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広島カープのビジネスモデルの危機

2019 JUL 7 12:12:16 pm by 東 賢太郎

広島カープがソフトバンクに圧勝!2軍の話である。カープがこんなに点を取ったのを見るのは今や快感である。ビデオを観たが、小園のホームランは弾道も飛距離も素晴らしい。将来、丸ぐらいの打者になるかもしれない。

勝負事は運も波もあって、強くても負ける時は負ける。懸命にやっても負けると選手は打つ手がない。その危機管理のために監督、コーチがいるのである。

相場は売りがむずかしい。惚れて買った銘柄を損切る(下がって売る)には精神的負荷がかかるからだ。それができない人はやがて深手を負ってしまい、大きくは勝てない。何事であれ勝負事は同様ではないかと考える。

損切りというのは自分の判断を否定する行為だ。だから自分が常に正しいと思い込んでいる人ほど勝てない。しかし、その自信がないとそもそも勝負事は始められない。この矛盾を自己管理できる人だけが生き残れる。

野球なら選手起用と交代がそれだ。惚れて起用した選手をすぱっと切る。原監督はそれで非情采配といわれるが、チームが深手の傷を負わないためにあたりまえの策である。勝つために情は関係ない。

カープの家族経営。大変結構だが「選手は家族」だと監督は切りにくい側面はあろう。全権委任された原監督は「選手は手駒」に徹している。功労者の阿部慎之助も甥っ子・菅野も容赦ない。論功行賞がフェアなら若手も活気づく。

それは巨人の資力、ブランド力あってのことで、家族経営はそれに対抗すべくカープが苦労を重ねて築き上げた経営戦略であり、その自助努力が好きで50年弱いカープを応援してきたファンとしてそれでここまで強くなったのだから文句を言う筋合いなど全くない。見事なものだ。

しかし証券市場も40年見てきた者として感じることがある。

家族経営は昭和の企業経営の代名詞だったことだ。高度成長期までは成功したが、平成になって瓦解した。それが令和になって通用するならプロ野球界は奇特だが、高校球児が5年連続で減少しているのはその奇特さのせいという指摘もある。長く続くことは期待できないだろう。

丸佳浩が超高額でFA移籍してしまったことは3番打者がいなくなったという現場の問題だけではない。長男が「家出」して奇特が奇特でなくなった現実が露呈してしまったというビジネスモデルの危機なのである。

次男、三男が昭和の経営を受け入れる余地、つまり家長に服従して家にいたいふりをして見せること自体が昭和なのだが、その余地は平成の子たちの前ではもはや雲散霧消しつつあると覚悟すべきであろう。

カープのコスト効率の高いスカウティングは12球団いちだ。ドラフト戦略しかりだしドミニカでの人材発掘は他球団に先駆けた。しかしそれと日々のベンチワークは別物だ。採用と采配はまったく違う。黒田のような格別の採用をすれば采配は未熟でも成果は出るが、永続性はない。

采配とコーチングに家族ではなくもう少しプロフェッショナルな適材を配して結果責任を負わせることは巨人以外の他の球団のほとんどがしている。カープだって石井琢という最高の人材、功労者がいた経験値を持っているのだから、その上にカープならではの新しい道を切り開けるかどうか。それが平成の子たちを納得させるだろうし、sustainableなビジネスモデルになると確信する。

 

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