Sonar Members Club No.36

月別: 2016年9月

やったぞファイターズ (優勝実況版)

2016 SEP 28 21:21:08 pm by 西 牟呂雄

 インドでヤキモキしながらファイターズのマジックを確認していた。連勝を重ねて残り〝1″になったので、これは優勝をこの目でみることはないと思ったらお預けに。
 ホークスも、自分達が負けて相手が優勝するということは意地でもいやだの気迫で戦っているようだ。さすがに誇り高いチーム、それはその通りでやっぱり勝って決めなければね。
 先発大谷と分かってもはやインドにいるどころでなくなった。
 ということで、本日夕方に帰国した僕はまっしぐらに帰り試合開始を待った。
 本当は西武ドームに駆けつけたかったのだが、12時間のフライトとシンガポールの3時間待ちの疲れもあり(飲み過ぎてしまい)諦めた。
 ここのファイターズ・ファンは球場の造りもあって独特で札幌とは違う応援のチャンス・マーチを歌う。これは関東限定で他はQVCマリン球場でしか聞けない(先日東京ドームでもやっていた)。北海道に行ってしまうまでは東京ドームがフランチャイズだったので札幌よりも先輩意識が強いからだと言われている(12年も前だが)。

 試合開始時には冷静な栗山監督が珍しく円陣の中で吠えた。
 そして大谷の滑り出しはいつものような四球が無く、球速もいいぞ。(僕の)作戦通り今日は大谷は打席に立たせない必勝シフト。
 相手のコケでの優勝は全く面白くないが、どうしてもホークスが気になってもう1台のテレビを点けると何と、ホークスは初回に7点!こりゃ大変だ。イヤなことをするなぁと即座に消して見ないことを固く誓った。集中するためだ。
 4回。出たー、ミスター・スシ、レアードの一発、待ってました。
 5回。森に打たれると大谷はギアを上げて見事に連続三振だ。しかも球数はまだ71球である。
 知りたくもない他球場の途中経過が知らされる。ホークス9-4で勝っている。
 しかし菊池もがんばる。目の前の優勝は見たくない上に大谷は花巻東高校の後輩にあたる。それは意地でも負けたくないだろう、レヴェルの高い戦いが続く。
 7回。引退する岡本投手が最期のマウンドに上がり1ポイントで投げた。花束が贈られ拍手が送られる心憎い田辺監督のはからいだろう、いい場面だ(こっちも武田勝が引退ではあるが出番はない)。
 大谷は5回以降のアウトは全て三振だ、物凄い顔つきで9回もマウンドに立った。
 ♪あと三人、あと三人♪ 代打渡辺、セカンド・ゴロ。代打上本、これは四球。
 秋山ファール・フライでアウト。
 ♪あと一人、あと一人♪
 外崎が打ちあげて・・・・。
 
 実に15奪三振で完封。優勝だー!!! 最大11.5ゲーム差を引っ繰り返したぞ。バンザーイ。この試合僕はフォースを出すことも忘れていた。この日が来るとは。

 まだまだC・Sも戦える。さあ来いホークス。

P.S 中島さん、札幌で待ってますから勝ち上がってきてください。

「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」 

 
 

 
 

贋作 ジェットストリーム (アーバン・サウンド編)

2016 SEP 24 0:00:57 am by 西 牟呂雄

 お久しぶりです。今日はどちらまでの旅でしょうか。
 パーサーのジェット・ニシムロでございます。
 日頃の忙しさを癒しに行かれるプライベート・ジャーニーですか。
 それとも緊張感に満ちたタフな交渉に臨まれるのでしょうか。
 いずれにしましてもここは高度1万メートルの空の上。
 しばしおくつろぎの時間をご一緒しましょう。

走って行った黒い塊
覆いかぶさる影
漆黒の闇の奥に今は見えない光
ほんの小さな輝きが
いまに大きく見えて来るだろう
それがどこかの街なのか
もしかすると希望なのか

ハービー・ハンコック Chameleon

足元に転がる小さな栗の実
そっと埋めてやれば 桃栗三年柿八年
教えてほしい
お前は自分でその棘を破るのかい
八年の後に拳の大きさの〝クリ”を実らせるのかい
ささやかな夢に生きて
大きな実りを楽しませておくれ

