ヘルベルト・ケーゲルのCDを発掘
2020 MAR 8 1:01:45 am by 東 賢太郎
なぜかマーラー1番が目に入った。23枚ある。なぜかヘルベルト・ケーゲル指揮ドレスデン・フィルハーモニーをとりだした。いつもこうやってふらっと地下に来て、何にするかは決めてない。CD棚を見渡してテキトーにかける。ホテルのバイキングの朝飯の感じだ。なぜケーゲル?まったくわからない、なんとなくいくか?という気になった。縁だ。そうでもなきゃ一生ここに埋もれさせたかもしれない。
「巨人」だけは好きだ。つきあいが長く思い出も深い。何百回もきいてるだろう、こうなると曲に年輪ができて若い頃のあれやこれやが浮かんでくる。これ、買ったのロンドン時代かな、一度かけてそれっきりだったんだろう、当時は装置も部屋もしょぼかったから真価がわからず、今の装置だとあれっ?となるのがけっこうある。
案の定いい音だ。めちゃくちゃいいではないか。じゃあベートーベンの交響曲全集はどうだ?これがまた最高!3、1、5、4、9番を立てつづけにいってしまう。細かいことはいいだろう、ドイツのがっちりした正統派だ。幻想交響曲はどうだ、すばらしい、鐘が見事に忌まわしい。そしてブルックナー8番を見つけた。こいつは東ドイツ革命なんてデーンと書いてあって「ベルリンの壁」直後のCDだぞ、ロンドンで買ったんだろうが記憶がない。値札があるがもうインクが滲んで読めない。僕はブルックナーはつねに大音量でいきたいが新しいのにダメな録音もある。これはいける。というより圧倒的なエネルギー感で演奏も映える。
CDはここ数年増えてない。もうあんまり興味なくなってきた。それでも1万枚ぐらいあって、全部聴くことはないだろうが自分史という意義もあるから捨てられない。1度しか聞かなくてもいつどこで買って演奏、録音の好悪ぐらいは覚えていたものだが、最近は悲しいことにこんな塩梅で意義も薄れてきた。しかし、だんだん忘れていくといいこともあって、こうやって初物を発掘した感動を味わえる。どんどん増えて、いずれぜんぶ新品なんて結構なことではないか。
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