役員を自分で2度やめた男
2023 MAR 25 11:11:35 am by 東 賢太郎
朝食の席で家内が「もしあなたが某大に行ってたらどんな人生だったかしらね」というので、なんだか意味がよくわからず、「少なくともここにはいないだろうね」と当たり前の答えをした。
何かというと合格校を辞退して浪人したことだ。先日に神山先生の講演が御茶ノ水であって、出席者の方と駿台の名物教師の話でひとしきり盛り上がった。あれが正解だったかどうか考えたことはあるが、選ばなかった道の先はわからない。「あした」なんてものは星の数ほどあったから気まぐれでしたことだった。
人生何度も苦杯をなめさせられた。でも、その一つでも欠けたらイマはない。良い負けがあるなんてクサい話ではない。どうでもよかった、悩まなくてもよかった、それだけだ。人生の最後に「よかった」と思えればいい。そうすればぜんぶの負の遺産がオセロみたいにひっくり返ってオッケーになるからだ。
思えば最近はブログが人生記になってきていてPVがもうじき900万になる。青汁に乳酸菌が100億個入ってます以上に僕にはつかみどころがないが、1分読んでくれたとして約17年も多くの人様の貴重な時間を頂戴した計算になる。どなたかは存じないが、それだけ一緒に生きて下さったことには感謝しかない。
何度も述べたが、僕は広告料や売名めあてのブロガーやユーチューバーとは違う。PVを増やそうという記事など一本もないし身勝手なトピック、身勝手な中身しか書かない。WBCのビデオを千年後の子孫が見てこう反応した先祖の子孫だと知ってもらいたいからで、PVは世間様も反応されたということだろうか。
だから本来であれば、僕は野球や音楽でなく、プロフェッショナルである投資について反応を書いて残すべきなのだがそれでは商売にならない。書かなければ僕とともに消える。だから家族はもちろん、リアルタイムで一緒に生きて下さっているお客様、社員、協力会社様との会話やあれこれの記録はとても重要だ。
ちなみに昨日はお客様と電話で1時間半話した。「東証1部上場企業の役員を自分から2度辞めました」「まるでドラマですね」から始まって、この業界酸いも甘いもという裏話からああだこうだの質疑応答に至ってそうなった。投資コンサルは哲学が必要である。助言をさせてただくのは理解して下さる方だけだ。
ブログの読者の方々も、きっと電話すれば1時間半になるような、おそらくそういうインテリジェンスがあって熱心な方々なのだろうと想像する。SMC西室にご連絡いただければお会いもするし、お取引はともかくすでに何度か来社された方もおられる。昨今は以下のようなケースもでてきた。
まず僕のブログを読んでアメリカから神山先生を訪ねてこられた方がおられたことを伺った。また、先日は東京芸大の楽理科の先生から「プリンストン大学音楽科のサイモン・モリソン教授が東さんのプロコフィエフ論のブログをレクチャーで引用したいそうなので許可いただけますか」というご連絡が西室にあった。
教授がそう思われたことに関心があり、レクチャーはあさって母校の成城学園でのようなので出席しようと思うが、「どのような経緯でモリソン先生が東さんのブログに行きついたのかわかりません。どうやらほかのピアニストの方が引用されているのをご覧になったようです」とあった。
こういうのを見て家内から質問がきたのかと思ったら、「そっちの大学なら文筆業になったかもしれないね」ということだった。「いや、才能ないよ。行った方の大学でも弁護士にならなかったしね。役員を2度やめた男のほうがずっと俺らしい」。こればかりは揺るぎない。
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