 いかがでしたか。
 大都会の情念が乗り移ったかのようなハービー・ハンコックの演奏。
 ウェスト・コーストのアメリカン・テイストたっぷりのグレイトフル・デッド。
 いずれの曲も時代を乗り越えて今日にまで瑞々しさが伝わります。
 今回の旅があなたにとって実り多い物であることをお祈りします。
 夜間飛行のお相手はジェット・ニシムロでした。
 又、空の旅でお目にかかりましょう。

贋作 ジェット・ストリーム 

贋作 ジェット・ストリーム Ⅱ

贋作 ジェットストリーム (横浜編)

贋作 ジェット・ストリーム (セクシー編)

贋作ジェットストリーム (女性バラード編)


「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」 

 

 

喜寿庵の異変か

2016 SEP 19 19:19:56 pm by 西 牟呂雄

 「秋霖(しゅうりん)」とは秋の始まりの頃の長雨のことです。台風が来る時期でもあるので梅雨ほどポピュラーではありませんが、ちゃんとした季語でもあります。
 この時期はまだ落ち葉が少なく、即ち紅葉の前ですが喜寿庵では収穫後のネイチャー・ファームを掘り返したり側道の草を刈ったりして忙しい時期です。もっとも雨が降ればできませんが。

ポツン

 今年のアグリカルチャーの結果はジャガイモ・ナス・ピーマンはそこそこ、大根は変形しつつも何とか育ち、キュウリ二本だけとなりました。トータル収支で千円ほどの黒字でしょうか。ピーマンは未だに小さいのが付いているのでひと株残しています。カワイイ。

 新学期に備えて学生さん達が戻ってきました。中には夏中学費を稼ぐ為に残ってアルバイトをしていた人もいます。彼・彼女等は北は北海道から南は四国から学びにやってきていますから帰郷のお金も惜しんで勉強しています。エラい。
 このあたりにはそんな手っ取り早い仕事なんかないので何かできることはないか考えます。オジサンに家庭教師をしてもらってもしょうがないから草刈りをしてもらうとかね。
 四年生は就職がきまり張り切っていました。真面目な子が多くて公務員・教員・編集と堅い仕事です。「これから大変だよ。我慢が一番大事」などとオジサンはしなくてもいいアドバイスを。
 ここの学生さん達は女の子は化粧もしないし男の子も着る物に気を使ったりしない。留学生もいますが概して海外への関心はあまりないようです。オジサンはつたない海外経験を伝えるのですが、表現が雑駁なせいか変に感心されてしまう、それはそれでいいのかと。
 多少の英語を使ってもロシアや中東ではコミニュケートは簡単ではありません。でも日本のことを必死に話すと凄く喜ばれます。日本は既にそういった国家になったのです。やたらと売り込む必要はないのじゃないでしょうか。そのかわり日本の事をちゃんと話せるレヴェルの歴史・文化の知識は絶対に必要です。エラソーに英語を使ってチャラチャラすることがグローバル化ではないのです。そういう輩はこれからはむしろバカにされるでしょうね。

 さて夕方、季節が変わり行く庭から見上げるとスッスゴい!雲の高さが違うせいなのでしょうか、光のあたる部分がまるで空が破けたように見えます。五分くらいでこの裂け目は見えなくなりましたが、富士山噴火の前兆かな。
 そうなれば喜寿庵はなくなりオジサンは行き場がなくなる・・・。いや死んでるか。そいつは困る。 

この怪しげな夕焼け

この怪しげな夕焼け

謎の人物 (都市伝説編)

2016 SEP 15 20:20:39 pm by 西 牟呂雄

 ついにその名前が明らかになることなく、歴史のかなたに埋もれていった人物は多い。或いは正体不明のまま消えていった人達。本人の自覚も無く、どこかで言い伝えられたり、噂に上りながらついに名乗り出る事のなかった人。筆者はそういった人を捜し当てたい欲望にかられる。

