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日独を結んだ潜水艦 深海の使者たちその③

2017 FEB 28 18:18:49 pm by 野村 和寿

私の母(昭和2・1927年生まれ・90歳)が、横浜に在住しておりましたので、いつだかはっきりしないのですが、ドイツの潜水艦で来日した水兵達が、神奈川県庁のある日本大通りで、ドイツ海軍による分列行進をしたのを女学生みんなで見たと申しておりました。水兵たちは、足を真っ直ぐにしてきびきびと歩くので、とても格好良くて、印象的だったそうです。さて、このあたりで、日独間の深海を結んだ、あるいは結ぼうとした潜水艦を比較してみました。日本とドイツの潜水艦の意外な違いをまとめてみました。なんとなく、ドイツ潜水艦は、日本の潜水艦に比べて巨大で速力も速くと思っていました。ところがずいぶんと違っていました。まとめてみたのが下図になります。日本の細かなからくりの工夫を施したのに対して、ドイツの合理的な工夫、両国の設計の違いが明らかにわかります。

ドイツUボート

ドイツUボートの特徴をまとめてみました。

日本の潜水艦

日本の潜水艦の特徴についてまとめてみました。

イ号第八潜水艦

昭和18年6月1日呉軍港出港、8月31日旧フランス領ブレスト軍港到着、10月5日ブレスト出港、12月21日呉軍港入港 日独往復した唯一の日本海軍潜水艦

U505

米シカゴ科学博物館に展示されているドイツUボートU505(9C型)です。塗装は大西洋のため灰色に塗装されています。

U161

米海軍偵察機がとらえたドイツUボートU161(9C型)

大日本帝国海軍潜水艦乗務記録 インド洋♯1

下の動画は、実際に日本海軍が撮影した記録映画です。救いなのは潜水艦の乗員はみな明るく比較的自由にふるまっていること。これだけ厳しい規律の下だと、むしろ自由にふるまえるというところがあるのかもしれません。You Tubeには「その6」まで分かれて約50分間の映像がアップされています。ご興味のある方はどうぞ。

大日本帝国海軍潜水艦乗務記録 インド洋♯1

「消えたイ52号」(NHKスペシャル)97年3月2日初回放送。こちらは、沈没したイ第五十二潜水艦の引き上げの記録ドキュメントです。

伊号第五十二潜水艦は、第5次の遣独計画の潜水艦として、昭和19(1944)年3月10日呉軍港出港、2トンの金塊、錫、モリブデン、タングステン228トンを積載、3月21日シンガポール入港、3月23日シンガポール出港、6月8日レーダー逆探知装置をドイツ潜水艦をより受領し伊号に設置しました。6月21日スペイン海域で米海軍アベンジャー雷撃機より攻撃を受けて沈没しました。金塊を引き上げる計画がもちあがり、1995年引き上げが計画されたが、深海5000メートルなので、断念した経緯があります。これで「深海の使者」のブログ記事は終わりです。最後に著者の吉村昭氏の本文庫は非常に読み応えがあります。是非、ご一読をお薦めします。

ブログに使用した写真はウィキペディアのパブリック・ドメインのものを使用しています。

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