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ついに64才 (When I’m Sixty Four)

2019 FEB 4 22:22:52 pm by 東 賢太郎

『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band) はロックに限らず、すべての音楽史上においてAbbey Roadと並んで天下の最高峰にランクされる究極の名アルバムであります。”When I’m Sixty Four” はそのB面の2曲目で、最初の曲、ジョージのシタールがビヨ~ンビヨ~ンとおどろおどろしい異次元世界の “Within You Without You”の霧がさっと晴れて、急になんてことない、あっけらかんと庶民的な日常生活のひとコマが帰ってきてホッとすることだけが印象の曲でした。

次のサイケっぽい “Lovely Rita” とジョンの変拍子でぶっ飛んだ “Good Morning Good Morning” があまりに凄いものだから、なんの変哲もない”When I’m Sixty Four”は正直のところ「早く終わらんかな」という曲であったわけです。

当時僕はハタチぐらいで、64才なんて、自分がそんな老人になって奥さんが「ご飯、作ってくれるかな」なんて、まるで火星人の話みたいなもので、まあポールは僕よりは13も年上だし、そのぐらいになるとそんな心配もするのかなぐらいであったわけです。目のまえには時間が無限にあったのです。

今日、とうとうその日がやって来てしまった。来るものは来るんだなあと、来なくてもよかったんだけどなあと思いつつ、生んでくれた母親に手を合わせました。感想はというと「まだ生きててよかったな」だけなんですが、まあ奥さんにちゃんとご飯は作ってもらってるし、僕もまだなにかお役には立てそうだし、そうか、ポールはそういうことを歌ってたのかとしみじみ思うのです。いい歌だなあと。

下のビデオは面白いです、ぜひご覧ください。ポールが故郷のリバプール案内をする趣向で、ペニーレーンが出てくるしバーバーショップ(床屋)におじゃまして女主人をびっくりさせもするし、彼が育ったお家に入っていって「この部屋で “She loves you”をジョンと作ったんだよ、親父がここで聞いててね、けっこういいじゃないかなんてね」「このトイレ、反響がいいんだ、便器に座ってギター弾いてね、ほら」・・・もう感涙ものです。

僕はウィーンでモーツァルトの住んだ家を全部めぐりましたが、そういうことをあれこれ空想してました。彼が案内してくれたらこんな感じなんだろうな、それが現実になってる、僕の中ではビートルズも同じほど偉大なんで、そんな歴史的なことがなんでもなくユーモアたっぷりにさらっとできてるポールの人柄が素敵で、とにかくいい人だなあと思うのです。金持ち喧嘩せずじゃなくってね、もともとこういう人だからああいう曲ができたんだろうって。

「子供のころあの教会で歌ってたんだよ、聖歌隊員だったんだ」そうか、やっぱりポールの曲は教会にルーツがあったんだ、納得ですね、とってもクラシックなものがベースにあるんで、そして、12分1秒からをぜひご覧ください、ポールがピアノを弾いて “When I’m Sixty Four” を歌ってます。

トラブってた時にあの世のお母さんが夢枕に出てきて「流れにまかせればいいよ」っていったらしい。そうしたらうまくいったっていってますね。そこでピアノに向かって曲を書いたらあの名曲 ”Let it be” ができちゃったって、天才はそんなものなんだ、すごすぎですね。

パブのジュークボックスで悪戯してお客さんを仰天させてしまう。お茶目であります。こんなおじいちゃん、なれたら最高ですね。まあポールは現代のモーツァルトだ、到底無理なんですが、この気持ちの軽さだけは見習いたいですね、だっておふくろもいいそうだ、”Let it be”・・・。天命に竿ささず、あるがままに生きていきたいです。

そういえば、香港に赴任した時に高名な風水師さんにみてもらったら、僕のラッキーカラーは金(ゴールド)+真っ赤なんです。だから社長室はその2色にされてしまいました。ずいぶんケバかったですが、実はキンキンのゴールドは子供のころから大好きで、カーテンもクッションも全部それにしたいと思ってます。

 

家族にもらったプレゼント

 

Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band

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