なぜ自民党が勝つと円安、株高なの?(reprise)
2012 DEC 20 23:23:49 pm by 東 賢太郎
表題のブログ、たくさんの方が読んでいただいているようなのでレプリースを。
この問いに正しい解答をするには、
①勝った自民党が何をすると言っているか ②その政策のどれがマネー(お金)を動かしているか
を検証しなくてはいけない。株価や為替レートは国が決めているわけではない。だから政権が替わったり安倍さんが何か言うことによって株価や為替レートが変動するわけではない。決めているのはマネーであり、マネーが動くから変わるのである。つまり、
自民党勝利→マネーが動く→株価、為替が変動
というロジックを知り、表題に含まれていない「マネーが動く」という部分を分析しないと正確には答えられないのである。
では、
マネーはどうして動くのか? いや、そもそもマネーとは何か?
アメリカの学校はこれを教えるが日本の学校は教えない。マネーとは本来は消費(交換)、貯蓄の道具であるお金、貨幣というものを、決済、投資という動的な目的を持った行為に特定してその総量を計るための概念である、といっておおよそ正しいだろう。
ではなぜ日本人がマネーについて教わらないかというと、「投資」を教わらないからだ。ことこの側面に関して、日本の教育は共産国と何も変わらない。驚くべきことにいまだに日本では投資と投機(バクチ)はほぼ同義である。学校がバクチを教えるはずがないから皆さんは教わらない。だからアメリカの証券会社は財務長官を出すが、日本の財務大臣はNHKのレポーターがやることはあってもバクチ打ちと思われている証券会社出身者がやることはない。
したがって、
なぜ自民党が勝つと円安、株高なの?
という問いに満点答案の書ける日本人は大学の先生を含めて、おそらく10%もいないのではないかと憂慮する。自民党に投票した人も大半が驚いているのではないか。
なぜ安倍総裁がまっさきに今日、日銀の白川総裁を呼びつけたか?
僕の経済ブログをじっくり読んできている方は、このことだったのかと完璧に意味が分かるだろう。それがわかれば円安、株高の理由が補正予算と公共投資だけでないことも容易にわかるだろう。若い方、大学生の皆さん、習ってないのですからわからなくて当然なのです。何も心配することはありません。マネーについて自分でじっくり学べばいいのです。
マネーを学ぶということは、老後を年金に依存できない可能性のある世代の方にとって必須です。FXや株のデイトレーダーになることを薦めているのでは全くありません。マネーというものの原理や動態をじっくり分析できる眼を養って、「中長期的に賢い投資家になること」。これしかありません。
Categories:______国内経済, 経済, 若者に教えたいこと
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