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五輪とスーパー・スプレッダーの大矛盾

2021 MAY 15 0:00:07 am by 東 賢太郎

今日は良いニュースがひとつあって、コロナ陽性で入院した仲間がZOOM会議に元気に復帰した。本当によかった。セミナーに出たら講師が陽性だったそうで、なんと彼に同行した出席者10人全員が感染。奥さんが妊娠中の人もいて大騒ぎになった。彼は数日後に発熱して救急搬送され、ICUで人工呼吸器装着となった。「人生で初めて1週間記憶がありません。あのまま目が覚めなければ終わりでした。東さん金融関係者のセミナーですよ、まさかでしょ、変異型は怖いです、絶対に気を緩めないでください誰も責任取ってくれませんから」。不可思議なことにこの件は東京都のクラスターとして報道されていない。隠したのかこの程度のはいくらもあって報道価値がないのか?イギリス型でこの感染力だ、インド型はもう確実に「入国」してしまっておりこれが暴れだすと医療はめちゃくちゃになると医者にきいた。ちなみに感染研は変異株を充分なサンプル数でゲノム分析していないそうだ。

10人にうつすスーパー・スプレッダーは歩く凶器だ。本人も主催者も気づかずに講師で出てきたということは、無症状感染者だったのだ。去年の2月、武漢のチャーター便の時から僕が恐怖を感じていたのはまさにそれだ。我が周辺、つまり金融業界で陽性者はいままでほとんど聞かなかったがついに魔の手が迫ってきたと言わざるを得ない。思えば2月に行った運転免許更新講習も20分とはいえ席に間引きがなかった。社員が受ける予定の某役所による講習も、250人収容可能の会場に200人で講師は事前にPCR検査は受けないと聞いたためお断りして出席は延期させた。国に忖度なのか何なのか、役所の方が危ない感じがするというのはいったいこの国はどうなってるんだろう。

東京は新規感染者がいまのところ千人ぐらいだが、一番危険なこのスーパー・スプレッダーは数字に入っていない。ということは日々の感染者は実は数千人であり、しかもスーツを着て満員電車に平気で乗っていると思われる。僕は最初から言われなくてもステイホームなのでかからないし人にうつさない。だからワクチンは後でいい。そういう危険な輩から先に打ってもらうのが公衆衛生として道理だろう。それで東京が沈静化してくれれば、僕はそんなリスクがあるかどうかすらわかっていないものを打たなくて済むのである。しかしオリンピックを強行されればウィルス防衛失敗を仮定せざるを得ない。1年半も失敗だらけの政府を信頼するという「危機管理」は、危機管理の定義からして100%あり得ないからだ。打たざるを得ないなら、やばくなるのは冬だ。今打つと早すぎる(効果は半年で切れる)。

よく考えよう。緊急事態宣言が出ていてワクチンは2%しか打ってない国が「やりたい」と立候補してオリンピックが来るか?来るわけない、そうだよね、普通ならね。えっ?普通じゃない?そうか、緊急事態だからね、そりゃそうだ。で、そんな緊急事態なのにどうしてやるの?え?安心安全?ならば大会開催中は緊急事態宣言は出すんだよね、人流抑えるため。でも出さないよね、お祭りムードあおるよね、ならば選手村だけいくら厳重に抑えても元から蠢いてる日本のスーパー・スプレッダーはどうなるの?街に出回り放題だよね。スポーツの感動は素晴らしい?国民が楽しみ?でもアンケートだと国民の60%は反対なのだ。違約金?ほんとにそうかなあ。

お断りするが僕は別にオリンピックそのものに反対ではない。スポーツは好きなんだから選手には同情するしかない。しかし、こういう政治の非科学的、非知性的なドタバタで税金がどぶに捨てられるのを見るのは極めて不愉快なのだ。税金が空から降ってくると思ってる奴らの存在自体が不愉快だ。半端でなく払ってるんでね、言う権利がある。有事なのに開催国の民意など関係ないと偉そうに放言しておいて、中止したら大枚ぼったくるとしたらIOCの男爵は世界中に批判されいずれ開催国を失うだろう。彼らと堂々と交渉できるスタンスも能力も政府にないのはワクチン分捕りのヘマを見るまでもなくわかる。えっ?ここで中止を言ったら世界の笑いものになる?心配はご無用だ、すでになっている。

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Categories:政治に思うこと, 新型コロナ・ウィルス, 若者に教えたいこと

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