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読売巨人軍のシビリアンコントロール

2017 JUL 28 12:12:17 pm by 東 賢太郎

広島カープの独走はけっこうなことだが、巨人が戦犯だという声が高い。優勝経験があり打線は貧弱だが勝ち方は知っている。菅野、マイコラス、田口と盤石な先発3人がいて、抑えもマシソン、カミネロの剛球は昨日のカープすら手も足も出ない。それで対カープ戦績が4勝13敗はないよね、というのは至極ごもっともだ。

高橋由伸の監督力よりフロントの問題だろう。高橋と井端を無理やり引退させる。監督は社長だ、出世は嬉しいはずだ。ここからして上から目線で読売のサラリーマンと思ってる。おそらく、まだ全然枯れてない選手生命に忸怩たるものがあった二人が今いればスタメンだ(笑)。フロントの勘違いド素人ぶりはそれに留まらない。「FA制度を効率的かつ機動的に活用し、他球団のスター選手をなるべく高値で獲得して制度への参入障壁を確立し、球団の繁栄と競争力を盤石にする」というポリシーが巨人軍の輝かしい伝統となりつつあるのである。

ざっと見ても、陽はケガで斜陽に、山口は泥酔暴行、森福は億万ワンポイント・リリーバーに。弱いセカンドにと採った片岡、クルーズはハズレと判断し、ご同類のマギーを二塁に回したら守備ド下手で投手がブチ切れて負ける。ご賞味期限切れ選手の掃き溜め状態であり、二塁で余ったクルーズを在庫整理で楽天に売ったらパリーグ首位チームで即日に試合に出て大活躍だ。この凄まじいほどの人を見る目のなさ。日ハムに出したらレギュラーで10ホーマー打ってしまった太田だけじゃない、もうここまで見事に戦略が逆噴射するとマンガである。

人を見る目がないのは選手だけの話じゃない。聞くところによるとこのチームは試合開始直前にフロントのトップでいわば会社の巨人軍担当大臣である球団社長が選手をロッカー裏に集めて訓示をたれるらしい。それがなんと読売新聞の売上げ部数低迷の話で、君らが弱いのがいかん、いま親会社は危機なんだぞ、頑張ってくれ、らしい。難攻不落である相手エースのフォークボール攻略法を必死に考えていた選手たちは、これに目が点になってのけぞって、13連敗の記録樹立まで負けてしまう。

試合開始直前の選手というのはまさに戦場に赴く兵士であり投手はブルペンで血がたぎり、マウンドにのぼると足が震えたりもする。野手は殺気立っている。そこにわけのわかってない背広のおっさんが革靴のまま寄ってきて・・・。

「シビリアン・コントロール」(文民統制)は読売本社のお好みの方針らしく誠に結構だが、選手は子供の時からグラウンドは神聖だ、出入りする時は一礼しろと厳しく躾けられ、しないと殴られてきた連中である。聖地に土足で侵入してきたら誰であれ殴ったろかとなるのは想像に難くない。

まさか殴れないのでプレーが散漫になる、そして、やる気満々の広島カープにコテンパンに負けてきたのが今年の巨人軍なのである。それで弱いと怒るのは筋違いであって、何もわかってない巨人軍担当大臣を任命した本社の社長の方が大きく「ああ勘違い」なのである。

本社=首相官邸、巨人軍=防衛省と置き換えれば、稲田氏が巨人軍担当大臣であることは言うまでもない。ファッションにご執心で軍艦にハイヒールで現れたりしてはまかりならないのである。巨人がいくら弱くても我々は関係ないが、防衛相ひいては自衛隊の現場(=巨人の選手)が士気をそがれてしまえば国民は生命の危機にさらされることとなる。

安倍首相、ミサイルをぶっ放す敵軍を政権支持率の浮力に利用する作戦はよろしいだろう。「カープを倒せ」作戦だ。しかしである。それならどうしてこの担当大臣なんだ?左翼を黙らせるための女性起用、その理屈としてのシビリアン・コントロールは結構だが、そこを「モリカケと同様のネポティズムだ」(モリ=奥方、カケ=お友達、防衛相=お気に入りの部下)と、一般国民にもわかりやすい図式で批判されてしまう人選はまったく脇が甘いとしか言いようもない。

人事=経営力は常識なのであり、首相のリーダーとしての資質に関わる問題と見られてしまっている。この類の人事を惰性で長年やってきた重厚長大企業が次々と瓦解している。その経営の腐臭を嗅ぎ取っているのは一般国民というよりも「経験、教養、常識のある保守層」であって、まさしく、漢字も読めない首相に愛想をつかして自民党の政権たらいまわしにお灸を据えようと2009年に民主党を大勝させてしまった有権者たちなのである。

稲田氏の問題は国民、常識ある保守のみならず一般国民にこういう風に想像されてしまった。

「カープ戦は激戦だったらしいな、選手にけが人が出たというのは本当か、報告は受けてるのか?」「はい、監督から受けました、でもファンにはなしとウソ言ってますが」。「困ったな、スポーツ新聞が騒いでるぞ、どうするんだ?」「はい、ウソはつき通すしかございません。私はいつでも球団社長を辞任して、いち社員に戻る覚悟でおります」「そうか、いつも苦労をかけるな、まあそうなっても可愛い君だ、後は面倒見るから心配するな」。

 

 

Categories:政治に思うこと

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