剣道範士八段 湯野正憲先生のことば
2016 OCT 1 13:13:00 pm by 東 賢太郎
ベイスターズの三浦大輔投手の引退試合。10点取られたが、先発して7回まで投げるなんてきいたことない。日ハムの武田勝投手は一人だったが、去年の山本昌もそうだったしそれが普通だ。お疲れさまでした。
武田が球速125km、三浦も135kmほど。最後はロッテ清田、ヤクルト雄平が「三振」して有終の美だ。このシーンはいつ見ても涙が出てくる。雄平の三振は見事でプロ野球ニュースで讃えられていて、僕はそれで二度泣きした。
ヤクルト選手会長森岡の引退試合。終了後にナインがハグするが、バレンティンが抱き上げて讃えているのを見て「いい奴だなあ」と。自分もリリースなのに男だね。打席では不遜な奴だが、男はこういうところをじっと見ているのである。
プロ野球ニュースでもうひとつ、カミソリシュートの平松さんが「指導者、子供たち、三浦のフォームを覚えておきなさい」と。「長くやるにはこれです」と。
「ねっ、バックスイングで腕が後ろ(背中側)に回ってないでしょ」
なるほどそうだったか。さっきダルビッシュを見たらやっぱりそうだ。6回で12奪三振。9三振以上の試合数43はあの火の玉投手ノーラン・ライアンに1差の2位。信じがたい曲がりのスライダーは、あのスピンをかけるとヒジに来るなとは思うが肩をやらないのはそれだったのか!
レンジャースの2番手はというとあのヤクルトのバーネットだ。メジャーのマウンドだと中継ぎで普通の投手に見えるが7勝もしている。これがまた、セットでグラブをあらかじめ右腰にもっていって右の肩甲骨を「入れて」バックスイングに入る。そうか、するとトップで腕が後ろに回らないのだ!
高校で僕は硬式野球部のOBや先輩に投球フォームをいじられたことはないが、一度だけ注意されたことがある。当時九段高校には体育教師として剣道範士八 段湯野正憲先生という剣法の大家がおられた(左がご著書)。ある日、いつものように校庭のブルペンで投げていると湯野先生がつかつかと寄ってこられてこう言われた。「僕は野球のことはよくわからないが、キミは左足が着地で開いてる。それでは力が逃げるよ。地面に親指から着くようにしなさい」。これだけだ。
僕は意味するところがよくわからず、やってみたがうまくもいかない。結局教えは忘れてそれっきりになったが、先生と口をきいたことはなかったし突然のことだったのでよく覚えている。
平松さんのことばでこれを急に思い出したのだ。僕はワインドアップでバックで大きく腕を引くフォームで、非力ゆえにたぶんそれで肩を壊した。セットだとテークバックが小さくなり、親指着地にもなった。だったらぜんぶセットで行けばよかったのだ。湯野先生は平松さんと同じことを言われていたとわかった。たいへんに後の祭りだが。
「長くやるにはこれです」
達人はちょっとしたことで、凡人にはわからない、しかし決定的に大事なことを教えてくださる。もっと謙虚になっておけばよかった。子供たちは教えに従ってぜひ三浦投手のフォームをまねして、怪我しないように頑張ってください。
(PS)
ついさきほど阪神の福原投手も引退試合でした。143kmなんて後を継いだ安藤より速いじゃないか、どうしてやめちゃうのという見事なストレートで巨人の立岡を浅いレフトフライ。寂しいね。
阪神は若手が伸びそうです。おととしあたりのカープを思わせます。
(PSのPS)
カープ最終戦、広瀬の引退試合。いい角度で入ったと思ったが左飛。倉と広瀬のセレモニーはまた泣かせた。倉の肩は忘れないし石原より打った気がする。ご苦労さん。広瀬は菊池をかわいがったんだね、ライト守備でキャッチボールを買って出て最後もあの泣き方は。男だけが許される涙です。
そして、本当に悲しいが、楽天で引退発表した栗原。ここに彼がいたら、いるべきだと思ったファンがどれだけいたことか。弱かったカープを引っ張った強力な4番打者。いまでも僕のPCの待ち受け画面は神宮の彼の打席だ。栗原がんばれよ!!
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