 明治天皇は大層お酒を召し上がり、飲み過ぎて臣下の者に抱えられて寝所に帰ることもあった。尤も当時の側近は下級武士上がりも多く、薩摩出身の枢密顧問官、黒田清隆などは酒乱でも有名だった。
 昭和天皇はお酒を召し上がらなかった。体質的にあまりお好きではないと共に時代も洗練されてきて、泥酔した人間を見たこともなかったという。
 戦時中、広い御所ではなく防空舎の御文庫でお暮しに成った時のことである。侍医の一人が事もあろうに泥酔して長椅子に寝転がっているのを見てしまった。
「これは病気であるか?」
 と陛下は尋ねられ、酔っ払って寝てしまった旨をお聞きになった。
「酒に酔うとこんなになってしまうのか」
 と呟かれた。僕はこの話が好きで、この泥酔した豪傑の侍医先生は一体何という人か知りたくてずいぶん調べたがついに分からない。戦後はどうされたのだろう。

 先般、天皇陛下が戦没者慰霊の旅に訪れられたペリリュー島の話。ここはかの硫黄島での戦闘の前哨戦のような持久戦が戦われた激戦地だった。米海兵第一師団は壊滅する。結果はご案内の通りではあるが。
 記憶が曖昧なのだが、ここで最後の一兵として機関銃を乱射して戦死した女性がおり、何かの雑誌でその女性と思しき方が軍装で日本軍と写っている写真を見たことがある。
 確かその記事では『佐官の愛人の芸者』となっていたと思うのだが定かではない。パラオには多数の民間人もいたので、そこからついてきた日本人慰安婦なのだろうか。
 米軍も手榴弾まで投げて食い止めようとした最後の一兵が女性であったことに驚き、十字架を立てて手厚く葬ったというオチもついている。これはかなり信ぴょう性が薄いと思われる。
 それにしても軍籍がないので戦死者とも認定されず、親兄弟もいたであろうにこの人の名前くらいは知りたいと思ったのだが皆目分からなかった。
 サイパンで自決しようとして重傷を負われた菅野静子さんという従軍看護婦の方がおられるが、この話と混同したのだろうか。

 『命売ります』は1968年に発表された三島由紀夫の娯楽小説で、ちくま文庫で今でも刊行されている。内容は例によって三島がエンタテイメントをやるといつも陥る不完全小説だ(と僕は思っている)。
 ところがその20年も前「5万円で命売ります」という広告が名古屋市内に張り出されたことがあった。父親の病気治療のためにある青年が実名で書いたもので、何人かの申し入れがあり面談にも及んだ実話だ。
 また、瓦礫の山になってしまった新橋から銀座のあたりで『命売ります』の看板をサンドイッチ・マンのようにぶら下げている男が多くの人に目撃されている。実際は複数かもしれない。
 敗戦後間もない混乱期で売る物もなくなり必死に生きようとした話だ。その人(複数かもしれない)が載った半藤一利と森本哲郎の対談を読んだが、その後はどこでどうなったのか。まさか本当に『売る』ことになってしまったのか・・。

