一軍と二軍の差はどこにあるのか?
2018 AUG 16 18:18:55 pm by 東 賢太郎

イースタンリーグの巨人・楽天戦を東京ドームで観ました。約2万人と一軍なみの入りで、ネット裏3千円のチケットが完売なのだからこれはこれで興業にはなるイメージですね。
二軍とはいえここにいるのはいま熱戦たけなわの甲子園を沸かせたり、大学、ノンプロで図抜けてドラフトにかかったツワモノばかり。先発は安楽と鍬原。安楽は甲子園歴代最速の155キロを記録した投手ですね。打者もなんでここにいるのというゲレーロが2本、ペゲーロが1本ホームランを叩き込み、クローザーのカミネロの157キロのど迫力の豪速球がうなるなど、この辺は一軍そのままの野球でした。
にもかかわらず、電光掲示板に選手の成績が出ません。「ペゲーロ選手、第4号のホームランです」とアナウンスされると、えっ、そんなに二軍にいたのか!となるからそりゃその方がいいかもしれませんが、何のためこの試合でがんばってるの?といえば首脳陣に認めてもらうためです。放っておいてもエースで4番で認められまくって人生を送って来た人たちだ、辛いし悔しいし、たぶんそれが原動力でやっている、でもここでの数字は報酬にカウントはほとんどない。報われなければ永久トライアウトのようなもので、過酷、残酷な場でもあります。
年俸4億円のゲレーロがここにいて530万円のマルチネスが一軍でレギュラーというのは劇的な下剋上でしょう。一時的にせよ、時間差はあるにせよ、フロントと現場首脳陣の意見が割れているということになります。サラリーマンなら人事発令で異動してきた部下を現場が干せば人事部にケンカを売るようなものです。当然社長への忖度前提だからきっと根回し済みで部下が悪かったで終わるでしょうが、この日の会心の2ホーマーは場外乱闘を面白くしますね。
一軍と二軍の差は何か?
この試合を見る限りですが、明らかに「ミスの差」でした。あまりに月並みですが投球、打撃、守備、走塁のですね、巨人より楽天の方がミスがずっと多かった。だから7-2で巨人が勝った、そういうことでした。おそらく、一軍に上がれる人はここにいるすべての人よりもミスが少ないのです。いくら頑張ってもミスする人は一流半で終わるし、ミスを減らすには基本を地道に練習するしかないのでしょう。基本の練習は誰でもできますから「やればできた」というのはなく、単に「やってない」のです。
僕の人生経験に照らした結論
つまり、ファインプレーをした方が勝つのではなくミスをした方が負けるのです。場外ホームランを打てる人は打てばいいですが、それができなくても負けなければ勝ちます。楽天のミスといってもエラーばかりではなく送球のタイミングとか野手のカバリングの位置とか、それもイージーなものから詳しい人がよく見てないと気がつかないようなものまでありました。実は、おそらく、どんなジャンルでも、最高水準の人達の戦いはそういう鼻の差の細部で勝敗が決まっているのだろうということを思い知りました。ということは、練習の段階でその細部まで神経が通っているかどうかが決定的な差をもたらすということではないでしょうか。コーチングも大事ですが、やっぱり最後は細部への注意深い気づきと、それに対する自分の意識の問題ですね。
仕事の教訓にいたしましょう。
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Categories:______プロ野球, 若者に教えたいこと

maeda
8/23/2018 | 12:04 PM Permalink
私は野球も含めスポーツには無関心なのですが、練習の段階で細部まで神経が行き届いていることの重要性は、楽器の練習でも全く同じです。練習のクオリティ次第で上手にも下手にもなりますね。