Sonar Members Club No.36

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新春架空座談会 (今月のテーマ インテリジェンス)

「司会を務めるニシムロです(以下『西』)。明けましておめでとうございます。本日はそれぞれ専門の違うインテリジェンスの大家の皆さんにお集りまして2017年を考えていただこうという企画です。まず自己紹介をお願いします。」
「名前はご勘弁を(笑)。アメリカ人ですのでAでお願いします。専門を強いて言えばハッキングです」
「それでは私は英国人ですからBですね。私はヒューミントが主です」
「中国人です、Cです。東アジアが担当で主に対日工作に従事しています」
「ドイツ人、従ってD。専門はロシアだ」
西「昨年世界は大きく動きました。皆様もそれぞれの分野で関わられたのでしょうが、ここで申上げておきたいのはどの方も、そして勿論私も愛国者だということです。いかがでしょうか。」
B「スパイと言ってしまうと007のイメージが強すぎますが、彼も含めて国家への忠誠心は高いのが一般的です。」
D「所属する機関にもよるがね。ロイァリティは高くなければ勤まらない」
A「それは二重スパイにも言えますね。ISにリクルートされた格好で潜入するエージェントなんか我が国への忠誠心が最も強い」
C「そうあらねば敵と味方の峻別ができないでしょう」
西「さて、昨年大きな話題になったパナマ文書については今後どういった展開を見せるのでしょうか」
B「あんなものもう展開も何もないですよ。(Aを見ながら)使い切った情報を表に出しての警告でしょう」
A「『使い切った情報』の前に、散々稼いだ、が付くんじゃないですか。タックス・ヘイブンはほとんどBさんの国の領土ですな」
C「(やはりAを見て)それより大物の名前が出なかった国を疑うのがこの業界では普通じゃないですか」
A「言いたいことは分かるが、諸刃の刃ですよ。Cさんの国で無期懲役になった令計画(リン・ジーファ)の弟が我が国でペラペラ喋ってるそうじゃないですか」
C「あれがいくら喋ってもどうってことありませんよ。幹部の腐敗についてバラしているのは知ってますが、既にAさん達が知っていることばかりでしょう。この業界の取引材料にはなりませんね」
西「ペラペラで思い出しましたがモスクワにいるスノーデンはどうしているんですかね」
D「あれこそ個人情報の流出程度の内容ばかりでしょう。それよりプーチンは二重スパイの疑いを強く持っていて彼を信用していない」
B「プーチンはこの業界の人間ですよ。あんなに有名になって映画にもなるような奴を使うはずがない」
西「しかしヒラリー陣営へのサイバー攻撃何かには役に立ったのではないですか」
A「チャンチャラおかしいよ。あいつが亡命した時点でセキュリティ・システムは既に変更済みです」
西「そういうものですか」
D「そういうものですよ。サイバー空間は既に日常的に『戦闘モード』ですからね」
西「するとAさんなんかはISとも戦っているということですか」
A「詳細は申上げられない。中東の情勢は複雑で一言では語りつくせませんが、例えばハッカー集団『アノニマス』は既にサイバー空間上で宣戦布告しています。事実ISのリクルート能力は落ちていますから。」
C「我々はサイバー空間どころか現実に防衛を強化せざるを得ません。ウィグル族にもIS戦闘員がいて帰国し始めている」
西「実際に防諜されているんですか」
C「対テロという意味では勿論やってます。ただヒューミントに関しては遅れていると言わざるを得ませんね。彼らは恐ろしく口が固い」
D「対イスラムという意味ではヨーロッパもロシアも何度も裏をかかれているので強硬になる。世論もそれを後押しします。予算が跳ね上がった」
西「北朝鮮は皆さんの対象ですか」
A「あの国はIT化が遅れすぎていてハッキングしてもサイバー攻撃しても全く効き目がありません」
C「ヒューミントについても同様ですね。物凄い密告社会になっていて直ぐに告発されてしまう。スパイ網が構築できない」
B「以前は在日からのルートがあったんですが、安部政権になってからガラリと変わりましたね。」
D「ロシア当局も頭を抱えている。ただ制裁は少しづつ堪えてきていることは確かだ。ところが朴槿恵があんなことになってしまって今は盛んに対南工作をしてる」
B「そういう時こそエージェント確保のチャンスなのだが。Cさん金正男の身辺はどうですか」
C「言える訳ないでしょう(笑)。健康であるとだけ明言します」
西「金正男がキーマンなんですか」
C「ニシムロさん、そのアタリの情報には近づかない方がいいですよ。あなたはとっくにマークされています(マカオの怪人)。」
西「えっそうなんですか。」
A「あんまりこの業界をナメてかからない方がいい。自分がエージェントに仕立て上げられている事に気が付かない人は多い。」
西「でもハニー・トラップなんかあった事ないですし」
D「それはあなたが重要人物じゃないからです。ロシア関係をウロチョロしたことも我々とっくに知っている」
西「・・・・・・。それでは今年のトランプ大統領就任で皆さん方がもっとも注目しているインテリジェンス・エリアはどこでしょうか。お一人づつお願いします」
A「イスラエルですね。イランとの核の妥協を物凄く怒ってます。トランプ側に猛烈なロビイングするでしょうから結果がおもわしくなければ先制攻撃ぐらいしかねません」
B「Cさんの前でナンですが中国です。トランプの強硬発言にピリピリしてますよ。習近平は経済がダウンして反党運動が起きるのにビビッてます」
C「私はむしろ日本です。安倍総理がプーチンとトランプを手玉にとるんじゃないかとインテリジェンスを研ぎすませています」
D「仕事柄ロシアだな。EUが潰れかけているのをプーチンが笑いを噛み殺して見ているからね。具体的にはバルト三国とウクライナは相当危ない」
西「本日はどうもありがとうございました。平和の為に今後ともよろしくお願いいたします。そして仕事柄くれぐれも身辺にご注意ください」

そしてインテリジェンス業界の者は普段は目立たないように行動し、質素に暮らすのだった。

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