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今年の世界経済

2020 JAN 9 20:20:36 pm by 東 賢太郎

今年の世界経済は先読みが難しい。

世界の株式市場が確たる根拠に乏しいながらも高止まりしているのは超低金利環境が安定したからだ。しかしそれはデフレ環境蔓延の裏返しだから高止まりが永続する理由は何もない。デフレは先進国と中国の労働コストの裁定で先進国側から発生しつつあるが、裁定が終わると中国自身の首も絞める。

国内産業では農業、医療、教育に非効率が残るが投資対象として効率的でない。AIがあらゆる業種でドライバーであることは異論ないが、その浸食は既存産業を淘汰して大量の失業者を生むから全国民の幸福を贖うことにはならない。世界の生産性向上が限界的になると成長のドライバーは人口増加となり辺境(低開発国)に投資するしかなくなるが、それも地球規模で見れば裁定である。

裁定とは水が高低で流れることで、やがて止まる。すると成長はない。水が流れ込む低地が成長したと騒ぐだけでパイは大きくならない。地球人口はMAXで産業革命(の余波)による生産性増大は終焉したいま、成長という概念が無意味になりそれを追い求める資本主義も隘路に達したかもしれない。そしてゼロサムゲームはディバイドを押し進め、あらゆる局面、様相の社会不安を呼び起こす。

以上が総論だ。投資目的は「儲ける」ではなく「ロングタームの資産(購買力)保全」になる。地球全体のことだから2,3年で変わらないし米中関係、米国大統領選も大勢を覆すものではない。各論はどうか。安定的キャッシュフロー選好が進む。クレジットリスクとの見合いで優位性あるものに資金が集中する。それを確保して固め、残余リスクはベンチャー投資に充当というのが一計だ。

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Categories:______株式市場展望

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