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小室さんの不合格と甘利幹事長の落選

2021 NOV 2 8:08:31 am by 東 賢太郎

2つびっくりした。小室さんの不合格と甘利幹事長の落選だ。まず前者。別に落ちてもまた受ければいいし、それしかないということだろう。米国はディール社会である。政治は効くがカネになる場合のみだ。義理人情、忖度という日本的な動機は日本人用の営業上のお飾りとしてはあるように見せかけはするが実はなく、原理は厳然としたディールだから換金性があるか否かでしかない。何が色々あろうとも、とどのつまりは年収は小室さんの知能と実力に収束する。

次。本人は前回はダブルスコアで勝ったのに今回は落選キャンペーンをされたという。その是非は全く興味ないが、幹事長が落ちたら自民党は誠にみっともないわけで、そんなことは屁でもないアンチがたくさんいたという点は注視している。全国では自民は単独過半数で圧勝だから矛盾している。つまりこの落選は、浮動票が動き、アンチ自民よりアンチ政治とカネだった可能性が高い。

それは非常に良い傾向である。投票率は下から史上3番目で残念だが、心ある有権者がアンチ政治とカネ、アンチ税金無駄使いに振れつつあるのは地域にはよるがある程度は全国的傾向だろう。その足かせが幹事長の首まで取られるほど大きかったにもかかわらず自民が議席の少しの減少ですみ、大きな追い風をもらった野党共闘が立民、共産とも党としてみると増えるどころか減少したのは、共闘が失敗だったという意味にしか解釈のしようがないように思う。

つまり、政策がわけのわからん共闘に政権を任すなどあり得ないが、自民の目に余るやり放題、説明不足、政治とカネ、税金無駄使いにはお灸を据えておきたい。傘を持って投票所に行った多くの無党派層(僕もだが)はそんなところだったのではないだろうか。とすると自公で何とか過半数という苦戦を予想していたがそうでなかった。「共闘がわけがわからん」という負のイメージが思った以上に足を引っ張ったのだろう。

野党票が多めに流れたのが維新だったが、理解不能である。橋下は首長を取って実績上げて国政にというが大阪は東京人には死んでもあり得ない横山ノックを選ぶ特殊な地盤だ。北海道や九州の人まで阪神ファンになれというようなもので、悪いが無理だろう。つまり、そこに野党に向かうべきアンチ自民の浮動票が流れてしまったというのは小沢、辻本まで落選させるほど立民に人気がなかったということになる。

枝野代表は頭がいいのか悪いのか知らないが、明らかにドグマティックに見える。世界のヘゲモニーの行方が米か中か、やってる当人たちすらわからない時代に彼のこだわりのドグマが正しいと信じなくてはいけない理由がどこにあるのか不明だ。前回の民主党政権の失敗は経験が足りなかった、今はそれがあるというが、何回経験しても失敗する人はたくさんいるのだ。

岸田総理については、会ったことのある人は異口同音に「いい人」「しゃべらずにきく人」という。全員野球は大変結構だが新経済対策は未知数だ。政府が新たな成長戦略って、何度も書いたがそんなのは役人の小理屈でのっけから無理。その証拠に30年間もそれが出来てないのは株価推移を見れば厳然たる事実であって、その間の役人が特段に不出来だったわけでもない。それを政権がかわったぐらいで出来るなら、総理の首を毎年すげかえれば日本は高度成長できるだろう。

私見では「いい人」「しゃべらずにきく人」はドグマティックの正反対で、時代にはあっている。今の世界の潮流は不確実性が支配しており、べき論よりベター論の人の方が失敗する確率は低く、生存率は高そうだ。菅前総理は完全にべき論の人で、生存率の低いメソドロジーの政治家だったわけだ。

そもそも何が成長するかなんて、人生をかけてやってる起業家本人も知らないし、国ならわかるという話でも何でもない。GAFAのどれが国営企業か考えれば自明だ。国にできるのは起業家の自由度を高め、必要なカネをつけてやるぐらいだが、後者は市場で調達すればいいし(それが健全)、前者は、逆に国が余計な口出しをしないことこそベストな成長戦略ということなのである。

我々がそれこそ人生をかけてやっている仕事がそれであるが、テクノロジーや企業や業界の成長が予見できるのなら株式に投資すれば百戦百勝になる。そんな人は世界に一人もいないのが現実の世の中で、我々が努力と知力の限りを尽くしても絶対大丈夫なんてことはない。それを「私はできます」って軽いタッチで選挙演説で言われても、こいつアホじゃないかとしか見えないのである。

しかし、もうひとつ厳然たる事実があることを書いておく。それが実現するかどうかはともかく、一国の為政者で何十兆円の予算を動かせる岸田総理の経済政策に「なるほど」と思えば世界の投資家は日本株を買うということだ。それを僕は業として40年やって知っている、もしそうなら日経平均が上がる。業績は変わってないのだからPERだけ上がる。15倍ぐらいだが、これが上がれば評価されたと堂々と表明して文句はない。

まだ未知数だが、その状態においてプラス評価のない政策などそもそもやらない方がいい。その評価として自由市場で決まる株価というものは、総理の仕事のクオリティを計る指標としてある程度の客観性がある。良いと思えば1万円単位で買える株を買えばいいし、何も考えない、リスクも取らないでトリクルダウンを口をあけて待っていても、国家財政は何党が政権を取ろうと同じ財布なのだからそこまで面倒など見られるはずもないのである。

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Categories:______世相に思う, 政治に思うこと

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