米国のヘゲモニーの視点ですべてを読み解く
2025 MAR 10 18:18:00 pm by 東 賢太郎

そういえばと思い、バックナンバーを検索するとこれがありました。日韓合同演奏会、今年が60周年で、これが50周年だったんですね(師走だった)。
そして、大晦日にこういうことにしました。
フラフラになるほど忙しかったからです。結局3か月お休みして4月に再開しました。それが2016年。そのころ僕のブログの訪問数は一日4~500、いまは3~4000です。ちょうど大統領選の年でした。トランプが勝つとはまったく思ってませんでしたが応援はしており、当時、政治関連はSMCでなくソナー・アドバイザーズHPにブログを設けてそっちにたしか4~50本書きました(HPのポリシーで消してしまったようですが)。トランプに好感を持った理由は、あくまで直感ですが、ビジネスマンだから僕には見ていて分かりやすく、裏はあってもこの程度かと思えばそんなに悪党じゃないなと安心感を持ったことです。だから2000年のあのあからさまなインチキ選挙をまのあたりにして、大噓つきの奴らが裏でせこせこ悪事を働いてる、そう確信してブログを書きました。選挙権のない米の内政ですが、単純に僕はそういうセコい奴が大嫌いなんです。バイデン側は今回の大敗で恥ずかしいボロが全部あばかれるでしょうし、現に、彼は当選後の大統領令への署名もオートサインだった(最後の最後に、立候補しない、という署名だけは真筆でさせられた)という暴露が出ています。それでもまだ負けを認めたくない連中がトランプを貶める印象操作を裏で表でやってる。政治の主義主張が違うのは大いに結構ですが、そういう姑息な手口がネット社会では見事にばればれなんです。それを延々とやってる方々、地位も名誉もあろうというものが金のためとはいえそこまで身を売って品格を下げてしまう景色は気の毒ですらあります。
トランプは戦略頭脳が抜群に良いと思います。あの年齢にして記憶力も落ちてない。それなしに不動産業で1兆円も儲けられるわけないでしょう?これを馬鹿という人々は自分にそういう脳がついてないのを公開してるわけです。米国のアキレス腱は通貨主権です。これを取られたら玉座から落ちる。決済通貨ということですがそれは表の話で、通貨主権国だけが紙切れをいくらでも印刷でき信用が棄損しないという錬金術を使えるのです。だから金本位制をやめてじゃぶじゃぶカネを刷っても紙切れとはバレない方式、つまり、軍事、財力、智力、科学技術で包括的に威圧して価値があると弱者に信用させられる状態(ヘゲモニー、hegemony)により帳尻を合わせて世界を支配する構造を米が確立し、対抗馬のソ連を潰しました。同じく戦略頭脳に長けたプーチンはその失敗原因を知ってます。米はそれを民主主義の勝利と謳ってますが、相手が共産主義国だっただけで民主主義が万能の証明にはなってません。現に今の米は民主主義的にDS(Deep State)に乗っ取られ共産主義的に破壊されつつあります。
彼等は大金持ちの超国家利益共同体であり、米のヘゲモニーに利用価値を見出した「虎の威を借りた狐」です。世界の政治権力者とメディア幹部を裏口買収して偽装に加担させ、為すことすべてを虎に見せかけ工作してきた。世界は「米」と思っているので動くわけです。それを指摘した者たちを「陰謀論者」と切り捨てるメディア工作もそれなりに奏功してきましたが、加速度的、不可逆的に増加するSNS閲覧者たちはその工作者こそが陰謀論者であったことを見抜きつつあります。そして最大の誤算は、絶対に買収できない大金持ちが本丸に登場したことです。それがトランプです。彼がスマートな人物であることは買収不可能な世界一の大金持ち、イーロン・マスクを右腕に起用したことでわかります。だから焦り、暗殺まで企てたが失敗した。買収されてる世界のメディアは絶対にそう報道しませんが、おおよその背景はSNS閲覧者たちの間ではもはや共有知で、否定すれば自白になるほどメディアの立ち位置と魂胆は見ぬかれています。だから報道しない。そういう自由があるのではなく、ご主人様に都合の悪いことは、アンタッチャブルなのです。
