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テスラ(Model X)試乗記

2018 OCT 16 9:09:27 am by 東 賢太郎

 

台車部分のスケルトン(フリーモントのショップにて)

クルマの自動運転(オートパイロット)はかつてはドラえもんの世界でした。それが実現しているのだから、これは試してみるしかありません。昨年にシリコンバレーへ行ったおり、テスラがそこかしこに走っているのを見てこれだと思い、仕事の合間にフリーモントのショールームをのぞいてみたのです(写真)。

人類の英知の最先端に触れてみるのはいつも大事です。知識ではだめ。肌で知ることで感覚が「上書き」され、そこに乗せた知識が初めて考える土台となるのです。だから僕は古いもの(クラシックなもの)も好きですが、新しいものも目がありません。最先端のその先には神の領域があるからでいつも1ミリでもそれに近づきたいと思っています。高所恐怖症なので月に行きたいとは思いませんが。

シリコンバレーはアメリカのIT最先端基地ですが、住人はアメリカ人といってもエスニックにはインド人、中国人、イスラエル人などのごった煮で、テスラ創業者のイーロン・マスクは南アフリカ人です。内向きの日本人は影もないが別に寂しいこともない。curiosity(好奇心)なき者は進化が止まる、それだけです。それで日本国がどうなろうと僕にはどうもできないし。

オートパイロットはいずれ地球上の交通を席巻するでしょう。安全性に未解決の問題があるといわれ、それはおおむね事実ですが、では現状の人間による手動運転がそんなに安全かどうかを自問すればいい。「昔は人が運転してたんだ、80才こえたおじいちゃんでもできたんだよ」と子供に親が語る時代が来るに違いない。より安全な方法があるならそこに留まるべき理由はないのです。道路や交通規則の方をオートパイロットでも安全なように根本的に変えればいい。あとはAIの加速度的なラーニング能力が解決します。

オートパイロットという究極の移動手段においてCO2を出す動力に依存するという発想はまったくのmediocre(凡庸の愚鈍)です。せっかくの無限大にゼロをかけてゼロにするようなもの。EV(電気自動車)がベストの解決かどうかはともかくガソリン車より地球環境にやさしいのは自明です。そうなると困る業界人たちが時間稼ぎのためにあらゆる反論を垂れ流していますが、何をあがこうが10年ぐらいで世界は自動運転によるEVの世の中になるはずです。

そのレースで最先端の車を作って売っているのがテスラ社です。新奇なものに毀誉褒貶があるのは世の常で、イーロン・マスクの行状やら生産体制やら業績やらがあれこれ言われており、だから買わないという人もいる。しかし創業者がどうあろうが世界のトップノッチの技術者が集まって世界一のEVを作ろうとこだわりぬいた逸品であることに変わりはありません。クルマの良し悪しは評論家が何といおうが、自分で乗ってみないとわからないのです。

Model Xをプレゼン中のイーロン・マスク

そこで米国で2年前にローンチされたModel X(ファルコンウイングドアの多機能SUV)に青山のショップで試乗してきました。これはファミリーカーなのにスーパーカーである世界で唯一の車、世界一の安全性能、重さ130トンのジェット機を牽引してギネスブックに載った世界一のパワーと、世界一ずくめの車であり、どうしてもさわってみたかったわけであります。

加速は0-100km/hを2.7秒!ランボルギーニ、マクラーレンより速く、体感はジャンボ機の離陸時のGで、同乗者(7人乗り)は悲鳴をあげるでしょう。最も興味があるオートパイロットですが、これはまだ未完成ではあります。しかしこの車は走るコンピューターであって、プログラムはテスラ社によって時々刻々バージョンアップされオンラインで自動装備されていくのです。車が勝手に進化する!このコンセプトは素晴らしい。

未完成とはいえ、おそるおそるハンドルを手放してアクセルもブレーキも踏まずに「馬なり」にして走行してもすべてを完全装備のセンサーが感知して、見事に道なりに曲がり、周囲の車の流れに合わせての加速減速、停止、発進をしてくれます。車庫入れ、縦列駐車は完璧。不思議な感覚ですね。いずれバージョンアップされて道路状況を学習させれば、空港まで乗って行って自動運転で無人で帰宅させる、運転手なしで会社まで車内で寝たり仕事したりして往復できるなんていう最高の相棒になるのでしょう。

僕は43年間完全無事故ドライバーで技術は自信がありますが運転はあんまり好きでもなく(ゴルフとおんなじ)、いままで乗ったのがドイツでメルセデス・ベンツS500、スイスで同S600で、後者はアウトバーンで250キロ出しても微動だにせずガソリン自動車としてはほぼ最高峰の車でした(6000cc、2.5トン)。帰国後はジャガーXJ(2004年)レーシンググリーン一本で、こっちは英国首相官邸御用達車で、乗った感じは車高の低いこれが好きでした。自分で運転したいと思ったのはこの3つだけで、つまんないクルマは1分たりともやる気なし。日本車は万人受けする非の打ちどころないユーティリティ車ですが、どうも機械として、個性に欠け面白くない。これはハイエンド・オーディオの世界と通じるものがあるのです。その点テスラは全面的にユニークであって、自分の意識改革の触媒にはいいかなと思ってます。

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