過熱感無き米国株式市場新値更新
2013 MAR 19 14:14:56 pm by 安岡 佳一
皆様もご存知の様に、米国株式市場は先々週から先週に掛けて16年振りの10連騰を達成し新値を更新していました。しかし、その直後に二日連続安となっていますが、マダマダ高値圏に留まっています。 これだけ凄い上げを達成したのだからさぞや盛り上がっているかと言えば、必ずしもその様な感じはしません。何故か? 幾つか理由があると思うのですが、私が考える所ではこの上げの御利益を受けている人は比較的少ないのではないかと思うこと。 2008年のリーマンショックのお陰で、株は40%以上下げ、安値で叩き売ったお金を定期預金(CD)などに滞留させている方々がまだまだ多くいらして、その額ざっと2.5兆ドルとか。全てとは言いませんが、未だ傷が癒えていないお金がかなりあると言う事。 その上、このCDの利率は2008年以前は5年物で4%を超えるものあり、結構利息が付いて美味しい貯蓄商品だったのですが、今では優良銀行のCDは優に1%を切っていると言う事で、年金生活の方々やこれから引退しようかと思ってこつこつ投資していた株式投信がいきなり40%吹っ飛び、その上逃げた先の金利が何も生み出さない程のレートだと自然と暗くなる気持ちは分かります。こう言う方々は未だ結構いらっしゃると推察されます。 それから、ダウ等の指標(ナスダック指数を除く)は名目で新値を更新していますが、所謂物価調整後の指数ですと、直近の高値だった2007年や2000年のITバブルの時代に比べて未だ高値を更新していないらしく、こう言う事も影響しているのかなとも思います。 それと、何と言っても、よくは成りつつあるも未だ2000万人以上の失業者がいる事や、8%を少し切る位の高い失業率では、浮かれられないと言う気持ちがあるやに思います。(娘の大学の授業料はこの秋から3.75%上がるそうです、教育費は過去20年来間違いなくインフレです。)
しかし、この様な環境下だから未だ上がりそうな気がします。前回、大統領選挙後に相場展望的な話をさせて頂きましたが、基本的には同じ理由で、上がる理由が複数あるからです。需給で言えば、FRBが引き続き輪転機を盛んに回していますし、今度は日銀も本格的に稼動すると言う事で、これは結構大きなインパクトになるのではないでしょうか。株式市場だけでは無く、実体経済にもインパクトを与えるでしょう。二つ目に、2007年から始まった住宅バブルの清算が漸く終局に向かいつつあります。あれだけゴーストタウン化し始めたフロリダのマンションが、今度は足りなくなって来たと言うニュースが聞かれます。10月のハリケーンで駄目出しされたNY界隈の海岸沿いの不動産にも、投資ファンドや富裕層の投資家が買い漁っていると言う話を、友人である不動産屋さんから最近よく聞きます。ご案内の様に、企業業績は予想を上回っています。 上記の様に、CD等に待避している資金もかなり一杯あります。
個人的な感触として、株式市場の上げは未だ5割位の感触を持っています。
以上です。
ジムより
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土橋 千江美
3/19/2013 | 11:47 PM Permalink
JIM様
ジムかっこいい~お仕事がんばってるのですね!って失礼ですよね、すみません・・・。私には難しい内容ですが・・・・ようするに景気はまだまだってことですよね(泣)
皆さんにはたくさん稼いでいただいて、私の生活もはやく潤いますように・・・。フロリダの物件私も買おうかしらん・・トントン。
安岡佳一
3/20/2013 | 11:59 AM Permalink
景気的にもやっと寒い冬が終わってこれから季節も暖かくなって春物でも買おうかなと思っている人は結構増えていると思います。何でも、失業保険申請者数はここの所減少傾向にあるそうですし、クレジットカードの未払い者(デフォルト)率はここ10数年来で最低にまで落ちてきているそうです。就業者人口も継続して増えていますから、これから結構景気のエンジンは温まって来そうです。株価で言いますと、景気に一番敏感に反応すると言われる銀行株は、ここ半年で5割以上上がっています。 示唆するものは大きいと思いますね。 ここに、事務局長がフロリダのマンションを買ったら一気に火を点けてしまいそうですね。
花崎 洋 / 花崎 朋子
3/20/2013 | 8:43 AM Permalink
初めまして、花崎洋です。安岡様ご訪日の際には、家内がお世話になりまして、たいへん有り難うございました。(私は業務出張で新潟県に出向いていて歓迎会に出席出来ず、残念に思っております。) さて、CDに大量の資金が待避していることや、住宅バブル崩壊の後遺症が漸く癒えつつあること等、「過熱感無き」という理由が良く理解出来ました。何よりも、NYにいらっしゃるからこそ実感出来る市場の雰囲気が良く伝わって来ます。
安岡佳一
3/20/2013 | 12:16 PM Permalink
花崎さん、早速のコメント頂きましてありがとうございます。次回、日本に参りました時は、是非お会いしたいと思います。 宜しくお願いします。 米国は、日本に先駆けて輪転機をフル稼働させて量的緩和をしながら景気を浮揚させようとしていますが、とうとうその成果が出てきた感があります。そこに、建国以来のエネルギー革命と言われる位のシェールガス、原油発掘に拍車が掛かっており、この自国でエネルギーが自給自足出来ると言うのは本当に大きいと思います。お陰で、大量にエネルギーを使用する産業が米国内に戻ってきて大工場等の建設を始めており、これらが上記のエネルギー開発業界のみならず、製造業の雇用創出にも繋がるものと思われ、米国はこれから自信を回復するのではないかと思います。 重ねて、マスコミには「Energy Independent」 とよく謳われており、自国消費の石油の半分を輸入に頼っていた米国が、20年以内に自国のみの石油やガスで米国内のエネルギー消費を賄える様になり、中東やベネズエラに頼らなくてもよくなった場合の米国はどうなるのか、強くなり過ぎていつもの自信過剰症候群になり、バブルのではないかと心配しております。
花崎 洋 / 花崎 朋子
3/24/2013 | 11:33 AM Permalink
安岡さん、ご丁寧にお返事を有り難うございました。昨日(23日)の夜まで、福島県に出張しておりまして、お返事の拝見が遅れました。おっしゃる通り、アメリカはエネルギーを自給出来るようになりつつあることが、プラスにもマイナスにもなりかねないところですね。福島県は白河市に行って来ましたが、震災の爪痕は、ほとんど感じることなく、また放射線量は、東京の約8倍と高めですが、福島の人々は淡々と何事もないように生きています。花崎洋