テレビを消しなさい
2014 JUL 22 12:12:22 pm by 東 賢太郎

認知科学者の苫米地英人氏によると「貧乏脳」というものがある。
金持ちとは収入が多い人ではなく、収入より支出が少ない人のことをいう。金持ちになる方法は収入を増やすだけではない。ところがそれでは税収が減るので政府、官僚は困る。だから「貧乏脳」を増幅する仕組みを作り知らず知らず国民を洗脳している。以上、「金持ち脳」・捨てることから幸せは始まる(苫米地英人著、徳間書店)(筆者要約)である。
その仕組みの最たるものがテレビであり、CMもドラマも「貧乏は悪だ、消費はすばらしい」という刷り込みを毎日繰り返している。氏によると貧乏脳は2種類から成っていて、「不満足脳」と「低自己評価脳」である。それから逃れるにはテレビを消しなさいと彼は言っている。日本のテレビの対象想定年齢は小学校高学年程度である。人をバカに変え、欲望の権化とする元凶と断じている。
それは知らなかったが僕はたまたま野球とニュース以外はテレビを見ない。そう教わったわけでなく単につまらないからだが、それで人生困ったことは一度もない。だから本を読んだりブログを書いたりできる。時間の問題ではない。テレビから学べることはないということだ。小学生レベルだからあるはずがない。インプットがなければアウトプットもない。だからブログも書けない。
ああいうものを見ていると大脳辺縁系が優位になるらしい。怒り、悲しみ、恐怖など動物としての原初的行動を司る部位だ。そういう貧乏脳から逃れるには前頭前野による「抽象化思考」の必要がある。具体的なお札やコインをイメージしていては金持ち脳はできないらしい。うーん、この辺になるとそういう仕事である僕は自信がない。彼の言う金持ち脳ではないような気もしてくる。
「お金で買えないモノを多く持つほど本当の金持ち」、これはしかりだ。皆さんはどうだろう。それを知れば金を使わなくても手に入るモノの価値がわかり、手に入れる方法が見えてくる。したがって続々と手に入り、満足するようになる。実収入とは無関係に金持ちになれる。これはいい考え方だ。脳が満足すればエフィカシーが上がるからだ。この「満足する」という実感、実体験こそが大事だ。テレビはこれを打ち砕いてしまう。
コーチング用語でエフィカシーとは「自己能力に対する自己評価」という意味だそうだ。だからエフィカシーを上げれば自分はカネを稼げる人間だという自己評価を上げられる。日本人は総じてこれが低い。だから稼げる人間と稼げない人間との差が生じる。稼げる人は稼ぎ方の研究をしているわけでもうまいわけでもない。できると確信しているから稼ぎ方が「見える」のである、と言っている。しかりだ。
別にカネを稼ぐのが人生ではない。僕は死ぬまで人生を楽しむために必要十分な資産額がベストと信じている。ありすぎも害である。もっと増やしたい、取られたくないという邪念が出るからだ。あってもなくてもカネに人生を支配される。これは良くない。しかし「お金で買えないモノ」だけでは食っていけない。だからエフィカシーを上げて、がつがつせず自然に稼げるような脳にするのがいい。この本の教えはそんな所だと思う。
米国カーネギーメロン大学Ph.D.である苫米地氏は博学の合理主義者のようだが言っていることがはっきりして分かりやすい。こういう人は優秀である。要は、むずかしいことはない。テレビを消しなさい、本を読みなさい、だ。お子様、お孫さんがおられる方、実践されてはいかがでしょうか。面白い本であり1時間で読める。お薦めします。
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Yozakura
8/30/2014 | 10:27 PM Permalink
東さま:初めまして
2週間程前に、例のSTAP細胞騒動に関する記事の流れから、貴殿の「小保方発表で暴騰したセルシード株式の株価」に関する記事を読み、爾来、このブログの過去記事を中心に少しづつ読み耽っております。
従前より懸念されていた通り、小保方ユニット・リーダーを指導していた上司が「自殺」してからは、局面は不透明な情況下に沈殿しつつあります。
証券業界の裏事情に詳しい貴殿の、更に詳細な解説が待たれる処であります。お時間ありましたら、事態の急激な展開に就いて、御解説下さい。
で、本日は、過去記事から「テレビを消せ」に逢着し、初めてコメントを差し上げます。
御説は御尤もであります。賛同致します。何しろ私は、生まれてこのかた、テレビ受像機を所有したことはなく、現在も所有しておりません。
従って、衆愚テレビ局が連日連夜、垂れ流し続けている痴呆番組が惹起し兼ねない精神汚染から、私の高潔なる魂を防衛することに成功を収めております。貴殿の懸念や不安は、充分に理解できます。
ただ東氏は、現代日本の社会事情に今一つ疎いところがあり、「テレビさえ観なければ問題は無い」と誤解されているようなので、一言申し上げます。
既にネット上の一部で報じられている通り、衆愚放送局の幹部や保守政界の一部でからは、テレビ業界の衰退を恐れる余り「PCの所持者からも放送受信料を強制徴収しよう」などと云った暴論が飛び出しております。
衆愚テレビ局や痴呆視聴者を眼下に見下し、高みから睥睨しておればそれで問題無い—-とばかりも言えない情況展開も懸念されます。
衆愚テレビ局を含む放送利権マフィアの暗躍ぶりに就いても、何か御存じであれば、御高説を開陳して下さい。お元気で。
東 賢太郎
8/31/2014 | 1:23 PM Permalink
Yozakuraさま、コメント有難うございます。STAP騒動に関する一連のブログに自説は書きました。爾後一連の事態発生を見ても変更も追加も不要です。どなたかの証明を待つのみです。国は理研の予算を減らすぐらいしかしないでしょう。マスコミの正義に期待します。僕の立場はマスコミが悪いということではなく衆愚がいけないということです。