Sonar Members Club No.1

日: 2017年2月23日

スクロヴァチェフスキーの訃報

2017 FEB 23 22:22:28 pm by 東 賢太郎

ショックを受けております。1月に読響からお知らせのハガキが来て、「スクロヴァチェフスキー氏の来日中止」とありました。脳梗塞の治療のためとありこれは・・・と嘆息するのみでした。

あれは1983年10月28日、アカデミー・オブ・ミュージックにおけるフィラデルフィア管弦楽団のマチネ演奏会のことです。初めて実演を聴いたブルックナーの第8交響曲に圧倒的な感動を覚えてしまい、いてもたってもられずそれを伝えようと家内をつれて楽屋にむかいました。するとせまい廊下をひとり歩いてきたスクロヴァチェフスキー(以下Sさん)とばったり会ったのです。

お断りすると僕はサインをねだるミーハーではありません。フィラデルフィアで人気絶頂だったムーティーは一度も訪ねておらず、会いに行ったのは深く感動したオーマンディーとSさんだけです。そのぐらい爆発的で稀に見るものだった、それに突き動かされてどうしてもひとこと「お礼」をしたかったのです。ムーティーとは全く違う音で、僕の長い音楽体験のうちでも白眉、一生忘れることのない演奏。この日以来8番は僕にとって特別な音楽となって今に至っています。

当時彼のレコードは持っていましたがお国ものショパンPCの伴奏指揮者のイメージでした(ルービンシュタイン、フランソワ、ワイセンベルク)。一方でブルックナーの8番という音楽だってカラヤンのレコードで聞いていたぐらいですが、たしか4番(ワルター)、5番(クナ)、7番(コンヴィチュニー)、9番(マタチッチ)あたりを持っていてもあまりピンと来ておらず、アダージョがきれいなので8番だけが記憶にある程度でした。

飛び込みで話しかけてきた見知らぬ東洋人の男女にほんとうに誠実、真摯な姿勢で接してくださり、汗だくではありましたが、つい今しがたあれだけの演奏をし終えた人と思えぬほど冷静に、僕の愚問ごときに真剣に言葉を選んで答えてくださったのは驚きであり深く心に残りました。音楽に人柄が出るとするとそれは彼においてこそで、あの姿勢でスコアを読みこまれた結果があの音なんだろうとつくづく思います。

オーマンディーやバーンスタインはひと仕事終えた好々爺という感じでもありましたがSさんはブルックナーとフィラデルフィア管弦楽団の弦の相性につき滔々と語ってくれるなど、ああこの人も音楽が好きなんだと当たり前のことを強く感じました。仕事師の職業指揮者ではない、書かれた音符に真摯に意味を見出す、それもポエムとしてよりは化学として神様の調合・配剤の賜物としてで、作曲家なんだなと直感したのを覚えています。

たまたま家内がお友達が映ってるというので去年の1月21日の読響の8番をビデオに撮っていて、これが大変な名演奏です、よくぞとっておいてくれました。ニュースによると、93才になられて11月にミネソタ管を振った最後の演奏会がやはり8番だったそうです。

ご冥福をお祈りいたします。

クラシック徒然草-僕が聴いた名演奏家たち-

 

 

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僕の主治医である神山先生

2017 FEB 23 2:02:54 am by 東 賢太郎

以前に書きましたが神山先生の漢方薬を2004年から朝晩欠かさずいただいています。野村を退社してみずほに移籍し、ストレスのせいでしょうかつてない体調不良に見舞われました。症状は風邪でしたが発熱が医者にかかっても治らず、これはまずいと知人の紹介で仕方なく門をたたいたのが神山研究所だったのです。

当時は漢方など知る由もなく半信半疑です。大した診察もなく「煎じ薬あげるから飲みなさい」だけでおわり。正直のところこりゃだめだと思っていました。ところが黒くて苦い液体をコップ一杯言われた通り飲んで寝ると、朝には体が軽く熱はさめ一発で治ってしまった。これは何だ?ということになったのです。

毎月1,2度行きますが、まず背中に鍼をうってもらいます。これがどういうわけか効いて高校生のような若返った気分になる。それから薬草を5~6種類(なんだかさっぱりわからないが)当方の顔色など観てその時々に調合してくれます。これが未病といって病気にならないための免疫力をつけてくれるのです。

中国の薬草学の集大成、黒い液体の効能でそれが悪いはずないと体が悟りましたが、彼は毎年5,6月にドイツやハワイに治療で呼ばれています。米国は制癌剤投与はもう下火で最先端の論文は免疫療法が主流とききます。中国の未病という発想が源流になってコペルニクス的転換が起きていると思われます。

欧米は医療は「治れば勝ち」という発想です。しかし丸山ワクチンの例のごとく日本は「学閥」と「医者が何を学んだか」が支配している気がします。当然それは旧来の対症療法の発想による西洋医学なわけで、本家の西洋医学が東洋流の未病に発想転換してもついていけないのではないかという危惧を覚えます。

先日書いた大阪の森嶌先生のように既にそれに気づいて転換している方もおられますがまだ少数でしょう。本家本丸の先生方ほど学んだものを失いたくないから遅れるリスクが高い。付け焼刃的に「漢方も処方します」ではない、優秀な医師こそ「治れば勝ち」の競争に先陣をきってもらいたいものです。

2004年以来、冬に必ずひいていた風邪とおさらばしました。龍門気功の大家をそう呼ぶのも申しわけないが、先生は大事な友人であり僕の主治医である。最高の技術でその信用に信用で返してくださる。こういう関係こそ最も盤石であり、僕が最も大事にする人間関係です。

本来なら日本に来ないレベルの漢方医がいてくれるというのは大変なことなのです。彼が日本で弟子を育成するなどして本物の未病療法を日本で根付かせることは難病の患者さんの朗報であって、サポートしたいと思っています。

 

 

 

 

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