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心斎橋「鶴林 よしだ」のお節

2017 JAN 4 0:00:02 am by 東 賢太郎

海外で証券会社の拠点長というと接待が仕事のようなもので、それを3つもやってますから洋物と中華はとにかくうまいとされるものは食いつくしています。おかげで腹が出ましたが、僕の星は「食神」でその職は大いに向いていたといえるでしょう。

しかし好みというのは仕方ないもので、「うまいとされるもの」がうまいかどうかはものによるんですね。高きゃいいってもんでもないのです。ワインがそうですが、怖くて書けないようなのをたくさん飲んでますが「うまいとされるもの」はこういう味だと知っていれば世間で恥はかかないということですね、個人的にはもっと安くてうまいものを探すのが休日の楽しみでした。

海外16年ですから、その間は和食のいいのは望めません。飢えてる分だけ舌が敏感だったんでしょうか、お客さんと日本の企業訪問トリップや一時帰国などで和食の奥深さを知ったところがあります。とくに魚の味をです。こんな贅沢なものはないと思ったし、いまでもそれは変わってません。

和の食文化というと東西あって、もちろん細かく言えば各地方や県でまたあるのですが、こと正月のお節料理でいうと関西の方がうまいと思うのです。出汁のとりかたなのか醤油のちがいなのか塩分の具合なのか、そういう塩梅を総合した繊細な旨みや食感のセンスという点で一日の長がある気がいたします。

それは大阪に2年半いた若いころから感じていて、もちろん当時の安月給でいいものなどほとんど食してないのですが、味のセンスというのはどんなものでも光るものがあって、食い倒れですからね、そうでないと生きられないという職人魂を見てました。京都もいいが大阪もいい。

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そういうことで、心斎橋の割烹・小料理「鶴林 よしだ」さんのお節は今年で4年目でしょうか、いままでのどれよりも満足度が高くリピーターとなっておる次第です。

 

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31品とも個性と主張があるのに味が出しゃばらない。写真右下、一乃重の「筋子海鮮漬柚子釜盛」などどうしてこうなるのかというほど絶品で、味のハーモニーは芸術品と評したいものです。全品そのレベルですが。

 

ただ、唯一関西の弱みは小肌がないことなのですね。これは僕には甚だ遺憾である。ないことはないが、弱いのです。そこで親父も来るし今年は銀座の新太郎さんにお願いして寿司ネタを頂いて、蛸、鮑、車海老、玉子も適度にあえてもらって、これまたけっこうなもので、まさにありがたい正月でございました。両店とも機会あれば足を運ばれることをおすすめいたします。

 
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Categories:食べ物

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