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フェーク・ニュースの見抜き方

2020 APR 8 18:18:41 pm by 東 賢太郎

証券界で生きてくると性悪説になります。僕は親の教育でシンプルにのほほんと性善説なのですが、仕事になるとやおら人が変わって鬼の如き性悪説人間になります。要は、全員がウソを言ってると思ってるということです。

わかりやすい例でいうと、Yahooファイナンスの「掲示板」があります。ここに書いてあることはほとんどウソです。ポジション・トークと言って、その銘柄を持っていれば強気、買いたければ弱気が書いてあると思えばいいです。

つまり欲の皮がつっぱった人たちのジャングルだから踏み込んだら最後。だまされたら君が悪い、そういうものだ嫌なら来るなという世界なのです。そこで40年生きていればそれなりにウソに免疫力がつきます。見抜けてしまうのです。

ポジション・トークには上級者版があります。どなたか学者さんが国会答弁を「ご飯論法」と呼びました。「あなた朝ごはん食べましたよね?」「食べてません」と答えて、実はパンを食べてましたというものです。立派なウソです。

これを、「朝ごはんを食べない人が増えてます」と言い「パンを食べる人は増えてますが」は言わずに「ブランチ(朝昼いっしょ)がトレンドです、マックの株が買いです」とやれば「ご飯論法」の逆行型でポジショントークができます。

フェーク・ニュースはそうやってできています。猿でもわかるものから知能犯的なものまであります。隣国が十八番とする「ウソも百回言えば本当になる」というバージョンもあります。油断も隙もない。ジャングルだと述べたのはそういうことです。

これをマスコミがやれば「情報操作」ができます。「言わないのはウソではない」という論法で、権力者だけが知っている情報のうち都合のいいものだけ流す。独裁国家の常とう手段ですし、選挙戦でネットが使われるのは有名ですね。

ウソに免疫力がつきます」と書きました。40年かけてガッツリついたのです。僕は性善説なので公然とウソを言う者は蛇蝎のように嫌いなのです。脳内で免疫が活動し始め、ウソを成敗したくなってしまう。本人に恨みはありません。

2014年、僕はあるニュースを見てSTAP細胞がウソだと気がつきました。かなり早い段階で。それは当ブログに時系列で残ってますが一日に何万回も読まれました。もちろん学者じゃないんで証拠はありません。直観と論理だけです。137億年の彼方でも働く論理はウソは言わないです。結果は周知のとおりです。

いま新型コロナで世界の政治は窮地に立ってます。権力でウィルスは殺せません。お願い、強制、ばらまき、緊急事態宣言、いろいろ出し物はありますし、日銀のETF買いの経済対策なる株価操作も涙ぐましいのだけれども、そんなことより政府にお願いしたいのは「情報開示」なのです。それに尽きます。

だいたいの政府は国民は馬鹿だと思ってます。なにせ孔子さまが「民は由らしむべし、知らしむべからず」と言ってるものだからもっと馬鹿な人でもそう思っていて情報は小出しでいい、知らせると騒いでマスクが買い占められたりするではないかということになってる。民は安心させるのが大事というのです。

そうでしょうか?台湾は政府がマスクの総量を管理し、アプリでいまどこの店にあると、むしろ「100%情報開示」した方が騒ぎが起きない事を証明してます。政府は情報操作をしているかもしれないと民が疑っている土壌に小出しの断片情報を流すからパニックになると僕は思うのです。

さらにまずいのは、「知らしむべからず」=「ウソをついていい」になることです。「朝ごはんを食べない人が増えてます」の例を思い出してください。この情報を開示したふりすることで「マックの株はいいね」と信じこませるポジション・トーク(=ウソです)ができてしまう。巧妙に民を騙せてしまうのです。

民を安心させるために我々が要るんだ、開示するだけならほかに政府は何をやるんだ?知りません。でも民に知らしめないことが仕事の国会議員は全員辞めてもらって日本国は何も困らないでしょう。そしてもうちょっとましな特措法つくれるレベルの人たち、まあ「選良」といいますかノーブレスオブリージュを身をもってできる人といいますか、少なくとももう少し学力のある人だけにはしてもらって、それならば人数は半分もいらないという結論でしょう。

ウソを見抜くのは商売だから、見過ごせない場合はブログにします。

 

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Categories:政治に思うこと, 新型コロナ・ウィルス, 若者に教えたいこと

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