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広島カープついに阪神・大竹の牙城を崩す

2024 AUG 11 2:02:22 am by 東 賢太郎

去年から8連敗していた阪神の大竹。一人の投手にこんなにやられるのは珍しいが、とうとう5-1で勝った。普通の勝ちの10倍ぐらい嬉しく大層気分が良い。大竹の真骨頂はコントロールと緩急で、変化球は遅いが切れが良く、80キロの山なりまで操られるから130キロ台のストレートに長身からスピンがかかって手元で伸びるとほとんどの打者が差し込まれる。しかし彼の防御率は3なのだ。他チームには打たれてる。なぜ広島だけ打てないか謎だったが、ともあれ昨日はやっとこさで攻略した。これは今後の阪神戦に意味を持つ勝利だろう。

目下カープは巨人と阪神に2ゲーム差をつけて首位だ。いつまで続くかと思うが僅差を守り勝つパターンが板についてきたのは投手が頑張っているのが大きい。先発は大瀬良、森下、床田、九里の4枚が盤石で、残り2枠にアドゥワ(巨人を完封)、玉村(DNAに完投勝ち)がはまったと思ったら、野村、森が5回を零封して見せ、ハーンを加えてなんと先発は9枚になった。毎年、夏に息切れしたのが12球団でもトップクラスの贅沢な布陣だ。後ろも左が森浦、ハーン、塹江、黒原は盤石、右は島内、矢崎、河野、益田、コルニエルと左よりは落ちるが十分だろう。そしてクローザーに栗林だから強力だ。

セリーグで得点は5位、ホームランは6位と貧打は相変わらずで、外人2人が大外れだったフロントの責任は大きいが、新井は逆手にとってミート率の高い打線と機動力を鍛え上げ、取った少ない得点を守り勝つ野球に徹している。何事も極めれば武器になるのだ。投手陣のスペックで失点は1位(最小)、防御率も1位に現れているが、これは守備の充実が極めて大きい。キーマンはなんといってもショートに定着した矢野 雅哉だ。菊池、矢野の二遊間、これは文句なく12球団最高である。2021年にこう書いた。

新人の矢野にすごく期待している。今日も大道が2本打たれて1,2塁にして、代打デスパイネのショートゴロのさばき方が良かった。ちょっと嫌な所にぼてぼてが飛んだが、うまいというより二塁トスのあの手慣れた感じは投手目線で頼もしく感じた。野球頭が良くて足も速そうで、ああいうのが敵にいるだけで圧を感じるタイプと思う(新人の頃の菊池がまさにそうだった)。

広島カープの新人4人は当たりである

矢野は打撃も進化している。きのうも大竹の遅球を流して2塁打にした。運動神経が半端でなく育英高-亜細亜大で鍛えまくられているが、おそらく大変な努力家であるのだろう。菊池と矢野、ここまで超絶的にうまいと守備だけでレギュラーが取れてしまう異次元の人達で、ノーヒットでも美技ひとつでピッチャーを鼓舞するから打点1ぐらいの価値があると思う。逆に、プロでもアマでも、守備の下手なチームで強いというのはあんまり見ない。球場に出かけてポカーンとホームランが出れば楽しいが、僕が金払ってきてよかったといつも思うのは守備だ。

菊池が出てきた2013年ごろに強いカープを予感した。16年から3連覇した。矢野にそう思ったのは3年前。ひょっとすると期待できるかもしれない。

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