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ロッテのサブローと会食

2018 JUN 23 13:13:46 pm by 東 賢太郎

溜池の聘珍楼で千葉ロッテマリーンズの看板選手だったサブローさんと会食させていただいた。1995年にPL学園からドラフト1位でロッテに入団、ぴかぴかの生え抜きスターとして二度の日本一を牽引し、22年間の長きにわたって活躍し、新しいコンセプトのつなぎの4番打者であり選手会長でもあった。サブロ~~~~~と最後のアナウンスが長く長く響いた彼の感動的な引退試合はご記憶に新しいプロ野球ファンも多いだろう。

巨人でのホームラン

この年(2016年)の出場はこの引退試合だけだ。最初の3打席は全部空振りの三振。テレビで見ていて、もう無理だな当たらないな、一軍に出てないんだから仕方ないさと観念した。生涯最後となる第4打席、悪いことにマウンドにはパリーグを代表するクローザー平野がいた。ところが彼は149キロの外角低め速球を打って右中間にツーベースを放ってしまうのである。勝負強い人はいろいろいるが、実は強さにも格というものがあるのであって、僕の見る限りサブローさんのそれは最上級の品質のものだ。最高のものは最高の結果を引き寄せるから価値は計りしれない。生涯打率2割6分5厘のデータには現れないのだ。北京オリンピック予選アジア大会の台湾戦、日本中が息をのむ接戦で国が沸きかえったあのスクイズ、それから意味不明の巨人移籍での初打席、全野球ファンが見守る中でいきなりホームランである。まぎれもなく一発必中、確実に敵を仕留めなくてはいけないここぞでやってくれる男だ。

現在はロッテ球団のスペシャル・アシスタントを務める彼が正面に座ると、まずこう話しかけた。「初めまして。あなたの大ファンなんですが、理由があります」「はい」「僕の中であなたは球界最高のスナイパーだからです」。いきなり高めの直球でびっくりされたろうが大丈夫、サブローはPL学園の1番バッターだ。意味を説明する。これは男に贈る僕の最大の賛辞なんですと。「2005年、ボビー・バレンタインのもとでの日本一は凄かったですね」「はい、あれをもう一度やりたいんです」「そりゃあなたはスナイパーだ、そう思うならきっとやってしまうと思いますよ」

僕が彼のファンというのは付け焼刃のお世辞ではない。このブログは2015年に書いた。彼はもちろんこのホームランを覚えていたが、ピッチャーまでは覚えてなかった。僕が見て覚えていたのもびっくりされた。

神宮で最後のロッテ戦(サブローの本塁打に感動)

彼は1363本の安打のうち127本のホームランを打っているが、生で見たのはこれだけだ。それが人生最後の一本というのも奇遇で、何か縁を感じる。

こっちは2016年。

イチローもいいがサブローも好き

僕がやたらとデータに詳しく選手の出身高校(大学ではない)を知っているのに驚かれるが、それも理由がある。書いた通り、自分の野球は17才で時計が止まっている。そこから先の体感はないので高校生の目線で選手を見させていただいているからだ。

「引退会見で男泣きでしたね」「はい」「僕は会社を辞めても涙なんか出ませんでした(笑)。男がそこまで仕事をやり遂げられたってこと、うらやましいと思いました」

PLでは松井稼頭央と福留の間の年次。対戦して凄いと思ったピッチャーは1位がダルビッシュ、そして西口、藤川の名があがった。伊良部はバッティングピッチャーをしてもらって前に飛ばなかったそうで松坂、大谷は出てこない。22年プロでエース級と戦ってきた一流打者のコメントなので重い。2位はしばらく考えて西口だったのが彼らしいなと思った。

いろんな話題が出たが、「PL学園は僕ら一般高校球児には今でも神なんです。でもそれでも全員プロになれるわけじゃないからプロは超エリートです。エリート面してる東大なんか毎年2千人も入るんです、でも年収億単位なんてほとんどいませんよ、あなたがたプロ野球選手は18才から40ごえのおじさん(笑)まで足して800人ぐらい、上の方はみんな億単位ですから」というスタンスで常に敬意をもってお話しした。

とにかくナイスガイの大物だ。礼儀正しい日本男児である。これぞ男の子の基本中の基本だがプロで4番を張ってきた男のオーラもある。長年二流エリートの巣窟である金融界などに身を置くと勘違いの生意気なガキが多い、あんなのになにか教えてやろうという気にもならない。損得計算だけうまかったり姑息なポリティックスをしたり、そういう絶対に大物にならないクソ野郎どもに辟易しながら生きてきたのでこの会食は最上の清涼剤だった。

僕は弟がいないが、いたらこういう感じになるのかなと思う。こっちも野球少年の地のままで言いたいことを言いまくり、当たり前ながらそれを全部わかってくれる彼に親しみがわいてきて、いつしかサブローくんになる。もちろん僕が筋金入りのカープファンというのはお伝えした。ご出身ですか?いえ全然関係ありません、50年前だけどね、弱いチームがたまに巨人に勝つのが好きだったんでと。セリーグ、弱いでしょ?はい(笑)、交流戦は楽しみだったですね、これじゃ勝てんわな。

酒が回って直球勝負でいろいろ聞いてしまったが、福浦選手と千葉で少年野球を教えているというのがまた良かった。ここの子が将来ドラフトで巨人を蹴ってロッテ1位なんていいと思いませんか?そりゃ最高だ、革命だ、僕のライフワークは志ある子を支援することなんだと盛り上がる。それにしても、何てピュアな世界だろうと心が洗われる。汚れちまった魂の洗濯だ。

サブローくん今度それ見に行きたいから、そこでキャッチボールしような、もちろんですということでまとまった。翌日お礼のメールをするとすぐにいいタマが返ってくる。中身は書けないが、まさしくこれだ。

 

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Categories:______プロ野球, 若者に教えたいこと

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