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「遊びのすすめ」(遊びは戦争のシミュレーション)

2015 JUL 26 8:08:36 am by 東 賢太郎

遊びは戦争のシミュレーションである。

これは僕の持論で、それもけっこう気に入ってる類のものです。戦争がいい悪いはこの際おいときましょう。なぜなら、社会へ出て、将来少しぐらいは他人よりいいポジションにつきたいと思っている若者にとって、待っているのは戦争以外の何ものでもないからです。いいポジションというものは、まじめにやってれば与えられるものではなく、ぶんどるものです。

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池井戸 潤の「シャイロックの子供たち」を読んでとても面白かった。筆者は銀行でこういう原体験を持ったのでしょうがどこでも一緒ですね。サラリーマンの出世競争にきれいも汚いもなく、奸計を弄してできる奴の足をひっぱる奴、権力で部下を利用し不要になると捨てる奴、上司のヨイショで上に登るお小姓野郎、そういうどうしようもない下郎がいくらでもいるんです。出世競争は実力だけではなく、いつも正論を吐けばいいわけでもなく、下郎に対しては下郎なりの戦略を持ってなくてはいけません。

 

中学のころです。世の中そういうもんかと僕に下郎の仮想体験をさせてくれた小説に漱石の「坊ちゃん」があります。「おれ」と同じぐらい義憤の塊になってしまい、一緒になって赤シャツ、野だいこをやっつける気になってたのがなつかしい。会社に入ってわかりました。どこの組織にも必ずいるんです、赤シャツ。その周りを見渡すと野だいこがこれまたたくさん出てくるんですね。うらなりも山嵐も笑っちゃうほどちゃんといるんですよ。

英語教師のうらなりが婚約者のマドンナを赤シャツにとられて飛ばされちゃう。時代が時代だから池井戸の上掲書や半沢直樹シリーズにくらべればあまりに他愛ない下郎ぶりですが、似た事件もありましたね。まあそんな程度のことに義憤で立ち向かう「おれ」の男ぶりがさらに際立ってくるのが現代の読み方なのかもしれません。パワハラなんてレベルの話じゃありません。もっと上でもっと堂々と陰湿なことが行われている。

赤シャツ、野だいこに天誅を下して辞職した「おれ」はサラリーマンとしては負けなんです。そこはもう人間の価値観ですね、人生何が大事かっていう。義憤でテーブルひっくりかえして溜飲を下げるのも気持ちがいいが、男の場合は守るべき家族ってものがあります。だから溜飲を下げるなら、どうなったって食える覚悟がなくちゃいけません。その力もないなら、義憤はあきらめて、お小姓の家来にでもなるかプライドも人格も捨てて組織の犬にでもなることです。別名、奴隷ですね。

冷たいことを書くようですがマキアベリだったらやっぱりそう書くでしょう。そういうもんなんです現実は。サラリーマンというのは単なる使用人であって、オーナーでなければ役員になろうがなんだろうが、社長になったって、実は使用人です(東芝をみたらわかります)。サラリーマン社長というのはどんな大企業であろうと銀座のクラブでいえばチーママ、雇われママなんです。ママは大株主であるオーナー社長以外にあり得ません。株を持ってなければ辞めたらただの人ですね。世間一般はそういうことを知りません。

だから、赤シャツ、野だいこをぶんなぐるのが面倒臭いなら、自分で会社つくってオーナーになることです。起業するということですね。その甲斐性がないなら、仕方ないからサラリーマン戦争に参戦してえらくなるしかありません。くだらない戦争ですが、やるならある程度は勝たないと面白くないですね。そう思うかどうかです。奴隷でいいという人は僕のブログなど時間の無駄ですから退出してください。そうでない人は、だから遊びなさい、思いっきり失敗できる学生のうちに負けの経験をたくさん積んどきなさいと言っているのです。

スマホでゲームなんかやってるのは暇つぶし、石つぶしであってそんなものは僕のいう遊びじゃない。ゲーセンやパチンコと何も変わらないです。失敗しても痛くもかゆくもない、何も人間を学ばないし追い込まれもしないでしょう。ゲームやるなら麻雀をやることです。僕はたくさん負けたからわかる。あんなに戦略的で、人間が学べて、だからこそ負けると悔しい遊びは思い浮かびません。カジノは金額は張って負ければ悔しいし経済的に追い込まれもしますが、運試しの要素が強い。人間をじっくりと観察して根っこから学ぶにはディーラーは不適です。麻雀の4人みたいに関係が対等じゃないからです。

スポーツは負けても金は減りませんが、人間として全人格的に勝者に否定され、劣後した気持ちになりますね、特に男は。プライドも名誉も女も取られるんです。戦争で負けたのと同じです。だから同好会みたいなのはだめです、そうなりませんからね。スポーツである必要はないがこういう屈辱を味わってないと結局は弱いと思いますよ。負ける屈辱なんて実は大したことないし、それが倍返しの強烈なモチベーションになるのに、経験がなくて怖いままだと往々にして逃げるようになるんです。そういう人が非常に多いですね。言いわけ、口実でケツまくって逃げる性癖を持ってしまう。そういう人はここぞという場でいよいよ初めて負けて大怪我するし、そもそも勝負弱いです。もっと困るのは目利きに信用されません。僕は大事なところでそういう部下を絶対に使いません。

海外に出てみる。それもなるべくツアーじゃなく自力で。いかに自分が理解されないか、何でもないか、日本人がどう見られるか、完璧にわかります。言葉の問題じゃない、そんなのは「理解されない」ことの一部分にすぎません。ふつうプライドがずたずたになります。負け体験ですね、それがいいんです。どうしたら理解されるか、仲良くなれるか、上回れるか、いろいろ考えます。自分の頭でね。それが自分の肌に合ったインテリジェンスになります。くだらないノウハウ本を百冊読むより1週間の海外体験が確実に勝ります。英語ができない?行ってしまえばいいんです。できないと生きてけないから必死になり、なんとかなるもんです。

戦争というのは、負けてはいけないんです。勝つためにやる。だから先にシミュレーションしたほうが強い。本番の前に問題集を解いた方がいいですね、そこでたくさん間違えたらなおいい。弱いところを教えてもらったのだから、そこを特訓して本番に臨めば勝つ確率は格段に上がるのです。だから、思いっきり遊んでください。例に挙げたスポーツ、麻雀、個人海外旅行、ぜんぶ人間を相手にして鍛えられるものですね。人間相手であれば何でも構いません。お薦めしてることの究極は、人間を知って、観察して、利害関係をもって、相手がどういう顔や性格や言葉つきや行動パターンだとこういう奴だという目星をつける能力を磨くということなのです。

 

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