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ブラームス交響曲第3番の聴き比べ(4)

2017 NOV 28 20:20:47 pm by 東 賢太郎

 

ルドルフ・ケンぺ / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ケンペのブラームスというと期待するが第1楽章がやや落ちる。冒頭の第1Vnに妙なヴィヴラートが付き、第2主題は拍節感が固くて陶酔感が希薄、展開部はテンポが落ちつかずだ。コーダにかけて加速する感覚も納得できない。速めの第2楽章は悪くなく、第3楽章も禁欲的でホルンソロは昔のドイツの古風な音だ。終楽章はBPOが弦主体の暗めの音色で魅せ、管がやや弱いがティンパニはインパクトがある(総合点:3)。

 

ジョン・バルビローリ / ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

世評は高いバルビローリの全集だが僕には何がいいのかわからない。大学時代に1番のLPを買って面白くもなんともなく、それでもVPOだし何かはあるんだろうと後にCDで2~4番も聞いてみたがそれっきりだ。EMIが自社アーティストで売れるブラームスが欲しかったのはわかるが、VPOが巷に流布するセールストークどおりに素晴らしいブラームスだと感嘆したようにも聞こえない。僕の装置で聴く限り録音はDeccaの艶もDGの音場感もなく、ムジークフェラインのホールトーンをここまで捨てて楽器にフォーカスしなくても、これならハレO.でいいじゃないかと思う(総合点:1)。

 

オイゲン・ヨッフム /  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

上掲と同じBPOの1956年9月録音。これはフルトヴェングラー時代、ケンペはカラヤン時代。ヨッフムは実演を何度か聴いたが縦線を厳格にそろえる人でなく、第1楽章のアンサンブルは自然体。推進力とフレージングの起伏でもっていき再現部直前(ライン主題)のテンポ、音量を落としメリハリをつける。第2主題は表情があるがオケが散漫で残念。第2、3楽章は木管も弦も実によく歌い上出来。終楽章は第2主題で合奏が合わずライブであればまだしも時代を感じる(総合点:3.5)。

 

ダニエル・バレンボイム / シカゴ交響楽団

冒頭2和音からテンポを上げて第1主題が突進。第2主題は定例的に減速するがだれた感じがする。両主題をつなぐブリッジのテンポが活きないとそうなってしなうのでこの交響曲は開始からいきなり難しい。ただCSOの腕前と音響は圧倒的で文句のつけようもなし。第2楽章は上質の絨毯のような厚みがあり、第3楽章は甘みを抑える。しかし終楽章は余計なティンパニロールや突発的盛り上がりと解釈が表面的だ(総合点:2)

 

ブルーノ・ワルター / コロンビア交響楽団

冒頭より第2主題へのブリッジが自然で、こうでなくてはと思う。このオケは録音により実体が変わるがここでは管弦とも上等、木管ソロの音程の良さは特筆。どこがどうということでなく3番はこういうものだという風格は耳を澄ませて一聴してみるしかない。米国調の安手の録音で高弦と金管がきついのが実に恨めしいが、それにも拘らずこれほど欧州の香りと格調が漂うワルターの指揮には敬服しかなく、大学時代から今に至るまで時々聴く(総合点:4)。

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