わが温泉考 (Splendid hot springs in Japan !)
2013 DEC 24 17:17:50 pm by 東 賢太郎

温泉について書けるほど知識はありませんが、とにかく好きです。先輩に教えてもらった秘湯ということで2006-7年ごろ岩手、秋田の藤七温泉、玉川温泉、国見温泉をめぐったのは忘れません。
藤七温泉は箱根の大涌谷のように地中から硫黄臭の白煙がたちのぼる広大な丘にあります(硫黄は本当は無臭であれは硫化水素臭なのですが、硫黄ということにしておきます)。野趣あふれる白濁湯でした。シャワーのたぐいはなし。なにかお湯というよりも粘土をお湯に溶いた濃厚なクリームスープとでもいう感じですね。病気など吹っ飛ばす大地のパワーを感じました。
玉川温泉は癌治療で有名ですが、これは強烈でした。源泉は酸性が強くてすぐは入れません。たしか30%、50%と薄めた湯から順番に入り、体を慣らしてから100%に入ったと記憶しています。足に小さい傷があったのですが、それに湯がしみて痛くてたまりません。何とか我慢しましたが、この湯が癌に効くのは酸性が強くて皮膚がやられ、白血球が増えるからだと聞きました。納得です。
国見温泉は車で舗装されていない山道をがたがたと延々と登ります。正に秘境の秘湯。こじんまりした湯治場の旅館があってそこの風呂に入れてもらいます。ここで1か月素食して湯治したら10㎏は痩せそうだ。一度是非泊まってみたい。これは鮮やかなグリーンで少々驚きますね。
ところでぜんぜん話は飛びますが、人間の血液内には鉄(Fe)があります。鉄という物質は宇宙空間に元々はなかったそうで、恒星の核融合の最終生成物である 56Feが超新星爆発で宇宙空間に飛散した物質です。あまり遠くない将来にオリオン座のベテルギウスでその超新星爆発が起こるといわれています。
宇宙空間には、こうして吹き飛ばされた星の残骸(星くず)が散らばっています。その中に鉄(Fe)が含まれていますし、宇宙の歴史の中でそこでしか鉄は生まれません。水素ガスが引力で固まる時にその星くずもまざった新たな星ができます。そうしてできたものの一つが地球です。そして我々の体は地球の物質だけでできています。だから我々の体内に鉄があり、それは我々の体が星くずでできているという証拠です。
昨日松坂屋の芦の湯温泉(右)につかりながら息子とこんな話をしました。脱衣場の壁に温泉の成分表があります。温泉は熱いので地球の様々な元素が溶け出している。そこが井戸水と違うのです。
でもそのうちの硫黄は人体に有害な化学物質である。にごり湯の腐卵臭は硫化水素ガスであり、一定量を超えて吸引すると即死に至る。
どうして毒なのに人は温泉を好きなのか?
「それは科学と矛盾するよ、科学的に答えはないよ」というのが理系の息子の答え。
「そうだね。毒を好きな人はいないと仮定するのが科学だろう。でもお父さんみたいに好きだという人がたくさんいる。これも事実だ。科学には何か限界があるんじゃないか?」
「じゃあその仮説は?」
「例えばだ。人間も地球も元は星くずだ。温泉は「地球のスープ」だよ。人間には星だった頃からみんなおなじみのものであって、旧友同志が磁石みたいに引きあうんじゃないか?」
「確かにお湯につかりたいなら家の風呂や銭湯でいいし。なにかそれ以上の魅力はあるけどね。ただ効いたと思い込むと病気が治るプラセボ(偽薬)効果というのもあるよ。」
「そうだね。でも、自動車の排気ガスのにおいが好きな人がいる。だからこれも毒なのに芳香族というだろう。どうしてそれがいいニオイとプログラムされてるんだろう、人間の遺伝子に?」
答えは出ませんでしたが・・・
昨日の大涌谷です。
自分が星でできていて、星だった時代の物質同士が呼びあっていて、自分もスープの中に回帰したくなる。化学だと明らかに「毒」なんですがトータルだと薬になる不思議・・・。遺伝子の記憶、ケミストリー(合う人合わない人)、親と子、男と女、僕と猫、こういうものを科学で解明したら?
1個食べると7年長生きする?温泉卵をつくっています(下の写真)。僕の場合、つい、卵よりもここに裸になってつかった方が長生きできるんじゃないかと思えてくるのです。

中島 龍之
12/25/2013 | 10:43 AM Permalink
温泉はいいですね。緑の国見温泉入ってみたいです。毒なのに温泉に入ってしまう地球人、命の起源に回帰する、というのは納得です。硫黄のニオイがあったほうが嬉しいです。人間は土に還るという考えもいいかもしれませんね。
東 賢太郎
12/25/2013 | 12:04 PM Permalink
ぜんぜん違う方面からアプローチしてました。
「人間は土に還る」
なるほどそういうことですね。腑に落ちました。ありがとうございます。