野球が男の闘いであることを見た試合
2024 JUL 19 22:22:48 pm by 東 賢太郎

野球というのはスポーツであるが、いろんな人間ドラマがある。僕はガス欠気味のカープの打者がいい球をすんなり見逃したり悪球につられて凡フライだったりすると真面目に怒ってるし、キャッチャーのサインやコースがやばいと思った瞬間にホームランだったりするとこの馬鹿野郎と本気で怒鳴ってる。他人事なのだけど、ここぞは大事だ絶対勝てというのが体に染みついてる。だからパブロフの犬みたいに反射してしまうのだ。
先日7月17日、ハマスタでの横浜DeNA戦、相手は8連勝中のエース東であり、こっちは森下とはいえ左に激貧のカープ打線だからなんとなく分が悪そうだ。解説によると小園だけは東を8割も打っており(この日も2安打)、ならば他の奴は小園の爪の垢でも煎じて飲めと思うのだがやっぱり打てない。カープの貧打というのは伝統のお家芸で50年前から抗体ができてはいるが、丸、鈴木誠也、バティスタというOPS1.0の超絶クリーンアップ時代もあったからストレスがたまる。
0-0のまま投手戦で迎えた6回の表。9番会沢が三ゴロ、1番秋山が遊直であっさり二死。この軽いタッチが何とも頼りない。すると、そういわんばかりに森下が早々にベンチ前でキャッチボールを始めた。2,3番は矢野、上本。長打なしで点は入らんな。僕も思ったが彼も思ったんだろうね、3割打者だからね、野手といえど上から目線で見ていても失礼じゃない、結果ありきのプロだから。
その裏だ。森下の球がやや浮き始める。3安打され、二死満塁で渡会を迎えた。この新人、立派というか態度が微妙にでかい。開幕戦でホームランを打ってカープをなめてる感じでありどうもいけ好かない。森下もこの野郎、図に乗るんじゃねえぞと思ってるだろう。球速が上がる。高めストレートでファウルで粘られたが、最後はインローでなすすべなしの空振り三振にねじ伏せて格の差をみせつけた。いやあ痛快だ、森下君、狙ったね、男だね。
これは次なるドラマへの序章だった。チェンジで7回表だ。上本、小園のヒットとエラーで無死二三塁の大チャンス。ところが野間、菊池がタッチアップもできない外野フライであっさりツーアウト。がっくりだ。ここで開幕から欠場だった7番シャイナー君である。ちょっといい人すぎに見えるおとなし目の男だ。DeNAはコーチがマウンドに行く。8番は森下だ。代打の切り札・松山は左だ。であるのに東は敬遠せず勝負に出た。シャイナーはナメられたのである。森下の気迫の奪三振を一塁で見て気合も入っていただろう、二球目の高めストレートをバックスクリーン左に会心のホームランを叩きこんだ。
3-0でカープの完封勝ち。若者の皆さん、長い人生、こうやってここぞで負けちゃいけない時が誰でもある。そこで勝つかどうかはでかいですよ。
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