謎の人物


「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」 

「今日電話した?」という新手の迷惑電話

2016 SEP 12 21:21:46 pm by 西 牟呂雄

 日曜の夕方、私はTVを見ながらくつろいでいた。そこへ家電が鳴った。
「はい、もしもし」
「あっ今日電話した?」
 いきなり切り出され、一瞬甥っ子の声に似ていたので、
「いや。してねえよ」
 とぞんざいに答えた。すると、
「二回くらい着信があったんだけど何かあったかと思って」
 分かったぞ。表示を見れば非通知だ。
「してねえよ。」
 しかしこういう輩はすぐには会話を終わらせない。
「公衆電話からだったんで取らなかったんだけどさ」
 バカめ、今時公衆電話から二回もかけるのがいるとでも思ってるのか。
 丸出しの詐欺電話には非常に丁寧に対応することを心掛けている。なるべく会話を伸ばして詐欺師の電話料金を使わせ、更には次の被害者に使う時間を短縮させ、詐欺師ども(又はその詐欺師に使われているガキ)のヤル気を失くさせるように勤めている。向こうは『~か?』と名前を確認するのを待っているのだ。
 暫く聞いていると同じ事を繰り返してばかり。
「公衆電話からの電話は取らないけど何か起こってたら」
 ベラベラ喋り捲る言葉をさえぎって、
「それはさっき聞いたけどマニュアルに他のことは書いてないのか」
「へっ?」
「棒読みしてるんだろうけど次はどうする」
「だから・・。」
 耳を澄ますと後ろの方でもガシャガシャ喋ってるのが聞こえる。こりゃオレオレ詐欺と言うより迷惑勧誘崩れだ。私はこういうのに滅法強い。昔、オレオレ詐欺の電話番号を聞き出し、朝から晩まで(色んな電話から。着信拒否にされるので。)『まだやってんのかこのバカ野郎』と留守録に吹き込み続けたこともあった。
 おもむろに質問した。
「お前誰。」
「ハァ?」
「誰なんだ。名前言ってみろ」
「意味わかんね」
「名前だ。ナ・マ・エ。太郎とか二郎とかあるだろ。」
「だーかーらー」
「言えねーのか。名前も言えねーのか。それとも名前もないのか」
「オレはー」
「〝オレ”なんて名前の知り合いはいねえ。早く言え」
 どうもこの業界のシロウトらしくここで向こうがキレてガシャンと電話を切っってしまった。
 しかしこの業界は後ろで鵜飼の鵜匠みたいなのが会話をチェックしていて、自分から切ると怒られてもう一度掛けさせられるのを経験で知っている。そら来た。又非通知。
「はい、もしもし」
「きょう電話した?」
「同じ所にかけてくるんじゃねぇ!」ガシャン。
 さあ来い。いくらでも遊んでやるぞ。どの手で行くか。アレッあきらめたのか。
 来た。非通知だ。
私「ボク、ドラエモン」
詐欺師「(呆気に取られ)・・・・きょう・・・電話した?」
 後は受話器をテレビの前に放り投げておいた。15分後に取ってみると嫌がらせの騒音がガーガー鳴っている。まだ電話しているのかと更に15分放置してそのまま切った。
 次は外人のフリでもするか、それともモノマネでもしながらアントニオ猪木『元気ですかー』で行くか、ワクワクしながら待っていたがその日はもう掛かってこなかった。

 読者の皆さん、特に女性の方は非通知の電話に『〇〇でございます』と名乗るのはやめましょう。

春夏秋冬不思議譚 (終わらない電話)

雑感 話さない会話 突然思い出した事など


 「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」 

パラリンピック開会式 (今月のテーマ リオ・パラリンピック)

2016 SEP 10 0:00:13 am by 西 牟呂雄

 オリンピックと同じように盛り上がった開会式は天晴れの一言。観客も沢山入って演出も力が入っていた。
 ハンディキャップを克服してがんばる選手達を心から応援したい。
 しかしロシアがドーピング問題で拒絶されたのは当然だが、この大会の主旨が汚されたような大変に残念な事だった。国威発揚の機会としかとらえないのは大間違いであることを世界共通の認識として欲しい。
 選手たちを見よ。彼らは逞しく、スポーツが好きで努力を惜しまず、記録に挑戦する気概を持っている。これは見る側も十分に敬意を払わなければ失礼に当たると強く思った。
 間違っても『痛々しい』等と思って見てはいけない。闘志も技量もケタ違いのアスリートなのだ。
 そして彼らの努力が報いられるまでには多くのハードルがある。
 まず、障害者スポーツに理解が示せるほど国家が豊でなければならない。練習する環境整備等にもお金はかかる。国家経営が困難な国にはそんな余裕はない。
 更に充分に障害者が社会に受け入れられていなければならない。
 そんなことを考えながら見ていた。
 オープニングのショウはブラジル音楽に乗せてイギリス紳士が車椅子でリオにやってくる。スタジアムに現れたクレイバン会長だ。カウント・ダウンの文字が一部開かないのはご愛敬。するとスロープを車椅子で滑り降り空中で一回転した。
 その後は光とサンバの競演、ビーチでの踊り、日が落ちる演出の後に国旗の掲揚。これは指に障害のあるピアニストの演奏。
 そして選手入場。難民選手団からだった。
 ドイツやオーストラリアの選手団、選手一人だけの小国、あんなアフリカの砂漠の国からも車椅子を押しアシスタントに支えられて満面の笑顔だ。中東のイスラム系には戦闘により障害を受けた選手もいるのだろうか。
 中国の300人の選手団には圧倒される。これなんか強烈な国家の意思を感じる。韓国、障害者専用のコートを充実させてロンドンではメダルをがっさり取って行った。
 スポーツ先進国アメリカも入場する。東南アジアの国ぐに。アフリカの小国家達。イギリスの290人の大規模入場。陸上王国ジャマイカはパラリンピックでは小振り。戦闘当事国のシリアからも選手が。
 そして日本。歓声も大きい。自国の選手には力が入る。底抜けに明るいブラジル・チームも入場した。選手が持ち込んだパネルが組み合わさったらそれは心臓だった。
 義足の選手、白い杖を持つアスリート、皆よく来てくれた、さあ、晴れのステージに立ってくれ。
 聖火の入場。おりしも雨が激しく降り出した。ガルシアさんが杖を頼りに走り出すと転んでしまう。それに対してスタジアムからの大声援が起こる。苦しい足取りで一歩一歩進む、最後は車椅子ランナーが聖火台に上がっていく。そしてオリンピックの時と同じあの太陽の輝きが再び灯された。
 会場は選手も観客も一つになっている。
 ここからパーティーになる。雨の中の力強いリズム。両足義足の美貌のモデルさんとロボットの踊り。
 いつもなら意地の悪い皮肉の一つも口を突くヒネクレ者の僕が、全選手の活躍を祈られずにいられなかった。ガンバレ!

