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チェロという楽器をご存じでしょうか

チェロという楽器をご存知でしょうか。

2010年と2016年の2回、ベートーヴェンの第九交響曲を、母校早稲田大学のOBのオーケストラで演奏する機会がありました。ちなみに、演奏団体は、早稲田でオーケストラを共にした50歳以上のメンバーのオーケストラです。

平均年齢はなんと67歳くらいで、ボクなど一番若いひよっこの部類に入っていました。

 

2016年第9演奏会チラシ

2016年5月8日上野・東京文化会館にて第九を演奏した早稲田大学2016フロイデメモリアル演奏会のチラシです。

ベートーヴェンの第九交響曲は、この世の混沌を表すような、弓の先で聴こえるか聴こえないかわからないくらいに、極小さく第1楽章が始まります。常に冷静に音の出るコンマ何秒か前に指揮者からくる指示と、楽譜に書かれた旋律の速度やニュアンスの指示を読み取り、右手で弓に伝え、左手の音程で瞬時に音に変えていくという作業を続けます。

第4楽章! 冒頭は、低音を担当するチェロのまさに「世紀の見せ場」です。満場の聴衆が固唾をのむ中、歌舞伎役者が見得を切るように、対話が始まります。「ここまでの音楽では『歓喜』は来ない」と、今までの旋律をことごとく否定するのがチェロの役です。満場の聴衆がチェロの動きを注視しているのが分かります。到達する「歓喜の歌」の最初は、小さく弾く必要があり、過度に気持ちの高ぶりを抑え、音が上滑りにならぬよう必死で押さえながら、楽器が一番いい音で鳴るように制御します。チェロで弾かれる朗々と歌う旋律が、満場の観客の注視の中で静かに流れます。合唱が入ってきました。オーケストラの伴奏で、合唱が絶叫します。オケと合唱の約400名が1つになり、「歓喜の歌」を高らかに歌い全力で疾走します。第9を弾くときは人生で何度かしか味わえない満ち足りた時間が過ぎていき、不思議な高揚感で至福なときです。チェロとともに生きる実感を持てるのです。

今回の演奏で、気がついたことは、第1楽章で登場する、付点音符がついた音の形(ター ンタタタタン)が、第4楽章の最後の最後で、同じようなところにつながっていること。つまり、あの第九の緊迫感は、最初から最後まで一貫していたことにきがつかされました。やはり、ベートーヴェンは演奏のたびに、新たな発見があるものです。

第九演奏中の本人

第九演奏中の本人です。

早稲田大学2016フロイデメモリアル演奏会の演奏風景です。ほんの少しですがお裾分けです。

 

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    4 comments already | Leave your own comment

  1. 東 賢太郎

    1/11/2017 | 11:22 AM Permalink

    平均67才というのが素晴らしいですね、なかなかその年齢で400人集まれるものではないしジェネレーションの一体感でさらに熱い演奏ができたことでしょうね。

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  2. 野村 和寿

    1/11/2017 | 12:10 PM Permalink

    東さん コメント感謝。ぶっとおしの演奏だと疲れてしまうので、第2楽章と第3楽章との間に休憩を20分入れました。これはちなみに、ベートーヴェンの初演のときも、第2楽章が終わって中断したという古事にのっとっている、などと理屈をこねましたが、まあ、休んだ方があとあといいだろうと。そこで、合唱団も、休憩終わりに舞台上に並んでもらいました。

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  3. 1/11/2017 | 6:58 PM Permalink

    野村さま
    小生は楽器が弾ける方は天才だと信じています。
    チエロと言うとパブロカザルスが冷戦真っ盛りの時に国連で弾いたのを強烈におぼえています。
    その時の映像を友人が持って居るのですが,絶対に貸してくれません。

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  4. 野村 和寿

    1/12/2017 | 4:05 AM Permalink

    Tom Ichiharaさま はじめまして。コメントわざわざありがとうございました。ぼくもカザルスとの対話という本を読んで、学生時代にチェロを始めた口です。ぼくも国連でのカザルスの演奏をテレビで拝見いたしました。なにしろ、バルセロナの古書店で、バッハの無伴奏チェロ組曲の楽譜をカザルスが発見しなかったら、うもれていたわけで、カザルスはやはりすごい別格の人です。下記に1936−39年にカザルスが演奏したバッハの無伴奏チェロ組曲を貼り付けておきます。よろしければご鑑賞下さいませ。今後ともよろしくお願いいたします。

    https://www.youtube.com/watch?v=wqhR37qSUMA

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