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永遠に讃えるスペイン戦の勝利

2022 DEC 3 17:17:51 pm by 東 賢太郎

サッカーは何もわからないが、それでもスペインに勝つわけないだろうぐらいのことは思っていた。コスタリカ戦はいけるかもと思って期待して見ていたが、昔の弱い日本サッカーを見ているようだ。ああこりゃだめだで終わってしまい、なんだか世の中もドイツ戦で盛り上がった分だけ盛り下がってるではないか。TVではスペインの3トップの移籍金が合計で277億円だなんてやっていて全日本OBの解説者が聞かなければよかったですなんて笑ってる。コスタリカに1-0で負け、スペインはそれに7-0で勝った。じゃあ8-0かなと思った。

それでも気にはなって午前4時まで頑張ったが、前半はほとんどボールを支配されっぱなしであっけない1失点。やっぱりねとなって、3-0で負けならオッケーかなと寝床に入って熟睡してしまった。そうしたら「たいへんたいへん、逆転してるよ!」と娘に叩き起こされるのである。後半の半分ぐらいからアディショナルタイムの7分まで、わくわくどきどきしながら見守った。やった!この瞬間に立ちあえてよかった、娘に感謝だ。この勝利は一生忘れないぞ。ほんとうによくやってくれた!!

堂安、田中碧のゴールシーンは録画で見たが、何度見ても胸がすくほどすばらしい。三苫の折り返しがインプレー判定となったのは執念の証しである。ドイツ戦の浅野の2点目なんてのは、ああいうのはブラジルやスペインの肉食系のやつしかできない、農耕民には無理だなんて思いこんでいたプレーであって、何とスペイン戦でも8割の時間ボールを支配されながら間隙を縫ってそのレベルのを2つも決めてる。堂安の落ち着きはらった左足なんか世界レベルでなくて何だろう。

もう嬉しくて感動の極みだ。日本の20~30代の若い子たちが世界でここまで躍動し、何の臆面もなく堂々たる勝負をくり広げ、世界の超一流を完膚なきまでねじ伏せて「死の組」を首位通過。凄いとしか讃えようもない。こんなことは、サッカーに限らず、僕らの世代ではぜんぜん無理なことだったのである。完全に脱帽だ。日本人は劣化していると思っていたが、とんでもない、劣化していたのは我が世代であって、若者は進化している。

今年は暗いニュースばかりでなんにもパッとしたことがない、村上の三冠王ぐらいかなと思っていたら流行語大賞がそのものずばりの「村神様」である。それほど村上が凄かったわけだが、ここまでそれかよと案の定すぎてかえってその他の暗さが引き立ってしまうところに現状の日本社会の病気に近い閉塞感を覚えるのは僕だけだろうか。

現にコスタリカに負けると一部の選手を批判する書き込みが乱れ飛んだらしく、田中碧選手が「同じ国民なのになぜ一緒に戦ってくれないんだ」と嘆いていたと聞く。まあ期待の裏返しでもあろうし、どの国でもそんなものかもしれないが、いまの日本にはコップに半分の水を「まだ半分もある」でなく「もう半分しかない」と見てしまう空気が充満してる。それを思いっきり打破した選手たち、ありがとう、ここぞで勝てる日本を証明してくれた君たちが誇らしい。僕は心の中に君たちの銅像を建て、永遠に讃えるぞ。

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Categories:______世相に思う, 若者に教えたいこと

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