 できる限り試合を見て、東京大会は会場にかけつけるぞ。
 
 
「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」 

神様・仏様・大谷様 (復活実況版)

2016 SEP 7 22:22:20 pm by 西 牟呂雄

 西鉄ライオンズの名投手、稲尾がガンガン三振を取り自ら2ランを打った後ベンチに帰るなりこう言い放ったそうだ。
「鉄腕稲尾、投げては完封打っては2ラン。あしたの新聞の見出しはこれで決まりっタイ。」
 するとチーム・メイトの中西太が
「野球は一人でやるもんじゃなか。なートヨ」
 それに対して先日亡くなったスラッガー豊田泰光も
「そうよ」
 と応じる。そして次の回の守備でいきなり中西・豊田とトンネルする。
 僕はこのエピソードを稲尾氏とビートたけしの対談で知った。たけしのフリに稲尾氏は
「おっそろしい時代よ。相手とやる前に同じチーム内で戦わにゃならんなんて。もっともあの二人『絶対にわざとじゃない』と今でも言ってますが」
 いや感心した。卓抜した技能の達人達のプロ根性を好ましく思ったのだ。稲尾投手は日本シリーズで連投連勝し提題の『神様・仏様・稲尾様』と称される。
 一方その頃(もう少し後だったか)我がファイターズは乱闘ばかりしていたが、これをプロ根性とは言わない。

 ここで話は一気に現在に戻る。オオッ。わがファイターズのスーパースター大谷がロッテ相手についに投げた。実に一ヶ月以上間をおいてなので、まるで開幕投手のようだ。しかしその間3番までこなしてファイターズ連勝の原動力となった。
 パリーグはDH制なので今日稲尾投手のようなことが言えるのは大谷ただ一人。
 チームは有原もメンドゥーサも調子が悪く、抑えのジャイアント・マーチンは抹消。投手陣はもう大谷に頼るしかないのが現状だ。昨日の雨ははたしてプラスかマイナスか、待ってましたとばかりに試合を観戦する。残念ながら打席には立たなかったが。
 速い!いきなり156・159.159km。
 ところがそれを打つんですな。スキを見付けると言うのかさすがプロと言うのか。大谷自身はこう言っている。『速球は打ってもファールになる保険のつもりで投げてます』保険はまあいい。自己タイ記録の163kmも投げる。それなのに初回1点献上。
 裏に近藤・中田が取り返してくれて助かった。
 結局、調整+明日からを考えてたったの2回・38球で本来今日のローテーションであるニコニコ・メンドゥーサに代える。栗山監督が(テレパシーによる)僕の意見を尊重してくれた。
 ところが8回、宮西を投入したらえらいことになった。慌てて谷元にスイッチしたが・・・。2点献上。谷元よもっとフォークを投げろ、コラ!
 反撃に当たっては3番大谷がいないのは実に迫力を欠く。中田センターフライ。トホホ。何だあの南とかいうピッチャーは。
 だがファイターズもがんばる。2アウトから満塁まで持って行って代打矢野の打球がフンワリとレフト前に、逆転した。
 ジャイアント・マーチンの代わりは一軍に上がったばかりの吉川。途端に四球を出した。ここで驚くべきことに中田がマウンドまで行って声をかけた。ついにチーム・リーダーの自覚でも出たのかね。
 さて9回は清田ごときに打たれて1-3塁。代打で井口だと。ここだぁ!フォースの送りどころは。久しぶりに思い切り吉川に照射すると井口は討ち取ったものの角中にはフェンス直撃。もうどうにもならなくなってバースを送る栗山監督(ここではもはやテレパシーは送っていない)。
 同点のまま裏の攻撃は・・・・。西川が三塁でついに中田に回った。ダメ、延長へ。まだまだ。 

