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努力は成功の母ではない

2017 APR 21 21:21:01 pm by 東 賢太郎

野球というのは持って生まれた資質がほとんどで、でっかい奴が勝ちというイメージでした。アメリカのスポーツだし、トランプ流の力の支配、俺様主義が似合う。高1のとき僕は身長170センチでしたが、夏の甲子園大会予選の開会式で神宮球場で整列したとき強豪校の奴らと並んでみてうわっでっかいなと思った。それしか覚えてないぐらいビビりました。

広島カープでいまや全国区どころかワールドクラスとなった菊池涼介二塁手が、だから高校入学時に160センチだったと知って大変驚いてます。今時の子の体格だから周囲はもっと大きかったでしょう。それで僕のように圧倒されずにあそこまで行った、あっぱれですね。アメリカ人は彼を忍者と言ったが違う。忍者はたくさんいるんで彼はオンリーワンですからね、牛若丸ですね。

西武の森智哉も公称170センチですが(たぶん70ない)それで大阪桐蔭の4番とは・・。ヤクルトの石川雅規は投手で167センチ、それでプロで150勝というのもすごすぎる。僕などひがみ根性があって、2メートルもある奴が170キロ出そうが場外ホームランかっ飛ばそうがそんなの当たり前と思ってしまうんですが、実力ではねかえした彼らは実に気持ちがいいですね。

かたや38歳で東大に入って待望のマウンドに登った話題の伊藤医師。171センチ。フレッシュリーグで慶応戦に登板。高校で野球経験ない人がやろうと思った志が立派だし100キロ台を出したのも敬服です。遅いと思われるでしょうが女の子だとシニアリーグで鈴木誠也と対戦経験のある173センチの稲村亜美ちゃんで103キロです。アスリートの男性でも部活せずに110はまず出ません。ナックル磨けばいけるぞ、応援したいですね。

持って生まれた資質はどうしようもありません。擬似共産主義の日本の学校教育はそれを否定して「みんな仲よく」だ。そんなの初めから嘘なんだから小・中・高と来てどうも変だとだんだん気がつくんです。そこでやる気をなくしていじめられたり道をそれたり不登校になったり自殺したりする子がどれだけいることか。幼稚園児から「みんな違うのよ」と真実を教えるべきなのです。違うというのは優劣じゃないよという風に。

我が国ではトーマス・エジソンが「天才とは1%のひらめきと 99%の努力である」と言ったことになってますが、原文は

Genius is one percent inspiration, 99 percent perspiration.

であって違う。汗をかかないとひらめきは得られない(それができた者が天才だ)です。これを「ひらめき < 努力」という風に訳して、努力をすれば報われる⇒根性論となるのが日本です。

そうじゃない。「ひらめきを生むかもしれない所で汗をかきなさい」という暗黙の前提があって、「そこでの努力がひらめきによって実を結ぶ確率は1%だけどね、それができたら君も天才だよね」と、二つのことを言っているのです。

「失敗は成功の母」に近いのがおわかりでしょうか。これを「努力は成功の母」と読み替えてしまう教育は「みんな仲よく、努力も仲よく、だから結果は平等に」ということになり、共産主義教育と親和性のある教義に使われてしまうのです。エジソンも苦笑してるだろう。つまり努力と根性で成功できるわけじゃない。そういう嘘にだまされれば使われるだけの人で終わります。

そこからひらめきを得られるかどうか、つまり、それに自分が向いているか、もっといえば好きかどうかということが先だということです。「暗黙の前提」がまず満たされているか?それは自分にも親にも分らないけれど「好きなもんを思いっきりやってみい!」とオトナは言ってやるしかない、それをサポートしてあげるしかないですね。好きでもない所にひらめきが生まれることは少なくともあんまり期待できないだろう。

菊池も森も石川も伊藤医師も、まず野球が好きだった。本人に聞いたわけじゃないが間違いないでしょう。

学校で自分だけ好きなことを見つけて突っ走るのは大変です。下手すりゃいじめにあいます。だから何となく平穏に「みんな仲よく、努力も仲よく、だから結果は平等に」を信じて小・中・高ときてしまう。行先には必ず先生と同級生がいて、教室も机も椅子も万事が整っていてという、世界に冠たる日本の安定したシステムを信じてです。ところがその先にある会社に入ると先生なんかいない、周りは敵だらけ。大企業でさえも潰れて机、椅子どころか給料だって危ない。安定などかけらもない、国際競争に晒されたジャングルのような場所。これからますますそういう環境になるでしょう。

共産主義教育に洗脳されてトコロテン人生で来た子は社会に出て初めて「えっ、そうだったの」となる。そういう子を労働力として集める企業はブラックと呼ばれる。高学歴であっても洗脳されている思想は変わらないから「えっ、一流企業でこんな酷いことやってるの」とびっくりして半沢直樹シリーズが売れたりする。残酷なことですが、企業だって株主がありジャングルで生きのびようと必死なのであって、それを責めるなら国ごと中国か北朝鮮みたいに独裁者を選ぶか共産化するしかありません。それが嫌な方は、それを子供に知らしめていない親であり教育現場の責任なのだということを認めるしかないと考えるのです。

僕が「若者に教えたいこと」のカテゴリーに書いているのは、社会の現実を若者に教えるためにほかなりません。それが「厳しい」とか「冷たい」とかそんなことじゃない。単なる現実です。それを知らしめない、というよりご自分で実社会経験のない多くの教師の方々にはしたくても教えようのない部分を補おうということです。誰の利益にも左右されない立場の人間が経験から真実と思うことをズバリと書いて、次の世代に隠さずに伝えてあげることはオトナの義務と思うのです。

僕は私立、区立、都立、国立、企業派遣といろんな形で教育を授けていただきました。そして親と企業にはお返しはしましたし、それを使ってしたサービスで対価をいただいたお客様にも成果をお返ししています。まだできてないのは区立、都立、国立の税金のところです。区民、都民、国民のお金で勉強したのだから何か返そうというのは、大作曲家に印税払ってないから彼らの名曲の宣教師になるというのと同じこと。人生のバランスシートを考えてきれいにする。それが僕なりのモチベーションであります。

エリートになれということではまったくなく、嘘だらけの社会に翻弄されず自分なりの楽しい人生を送ってねということ。そういう考えの若者が増えれば日本は変な方向に曲がらず、大国に翻弄もされず、必ず強い国になると信じます。前に何度も書いてますが、それが僕の熱い思いだからNEXTYLEでお声をかけた現状19人の若者にそれを直接託してもいます。ぜひご覧になってください、お子様に見せてあげてください。そして何か感じるものがあって我こそはと思う若者は出演してください。それが100人、200人にいずれなると何か渦巻きができる。それまでは生きていたいものです。

 

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