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フランク・シナトラの「ホワイト・クリスマス」

3才までいた家にSPレコードがいろいろあって、クラシック、ロシア民謡、シャンソンや、後で知ったがビリーヴォーン、ナット・キングコールなんかもあった。親父は高射砲を撃っていて爆撃を食らって片耳をやられているのに、どうやって敵性音楽なんかを好くようになったのだろう。

そのなかに誰の歌だったか甘い男性ソロのX’masアルバムがあった。SPレコードの盤面の真ん中のレーベルは紺と肌色のツートンカラーで、本当はたぶん違うのだろうが、僕の中ではそういう色だった。それを覚えているのは「ホワイト・クリスマス」がダントツに好きだったからで、こればかり執念深くせがんでかけてもらっていた。

この歌、e,f,e,d#,e,f,f#,gと5つの連なる音の中での半音階進行で始まり、大変に西洋音楽的でクラシカルだ。コードはCからC7に行くc,b,b♭のクリシェ、そこのb♭ーaの長7度、FがFmになってg#ーgの長7度と、まったくもって子供らしくない音が満載のように思うが、子供らしいジングルベルや赤鼻のトナカイにはなんの興味もなかった。

ルロイ・アンダーソンはそこに入っていたのか別の盤だったか忘れたがとにかくX’masのイメージがあって(関係ないがそう思っていた)安物のソングの中でぴかっと光っていた。しかし、好きだったのはそれが理由じゃない、なんといってもそれが聞こえてくるとサンタさんがプレゼントをくれるからだが。

もう手元にないので自信はないが、あのホワイト・クリスマスはフランク・シナトラだったように思う。

SPというのは電蓄と呼んだプレーヤーにごついアームがついていて、その先にえらく長い鉄針を挿入して装着する。78回転でレーベルのぐるぐるがものすごく速い。針圧はLPよりかなり高そうで、シャーシャー盤面で音がして針はすぐ摩耗して交換になった。そんなことを覚えていてそれは3才でのことだったのだから、かなり真剣なリスナーであったのだろう。

そのころもう一つ異様に真剣だったのが鉄道、というか線路であり、どちらも鉄の摩耗が関わる。摩耗のにおいまで好きでありその性癖がどこから来たかは謎だ。思えば99%に無関心で局所的1%に異様に関心があるという巨大な落差は万事にあてはまる。3つ子の魂61までだ。

 

 
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