 10時を回ってまだ延長11回。こっちはまだバース、これをしのげば向こうはピッチャーはもういない。
 そして12回。ラストのバッターは谷口裕也。相手も松永を持ってきた。
 
 負けてない!

 どこまで続くぬかるみぞ、面白くなる一方だ。

 「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」 

秋風に 汗まみれゴルフ地獄

2016 SEP 5 0:00:43 am by 西 牟呂雄

 台風一過の高原には涼風が吹き始め、空はもう秋。喜寿庵では夜は涼しい。
 遊びすぎて静かに休んでいたところ、あのゴルフ敵が再び挑戦してきた。正直チョット疲れていたので気が進まなかったが、口が裂けてもそんな事は言えない。
「オレの真似をした〝7番の転がし寄せ”は少しは上達したのか?」
「そっちこそピッチングのシャンクは克服できたのか?」
 と罵り合って再び勝負することになってしまった。
 雲は鱗雲で空は澄んでいるが日が照るとまだ熱い。こんな日に奴とゴルフなんて初めからやる気が湧かず、実にゴルフに失礼なこと夥しい。
 清清しい朝の第一打は、こいつとでなければどんなに気落ちが良かったことだろう。既に闘いが始まっている、とばかりに条件を付けた。
「お前の言う通り、この夏必殺の7番転がしの技を磨いた。だから今日の寄せは全部7番を使う。その代わりお前は7番を封印してピッチングを使え」
「ああいいよ。全部サンドでもいいぜ」
 ん?今日の奴は妙に口の利き方が丁寧だ、おかしい。
 僕も奴もそこそこの出だしだった。
 ただスプーンがダフり気味で、カチンッと飛んでいかない。しかしそれを補ったのが例の〝7番転がし寄せ″だ。運よくガード・バンカーにも掴まらなかったのでそこそこの所まで持っていける。
 しかし、まぁ僕程度の腕ではコース真ん中の木に当てたりはする。するといつもは『おめでとう、木下さんに名前を変えろ』等といやがらせを言うアイツが『交通事故だな』等と慰めてくるではないか。
 6番ホール。フェアウェイ・バンカーに打ち込んだ。
 ハーフ・トップ気味に打ち出したいのだがなかなかできない、と思った途端モロにトップしてエッジにぶつかり出ない。もう一振り、出ない。カーッと頭に来てクリークで打ったらドダフリで出た。
 ところがこの僕のジタバタにも奴は反応しない。いつもなら『砂遊びが好きなんだろ。ビーチにでも行け』の一言があったはずだ。
 7番ホール。熱くなっていた時の悪い癖でグィーンとスライスしたボールが右の林に入った。散々苦労してやっとフェアウェイに出てくると奴は既にグリーンに到達するところでこちらを窺っている。ルール上は前には出てはいけないのだが2サムだしこいつとやる時は時間短縮のために打てるボールは打ってしまう。
 ここでハッと気が付いた。奴はきっと僕のブログを読んだに違いない。そして長い修行の末にやっと辿り着いた秘密の呪文を体得したのだ。
『我に艱難辛苦を与えたまえ。敵に増長と慢心を与えたまえ』
 そうでなければ、あのような落ち着いた態度でいられるはずがない。しまった。
 僕は大きく深呼吸をしやっと自分を取り戻してゆっくりと構えた。無論ここまではメタ負けなのだが。
 そして9番のショートに転機がやってきた。
 185ヤードに乗らずに、セカンドもエッジ。そこで必殺の7番転がしが強めに転がった。ああっ大きいかとビビッたら、読み切れなかったアンジュレーションを上手く走ってガシャンとピンに当たった。チップインだ(パーだけど)。奴は渾身のパットを外してボギー。
「いやー、お見事な寄せだったな」
「そっちこそ惜しかったな」
 何だかこれでは本当に紳士のスポーツみたいではないか。
 それにしても熱い。全身グッショリなので着替える。

