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今年は野球の年になる予感

2018 JUN 28 22:22:32 pm by 東 賢太郎

先だってのブログに「僕のこだわり御三家は野球、クラシック音楽、猫である」と書いた。そういえば去年は愛媛の青島で猫三昧したし、音楽はずいぶん演奏会を聴いた。だから順番というわけでもないが、今年は東京ドームを年間予約したこともあって野球の年になっているのかもしれない。

ロッテのサブローさんにお会いして気がついたことがある。いままでアマの経験者には感じていたことだが、野球をやって育った人は話してみると独特のにおいがある。ほかのスポーツと違う。しかし彼はプロの一流選手だし、まさかと思っていたが、やはりそうだというのは力をいただいた。

もちろん別世界のスターだから我々ごときと一緒にしては失礼だが、彼がノンプロチームの指導や強豪高校の練習試合のメールをくれるとわけもなく血が騒いでしまう自分がいる。来年はロッテの石垣島キャンプも行ってみようかという気になってくる。この心のざわめきのルーツは僭越ながらけっこう似た部分があるのではないか。

子供のころ空き地で野球をやっていて、陽が傾きだすとぽつぽつと帰る子がでてくる。この時間がつらかった。最後にはいつも僕と亮ちゃんだけが残り、あと10分はできるのになんでみんな帰るんだろうねとピッチをあげてキャッチボールして、本当に球が見えなくなるとあきらめた。家では仰向けになって天井にむけてボールを投げ、カーブをつける練習に没頭した。

向こうのほうに電信柱があって、電線を越すとホームランという決まりだった。僕は空き地のホームラン王で、そのころ全盛だった巨人の王貞治選手と30本ぐらいでデッドヒートしていた。亮ちゃんとは小学校が別で、だいたい僕が先に帰って彼の家に呼びに行くが、呼び鈴を鳴らして返答がない時のがっくりした気持ちは今でも覚えている。王選手が打つと負けてしまうからだ。

彼のように日没で帰らない子こそ心の友であり、高校でそういう奴ばっかりの硬式野球部に入って、人生初めて安住の地を得たような気がした。高校に進学する直前の3月ごろわくわくしたのは、テレビの中の出来事だったあの高校野球をいよいよ自分もできる嬉しさだった。入ってみるとさすがに硬式の練習はきつかったが、最後のベーラン(走塁練習)で暗闇の中、ベースに石灰を塗ったスライディング練習をして吐きそうになりながら、それでも日没後にいっしょに野球をしてくれる仲間がいるのは幸せだった。

朝練の水曜日以外、放課後はまず皇居一周の7km走で始まり、柔軟とトスバッティングをして外野ノックを受ける。そこからが捕手と二人で投手メニュー、つまり投げこみであり、最後の10球が連続ストライクでないとまた10球だから200球いく日もあった。それが地獄みたいに苦しかったので、それのない練習試合の日はうれしかった。野手の人や先輩までが往路だけは荷物を持ってくれるし、エースはいいものだと思った。後攻だとまっさらなマウンドに登る。あのぞくぞくする快感をしのぐ経験はない。

そういうご褒美があったから炎天下の拷問みたいな練習に耐えられた。あれに比べれば受験や証券営業はましだったと思う。もちろん僕らにPL学園クラスの猛練習は知るよしもないが、あれを何倍かにしたものだろうという想像ぐらいは許していただけるのではないか。同じ修羅場をくぐった者同士の言わなくてもわかる共有体験みたいなものがあのにおいの正体なのだと僕は思っている。

負けの記憶ばかりの高校野球

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Categories:若者に教えたいこと, 野球

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