佐々木投手、あっぱれの「型破り3球勝負」
2022 APR 16 23:23:56 pm by 東 賢太郎
先週は完全試合を初めて見た。生きてるうちに遭遇できてよかった。ノーヒットノーランは完全試合の「四死球・エラーはOK」バージョンと思ってる人が多い。たしかにそうだが、難易度は段違いである。ノーノーは四死球を45個も出していい(3つ出して2人牽制で刺してまた2つ出してあと抑える×9回)。甲子園の松井秀喜の5連続四球みたいに強打のクリーンアップ3人を3回とも申告敬遠してもいい。
完全試合はそうはいかない。まず「無四球」という縛りがピッチャー的にはキツイい。つまり高低・内外角のボールゾーンの出し入れでごまかして、だめなら歩かすという手が使えない。内角は攻めたいがぶつけたら終わりだ。つまり、「ストライクゾーンで勝負する」必要がある。するといい当たりが出て野手がエラーしてしまう危険も増す。だから83人・94回あるノーノーのうち、完全試合は16人・16回しかないと思われる。
しかし僕の注目はもうひとつある。普通は完投すると120~130球というところだが佐々木の球数はたった105球だった。これは1打者平均3.9球で、ほぼ全員に3球勝負しないとこうはならないだろう。いや少なくともストライクか否かはともかく打者は「3球勝負」と思って振ったと思われる。型破りを超えて革命と言ってもいい。日本では0ー2になると「遊び球」といって1球はずせといわれるからだ。
短い間合いでポンポン投げられオリックスの打者はテンポに面食らい、遊び球もないから考える間がなくフォークに引っかかってバタバタ三振したように見えた。160キロの速球を恐れて早打ちしたせいもあろうが、それを見越して逆手に取った奇襲でもあり、若者コンビがぐいぐい「圧」をかけながら攻めまくり、押し倒して粉砕してしまったような印象だった。
あしたまた佐々木がマウンドに登る。当たってきた日ハム打線がどう出るか楽しみだ、攻撃の奇襲もあるのだろうか。
ソナー・メンバーズ・クラブのHPは http://sonarmc.com/wordpress/ をクリックして下さい。
Categories:______プロ野球
中島龍之
4/17/2022 | 11:46 AM Permalink
佐々木の完全試合は凄かったですね。あれほど相手チームを圧倒した完全試合は今後あるでしょうか。ストレートで三振、フォークで三振とバッタバッタと三振を取って、13打者連続三振、1試合19三振と記録ずくめでした。1度3ボールになったところだけが踏ん張りどころでしたね。佐々木投手があんなに逞しくなっているとは思いませんでした。高校野球の岩手決勝戦を監督の指示により登板回避した時は、いろいろ話題になりましたが、その判断は間違ってなかったですね。ロッテの育て方も良かったのでしょう。
東 賢太郎
4/18/2022 | 12:52 PM Permalink
日ハム戦は8回で交代しましたがまだ17イニング、51打者完全試合は続行中です。井口監督は得点していても8回で替えたと言ってるので球数優先なんですね。高校の監督のポリシーの継続ということで、このバッテリーは野球界の思考革命にもなっているようです。故障したら終わりだから賛成です。