 昼飯を食べながら慎重に相手の心の動きを探った。9番のおかげで握りはだいぶ稼いでいた。ビールを勧めるとにこやかに応じる、つられて僕もおかわりまでした。
 
 昼のスタートからは我々にしては順調だった。3ホール程分けが続いて二つ続けて負け6ホール目で勝ち。残りが少なくなる。
 チラチラと奴を見やると、このままではガッパリ取られることになるので明らかに狼狽しているのがわかった。
「なあ、そろそろ別列車走せないか」
 ついに馬脚を現したな、この時を待っていた。
「オレはいいけど・・。そんなことやってるとゴルフが荒れるぜ」
 と落ち着き払って言ってやった。
「何だと!握らなきゃ荒れないほどの腕だと思ってんのか」
 いいぞ、こっちのペースだ。
「いやっ、握らんとはいってない。しょーがねーなー。じゃいつものエキストラでやるか」
 バカめ。7番は打ち下ろし池越え、右が林、180ヤードの長めショートだ。一つ引導を渡してやろうとクリークを握った。アッ・・・・池・・・・。
 奴は右の林、まだ戦える。しかし林と言っても奥はまばらで2オンのパー。こっちはダボ、いかん。
「ホー、やっぱり別立てをやると本当に〝荒れる”んだな」
「やかましい。次は倍付けにしろ」

 こいつとはやっぱりこうでなくては。え?後二ホールはどうなったか?勿論逆転勝ちに決まってる(負けてたらブログに書かなかっただろう)。ゴルフ場に真っ赤な赤トンボがたくさん飛んでいた。結局二人はゴルフの高みの境地にはいまだに至らないのであった。まだ先は長い。

 「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」 

小倉記 町起こし編

2016 SEP 3 3:03:02 am by 西 牟呂雄

 実に九ヶ月ぶりに小倉に行った。
 東京は台風に見舞われたが、こっちは随分雨が降ってないらしい。
 小倉駅南口ではすぐ側の元郵便局のあたりで割りと大きなスペースが再開発されていた。しかし・・。
 この街にいたのも5年前だった。産業遺構が世界遺産になり、遊園地もあり、お城も歴史もあり、祭りも文化もあるのだが、寂れる一方なのはどうしたことか。場所柄半島にも近く、北九州空港は国際空港でもある。
 飲んだくれていた懐かしい小倉の繁華街で酔い痴れながら話をしていると、警察と対峙していた武闘派のK会も頂上作戦が効いてかなり弱体化したとか。
 
 パンチ・パーマ発祥の地、バナナの叩き売り発祥の地、アーケード発祥の地、競輪発祥の地、色々あるがあんまり自慢できるものではない。バブルの申し子丸源ビルもスタートは小倉だった。風俗なんかは至って昔風。
 つらつら思うに石炭等基幹産業の全盛時代が過ぎて以来何をやってもダメなのだ。色々と考えてやったのだろうが、どうも〝落ち目″感がぬぐえない。
 関係者の努力は認める所だが、なぜそうなのかを考察すると・・・。
 どうも町起こしに対する姿勢が行政も企業も『上から目線』だったのではないのか。マラソン大会もやっていたが、市の偉い人なんかが出て来ると〝やらされ感″が漂ってしまう。
 小倉祇園太鼓を見ていた時に、ねぐらにしていた半旅館(単身赴任者専用の寮みたいなところ)のおかみさんが嘆いていた。
「前にK会が祭りを仕切っていた時はそりゃー賑やかなもんでした。」
 僕は暴力団は肯定していないが、祭りとテキ屋は不可分の文化。ただ小倉にいた時は恐かった。通っていたスナックの隣に火炎瓶が投げられたりしたが犯人は挙がらない。
 
