。

ただ短時間に事務方が相当に策を練った印象もあって、親父にものが言え重責を担うと予想される長女らが同席して自宅での接遇だった(未だ私的な立場を踏まえたぎりぎりの歓待の設定であろう)のに対し首相は夫人を連れず一人で、会食の申し出はオバマに配慮し辞退して公私中庸で臨んだ。

大変な営業力が必要な場面だが安倍さんがそのぐらいのタマだというのは、これも証券マン的直感だが、だいぶ前にこのブログに書いた。

安倍総裁の眼

この会談ひとつで我が国にとって何がうまく運ぶわけでもないかもしれないが、悪く進むことへの緊急避難対応はできたと思う。それだけでも彼は重大な国益を守った。

あの眼の持ち主、それを百戦錬磨のトランプが見抜かないはずはなく、軽いタッチでトラストミーなんて言ってくるお馬鹿でないことはわかる者にはわかる。トランプも本音を言ったのではないだろうか。

何をもって信頼するに足ると言うのか開示しろって、おばさん、それを開示するような奴には明かさないんだよそんなこと、それより自分の戸籍を開示しろよ。本当に安倍首相で日本は幸いだった。

(追記)

いま海外で英米の報道をつぶさに見ているが、安倍外交は全部の主要国でトップニュース扱いであり、注目度とクイックアクションの評価は総じて非常に高い。日本もやるじやないかとシンプルにポジティブにとっている感じであり、例外としては、扱いが小さいのは中国、焦りと羨望がにじむのが韓国だ。

かたや日本の報道は全部は見ていないがはすに構えたものがあり、違和感があるものが目につく。歪みがあり真実を伝えていない、伝えたくない様相が実にいやらしく、国民は洗脳されていることがこういう時によくわかる。既成のメディアは汚染されており、ネットで真実を報道する必要性を痛感する。

政党も民進党など「朝貢外交」と批判しており、中国・韓国政府の報道よりも「中韓的」なのは笑ってしまうしかない。この党、どこの国の政党なのか世界のTV報道を見ながら頭が混乱するという希少な体験を味わった。自衛隊を否定する共産党と組んで、トランプ大統領と会ったらおばさん何と説明するんだろう?完璧に終わっている。

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