カープはなぜ5月に強くなったのか
2019 MAY 31 23:23:12 pm by 東 賢太郎

広島カープが4月に8連敗し、最下位を独走した時にこう書いた。
ところがカープは昨日はこの相手だったヤクルトを3タテして5月は月間の球団最多勝記録を更新。交流戦次第で首位独走の気配すら出てきている。いったい何がおきてるんだ??それに明快な答えは考えつかない。そんなに元気だったヤクルトが昨日のカープ戦大敗で屈辱の14連敗でもあり、こっちだっていったい何がおきてるんだ??だが、明快な答えはないだろう。
野球は9人でやるから、各ポジションにいる選手、例えば投手と投手、セカンドとセカンドを比べて自軍が9人とも格上ならその試合はまず勝つだろう。しかし能力の拮抗したプロではそれはない。しかもチーム力とは9人の守りの連携、打線のつながり、チームのモチベーション、ベンチワークの成否など、個々人の能力だけで説明のできない要素も入ってくる。だから、5月のカープの躍進は床田の好投だとかバティスタの3番定着だとかの個の要素だけで明快に説明することはできないのである。
その問題を考えるとき頭をよぎるのは月はどうやってできたか??という問題への説明の試みである。「月は地球と別天体で地球の引力にとらえられた」という考えは正しく聞こえるが物理的に完全な説明力がなく、「火星ほどの天体が地球に衝突し、飛び散った破片が固まって月になった」という「ジャイアント・インパクト説」が脚光を浴びつつあるというものだ。
カープの躍進を月の生成に例えるなら、丸が抜けた衝撃が天体の衝突であり、そのジャイアント・インパクトで飛び散った破片が床田やバティスタの出現だ。それらが混然一体となって、やがて冷えて固まって月となったのが「強くなった5月のカープ」である。そう考えて、このビデオをご覧いただきたい。
野球が天文にワープするが、そのことに目を奪われては物事を原理的に理解することはできない。考え方としておすすめ。落語の「なぞかけ」(○○とかけて××と解く、その心は□□)と思えばいい。それを単なるひらめきと思っては自分のものにならない。ひらめきは再現性がない。原理はひらめかなくとも常に成立するからとても役に立つ。マスターすればわかる。ビジネスで特に有効である。
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中島龍之
6/4/2019 | 12:37 AM Permalink
ジャイアント・インパクト、面白いですね。それによって、水のある地球と、土の水星が誕生したという。同じインパクトに対し違うタイプのものになる。はじき出されるものもいる。広島の今年の変化、丸の放出はジャイアント・インパクトですね。そこでどう変わったのか、床田、バティスタは地球、水星になったのでしょうか。ほかのチームを見るにも、いい視点になりますね。
東 賢太郎
6/4/2019 | 11:29 AM Permalink
中島さん、さすがです、頭がやわらかい!この考え方が数学の多変量解析です。いろんな要素で変わる物事の未来を予測したいときに必要です。株価の予測なんてこれ以外の何物でもありません。それを40年もやってますんで僕は頭が多変量解析的になっちゃってます。だから野球の統計値も「変量」としてみるのです。統計値がないサッカーやバスケットは僕には闘犬と同じで、まだ競馬のほうが関心はそそります。これを緻密にやるには膨大な計算が必要でコンピューターの進化が大きく寄与してます。ざっくり言えば、その先にアルゴリズム、AI、ビッグデータという産物が現れたのですね。中島さんは世の中の進化に立派にキャッチアップされてますね。
中島龍之
6/5/2019 | 10:00 AM Permalink
東さん、そう言っていただいてありがとうございます。東さんのコメントにはいろんなヒントがあって、勉強させてもらってます。野球は攻撃、守備があり、スリー・アウトで攻守交替など区切りがあるので、一つひとつのデータにしやすいですが、サッカー、バスケットはプレーが切りにくいのでデータがとりにくいですね。アメリカンフットボールは、攻守交替、ワンプレーごとに切れるので野球に近いですね。アメリカらしいスポーツ、野球、アメフトと言えるでしょうか。
東 賢太郎
6/9/2019 | 6:16 PM Permalink
中島さん、今年はホークスに1勝2敗でした。西武にも1勝2敗で勝てません。TVでセパの差は守備と走塁と解説者の達川が言ってましたが、相撲でいえば前に出る力というか、圧の差を感じました。11連勝中の時のカープの勢いでも互角ぐらいの圧力ですね。やっぱりセリーグは弱いです。
東 賢太郎
6/13/2019 | 12:21 AM Permalink
やっぱりセリーグは弱い。広島カープは特に弱い。この3年、CSも日本シリーズも、「ここぞの勝負」はことごとく負け。日ハムの吉田のストレートを研究してないのかナメてたのか、理由などどうでもいい、カープは勝負弱いという事実はもう決定的である。これは緒方監督の持って生まれたものとしか考えられない。今年で是が非でもかわってもらいたい。どうでもいい時に勝って弱いセリーグの首位ぐらいにはなっても緒方がやっている限り日本一には百年たってもなれない。
かたや阪神は強いソフトバンクを連破。今年は矢野監督で勢いのある阪神さんに優勝してもらうしかない。
中島龍之
6/13/2019 | 1:30 PM Permalink
ファイターズの吉田輝星はさすがですね。2軍では打たれても、セ・リーグ首位広島相手に初登板、初勝利とは。ストレートに勢いがありましたね。大瀬良も2点に抑えてましたから、広島打線が吉田のオーラに負けたというところでしょうか。
東 賢太郎
6/13/2019 | 10:34 PM Permalink
はい、吉田は甲子園のときから図抜けていて僕は江川以来のストレートと書きました。しかし広島ほど打てなくなるとパタッと音無しになるチームも珍しく。今日の第3戦もひどいものです。野間なんて、明らかに絶対に確実に打たない振りの奴をなんで使うのかわけわかりません。こんなの2軍どころか育成選手レベルです。打撃コーチの東出と迎、このアホの2人はすぐ更迭したほうがいい。緒方は勝ち運がないです。そういうのは勝負には向いてません。