 結局ダメになっていくものにすがっていては上手くいかない。別に根こそぎにしなくてもいいが『全取替え』の気迫で当たらなければ。それも民間が。
 一方ここは行政としても判断が難しいが、例えば人口が半分になっても食っていけるような(財政が黒字化できる)施策が望ましい。無駄なインフラは維持管理だけでもコストがかさむばかりである。
 キーワードは中小企業と規制緩和と考えている。
 北九州空港のひろい滑走路跡に倉庫やら何やらが立ち始めた。物流基地に持っていくのか。それならば消費を上げる。消費を上げるのはカジノが一番いい。ここは規制緩和だ。
 洋上の北九州空港の空き地を解放して、カジノ&バクガイ・ランドにする。爆買いは下火?富裕層を呼べ。元でもウォンでも何でも使え。
 祭りの間は地域限定で消費税減免の商品券をバラまいてギャンブルでも風俗でもホスト・クラブでも使えるようにしろ(これなら野党も賛成する)。
 無駄でシケたハコモノで医師常駐の大麻解放区にして合法特区にしろ(ケシの阿片と覚醒剤はダメ。この違い分かって)。これにはスペースが必要だぞ。遊園地の跡地が最適。
 従業員30人以下の中小企業から税金を取るな(事務的には難しいに決まってる)。
 自動運転の軽自動車を各住宅街まで往復させて夜中帰りを心配することなく酒を飲ませろ(酔っ払い運転防止にもなる)。

 まっ早く見切りを付けて年寄りの消費を喚起することですな。

 

「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」 

  
 

ふざけてんじゃねぇ ファイターズ(実況版)

2016 SEP 1 22:22:54 pm by 西 牟呂雄

 

「ふざけてんじゃねぇ!」
 私は久しぶりに怒った。
 首位に手が掛かったと言う大事な試合にイーグルスごときに連敗とは何事か。
 しかも2-9、4-13という大敗。吉井コーチはちゃんと見ているのか。
 既に三連敗中とは打線も何とかしろ。
 こうなったら直接栗山監督に言ってやらなければ効き目がないと判断したので、実に20年振りくらいに東京ドームに乗り込んだ。久しぶりの球場は『こんなに大きかったっけ』。
 先発増井はそれなりに低めに球が決まってイイ感じ。
 暫くは淡々と試合が進む。

 それにしてもファイターズが首位に絡んでいるとはいえ、こんなに人が入るとは予想していなかった。
 おまけに外野はファイターズのユニホームを纏った熱狂的な応援団で埋まっているではないか。
 これにはいい面と悪い面がある。いい面はオジサンが一人ではしゃいでいると危ない人に思われてしまうが、周りじゅう応援で頭に血が上っているので目立たなくて済む。
 悪い面はやたらと音量が大きくて、しかも選手ごとに応援の作法が違うのだ。テレビではその辺がわからない。おまけに攻撃中はズーッと立ちっぱなしできつい。ロッテの縦乗り程ではないが結構な運動量である。これでは私のフォースなど全く役に立たないではないか。

 5回に試合が動く。ヒットに四球で出たランナーを近藤が返した所で大谷が三振。するとあの中田がホームランだ。やればできるじゃないか。
 次の回にもレアードが放り込む。
 この辺で力尽きたオジサンは一人家路について、スマホを見ると・・中田はもう一本打った。
 あのさー、いいけどあしたにでも取っといた方がいいんじゃないの。っと余裕をかます。
 家に帰って増井の完封を確認した。よくやった。
 一方ホークスはと言えば昨日の逆転負けをモノともせずに9-2の大勝だ。東浜か。まあいいだろう。まだ沈まずや『定遠』は。
 こちらも大谷の投げ時は秘密中の秘密だが、中継ぎなんかじゃコントロールがねぇ。それどころかきょうのバッティングも犠牲フライのみ。疲れたのだろう。
 更に今月の天王山21日・22日のホークス直接対決は日本にいないことになりそうだ。私のフォースも海を越えては全く使い物にならないだろう。心配は尽きないが勝負の面白味ではある。まだ戦うぞ。

 インドの山奥で結果だけ聞いて悶死するのはいやだなぁ。

 「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」

▲TOPへ戻る

厳選動画のご紹介

SMCはこれからの人達を応援します。
様々な才能を動画にアップするNEXTYLEと提携して紹介しています。

ライフLife Documentary_banner
加地卓
金巻芳俊