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LPレコード回帰宣言(その1)-光と音-

2019 SEP 26 23:23:00 pm by 東 賢太郎

ブルメスターのプリアンプの修理でオーディオショップに電話したら担当のKさんがはずれていてSさんが来てくれた。初対面だ。「この業界、ユーザーが高齢化で大変なんです」。若者に売れないのもあるが、若い者では耳の肥えた客のニーズにお応えできないから担当者も40代ぐらいのベテランになる。「音にこだわる文化がなくなるんでしょうかねえ」と42才のSさん、ちょっと寂し気だ。

機材についてはKさんから引き継いで知っているSさんが、配置や配線を調べて歩き回り、スピーカの間の壁の前に来て立ち止まった。「ええっ、このレコードお持ちなんですか!」「なんで?」「探してたんです、初めて見ました、実物」「この音源、CBSのアメリカ盤LPも持ってるし、CDフォーマットでもアメリカ、日本、ドイツの3種のプレスがあっちの棚にあるけどね、ぜんぶダメですね。いいのはこの初盤だけです。」

こういう客がいる限り、オーディオ業界は生きのこる。僕は生まれたらそこいら中に親父のSPレコードがあり、それを縁側で割ってやばいと思ったのが初めての記憶というレコード是人生の人間である。「つまりね、プレス重ねると劣化する、LPもね。CDは論外だ。可聴域だけでね、まがいもんだね」。そう感じだしたのは可視光線と色の波長の関係を中村修二教授に教わってからだ。

簡単に書くと、青、赤、緑の光を混ぜると白色光ができるが、それは本当の白ではない。何が「本当」かというと太陽光のもとでの白色だ。太陽光には紫や暗赤色があるが、今のLEDはそれが出ない。だから我々が見ているスマホやテレビのバックライトの白は、白っぽい色を白と思い込まされているに過ぎないのである。教授のデモを見て、スマホの白がまがい物であることを確認した。

人間の可聴域外の周波数をカットしたCDの音も同じくまがい物であるといえないことはない。可聴域外の音域の倍音の共鳴音は聞こえないが、だからといって現実には響いているものがいらないと誰が証明できるだろう。私見では音色、楽器の色香に大いに影響があると感じる。LP、CDの音の差異は、アナログ、デジタルの信号読み取り原理に起因する部分はCDに軍配が上がる効果もあると認めるが、倍音共鳴の遮断デメリットの方が大きい。それを消しては音楽の喜びは半減と感じる今日この頃だ。

「Sさん、僕はLPレコード回帰するからいいプレーヤーとカートリッジ教えてください。それでここでご執心のブーレーズの春の祭典を聴きましょう、あなたの知ってるCDの音がいかに倍音がない干物みたいなものかわかりますよ」。問題の僕の初盤LPの音はDAコンバータでCDRに焼いたのをyoutubeにアップしてあるのでどなたも聴けるし、CDとの差異もaudible(聴いてわかる)なレベルと思う。ただし、ヘッドホンで聴かないとわからないでしょう。

 

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