N響定期B(トゥガン・ソフィエフをきく)
2019 JAN 17 23:23:18 pm by 東 賢太郎
フォーレ/組曲「ペレアスとメリザンド」作品80
ブリテン/シンプル・シンフォニー 作品4
リムスキー・コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」作品35
(サントリーホール)
このところ音楽はさっぱりで悲愴など感情が共振する音楽しか食指が伸びていない。心の石灰化現象だ。仕事漬けになると左脳優位になるんだろう、オーケストラがバラバラに聞こえやたらと粗探しに耳が行ってしまう。音楽家は毎日楽譜を見ていてこういうことがないのだろうか、もしあったら大変だろうな。
ソフィエフはプロコ5番が良かったがその後は印象がない。前半はあまり集中せず、ブリテンのこの曲は性に合わずいいと思ったことは一度もない。シェラザードも特に聞きたい曲でもない。来てしまったものは仕方ないがこういう時は座席に拘束されるのが苦痛でもあり、出し物が何であれもう演奏会なるオケージョンにけっこう飽きてしまった。
シェラザードはアンセルメのレコードが、明らかなミスである第1楽章のアンサンブルのズレまで完璧に刷り込まれていて、まずいことにその通りでないと物足りない。あれ以外まったく受け付けなくなってしまったからライブを聞いてどうこう言う立場にない。
終楽章のテンポだけはチェリビダッケの秘技も例外的に刷り込まれていてソフィエフに注目したが、フルートがギリギリ危ないほどの速さで脱兎のごとく駆けだしたはいいが顚末は平凡だ。最後のソロのピッチはいつもライブでハラハラするが、まろ様はプロフェッショナルに乗り切って見事だった。最近ピアノもさっぱりなので第1楽章をやったら案の定けっこう指が忘れている。
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Categories:______演奏会の感想
西村 淳
1/18/2019 | 10:06 PM Permalink
歳をとるってそういうものかもしれません。
あたまが音楽についていけなくなっているのかもしれないし。
でもちょっとプログラムが貧弱ですね、これは。
仕事漬けともちょっと違うような感じもします。
東 賢太郎
1/18/2019 | 11:57 PM Permalink
西村さん、有難うございます。いま過激に忙しいのもあるのですが食欲も落ちていてごはん一膳も食べられません。そういう感じで音楽も欲がなくなってますね。かつてインプットした曲だけでおなかいっぱいです。