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クラシック徒然草-おふくろの味だったティーレマン指揮ウィーンフィル-

2013 NOV 12 0:00:04 am by 東 賢太郎

今日はウィーンフィル演奏会でベートーベンの7番と5番を聴きました。サントリー・ホールでのD社ご主催の日で、小泉元首相はじめ僕の古巣である両社の元社長などもおられ(久しぶりにお会いしましたが)全部招待客だったようでうす。ご隆盛をきわめるD社のH会長、Y常務には大変お世話になっており、弊社をこのような席にお招きいただき心より感謝申し上げたいと思います。

さて演奏ですが、多言を弄するまでもなく実に良いものでした。クリスティアン・ティーレマンは名前は聞いておりましたが聴くのは初めてです。前半が7番、後半が5番でしたが、伝統的かつ保守的そのもののベートーベンです。このオケが100年前から営々と演奏してきた流儀を損なうことのない、悪く言えば創意工夫のないものでしょう。

しかし、この流儀、僕らの世代がフルトヴェングラー、ベーム、イッセルシュテットらで聴きなじんできた昔のウィーンフィルの音を思い出すのです。なんとも懐かしい「おふくろの味」!堪能しました。漬物と佃煮にご飯とみそ汁なんだけど、どれもが極上品で舌鼓を打つばかり、とでも申しましょうか。ティーレマンの棒もあまり細かい部分にこだわらず、7番は奏者たちの伝統にまかせ、それを要所要所で盛り立てるという風情です。

古楽器だベーレンライターだという世の風潮ですが、ではヨハン・シュトラウスのワルツがそんな風にできますか?ニュー・イヤー・コンサートを古楽器でやりましょうか?そんなとんがったことしなくてもこれで充分でしょう?だって我々はウィーンフィルなんですから、とでもいう感じです。参りました。その通りでございます。

ふっくらした芳醇な弦(特にヴィオラ!)、あでやかな花園のような木管、木質で浮き出ない金管、革張りのティンパニ、特筆すべきはフルートの見事な縁取りと完璧なピッチ、上質のクリームのように滑らかなクラリネット、木管・ホルンのアンサンブルの天国的美しさ。まさに極上のウィーンフィルの音であり、これ以上は何も要りません。同行した長女もそれを楽しんだようです。

5番は名演でした。拍手が終わらぬうちに開始。リズムが生き、音色に見事なコクのある第1楽章。古雅な音がする第2楽章。ウィンナホルンが魅了する第3楽章、そして圧巻の加速で閉じる終楽章。ティーレマンはテンポのうねりで大きな波を作り、金管群をあおりにあおるなど自発性に任せながらムチはしっかりと入るという指揮であり、カラヤンよりはフルトヴェングラーを思わせるものがあります。期待の大器ですね。

今どきこんな古風なベートーベンが聴けるとは思いませんでした。ブラヴォー!

 

 

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