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WBCチェコ戦

2023 MAR 12 8:08:07 am by 東 賢太郎

チェコ戦は10対0ぐらいだろうと思っており結果は10対2だった。しかし、中身は想定とは違った。チェコの打者の振りは強くて鋭く、当たれば軽くスタンドインの怖さがあった。守備も決して下手ではない。日本打線は先発サトリアの投じる120キロ台の直球とチェンジアップに翻弄され、いきなりヌートバー、近藤から連続三振、大谷は一ゴロで村上をまた三振。第2打席はヌートバーが一ゴロ、大谷は三球三振だった。

ピッチャーというとスピードガンがどうのと騒ぐのは野球の醍醐味を味わうためにミスリーディングである。プロ選手に聞くと、速さはガンと打席では違って見えるという。サトリアのように速くなくても何となく打てなさそうだ、嫌だなというのもある。球の伸び、フォーム、リズム、緩急、角度、顔つきとか千差万別でいろんなことがあるが数字にはならないそうだ。

たしかに160キロともなると話は別だろう。そんなのを人間が打てる方が不思議である。だから、佐々木朗希の163キロをフルスイングで引っぱり左翼線二塁打したチェコの3番、大学生のクラップにはびっくりだ。彼だけでない、日本に対して全く名前負けせず振ってきた体力、メンタルの強さはあっぱれである。

佐々木はあんまり良くなかったがそれでも11アウトで8奪三振。宮城も5回を被安打2で7奪三振の快投を見せ、全部で16三振を奪い10対2。この数字だけ見るとボロ勝ちなのだが、要所要所のプレーにそんな印象はない。野球人口7500人の国で、監督は神経科医、学生や地理の教師もいるアマチュアがこの戦いぶり。見事としか言いようもない。先発サトリアは電気技師らしい。大谷を3球三振に仕留めた〝記念球〟をもらって大喜びしたそうだがそりゃそうだ。

このチームが勝者へのリスペクトを送る。10対0ぐらいだろうと安直に思っていた僕はどっちが勝ったのかわからない気持ちになる。LGBT法案を通したい人には一応お断りをしないといけない時代になっているようだが、こういうのを日本では古来より「男らしい」というのだ。その言葉までが粉砕されかねない昨今、そのスピリットの気高さと大事さを見せてくれたチェコのスポーツマンたちに心から拍手を送った。

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Categories:野球

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