誤解なきよう明記しておきますが、超国家利益共同体だろうが一般国民の生存権を脅かさず共生してくれれば、税金はたくさん払ってるわけですから何の問題もありません。金持ちになりたいことが悪ではない。それが資本主義、自由主義であって、僕はそれを信奉して生きてきましたし、いまや、世界の(元共産国を含む)、ほんの数国を除くすべての国家が、汚職はしてもあからさまにそれを否定はしません。そうではなく、そこまで財を成した人間というものがさらに共同して追求したい「利益」とは何かがわからない、僕には想像できない無気味さがある、そういうことなのです。トランプ、マスクだって超国家利益共同体のメンバーになるだけの資産を持ち、その一員として何の問題もなく米を支配することができるはずです。その方が楽な人生かもしれない。しかし二人はそうせず、敵対する道を選んだ。暗殺リスクを冒してまで。この決意は尋常なものではないと思うのです。だから愚人、狂人なのだと見る方も多いでしょうが、僕は人間として支持したい。それだけです。何度も書きましたが、僕は米国人でもなく、経済的には超国家利益共同体の末端にいた方が有利なキャリアを来てしまいました。心の奥底の蹉跌がこれを書かせている気がします。
DSが世界のメディアの完全支配に成功したのがバイデンの4年間でした。その手口、すなわち、USAIDを隠れ蓑にして錬金術で刷りまくった金を自在にばらまく物証をイーロンのIT技術者が差し押さえました。ミサイルやドローンが飛び交っている(と見える)ウ国の戦地で、なぜかCNNの記者が流れ弾を恐れることもなく平然とライブレポートし、CGも交えていると思われる画像が世界中に放映されてロシア悪玉の国際世論を作りあげてきた。そして今なおトランプ政権がやることなすことに対し、メディアに It is extremely dangerous for democracy(それは民主主義にとって非常に危険だ)と、米を買収していなければ吐けない言葉を呪文のように唱えさせ、新聞はセ~ノで異口同音のコピペみたいな記事を出す。こういうのを共産主義のプロパガンダというんです。裏口買収以外の方法でこんな離れ業がどうやったら物理的に実現できるか、皆さんご自分でじっくりお考え下さい。
中国はその地位を狙って地下資源のあるアフリカ、南米まで資金漬けにし、米はそれをつぶす。日本は最強通貨だった円でそれをさせないためにプライマリーバランスのくびきで30年縛って弱体化したのです。どこかに書いてしまったと思いますが、僕は野村香港社長だった98年ごろ財務省某高官の訪問を受け、ユーロドルを範とするアジア円構想の意見を求められたことがあります。まだそういう時代でした。難しいと思うと市場の現実に即したお答えをし、後にサマーズに潰されたと聞きました。米が基軸通貨性を脅かすそれを認めるはずがない、そういう位置づけのものだとは当時は知りませんでしたが、構想自体は意気軒高と思い、そういう財務官僚がおられたことには感銘を覚えたものです。基軸通貨である戦いの雌雄を決する巨額で持続的な決済。これを要するのはオイルなんです、だからアラブの胴元サウジを中国に渡すわけにいかない。もし米・露・サウジで組めば世界のオイル、化石燃料は3国で押えられ、価格決定権を握って儲けつつ世界経済を支配でき、決済通貨のドルは安泰で人民元を潰せ、武器でなくカネと平和でイスラエルvsパレスチナ、ウvs露を調停すれば米のヘゲモニーは守られ彼はノーベル賞です。トランプが露・ウの高官会議をサウジでやるのはそれがシナリオだからです。それもこれも錬金術あってのことなんです。暗号資産を国富に組入れるのはブロックチェーンによる信用創造が潰せない敵と悟った、だから取りこんでしまおうという逆転の発想です。米国民はそんなことは知りませんが、バイデンに乗っても戦争屋とウォール街が儲けるだけ、それよりトランプに乗った方が少なくとも自分たちは幸せになる、多数がそう思ったからトランプは勝ったのです。
では日本はどうなるか。DSの番頭バイデンの忠犬を演じて日米同盟を守ったことになってる岸田総理のあと、石破総理だろうが次の人だろうが、日本がキャッシュディスペンサーである美味しい現状をトランプに変えてもらう期待はないでしょう。尖閣は安保第5条では守れません(本気で核で脅されれば議会は参戦を否決します)。ウ国のNATO編入を露が戦争してでも拒むのは防衛義務の双務性ゆえです。日米安保条約の片務性にいちゃもんをつけたトランプに対し、反共防波堤の前線基地確保のために米が作ったものだという反論をしたところで、因果はどうあれ現状のフリーライドは看過できないとそれをネタに防衛費5%を吹っかけられるのが落ちではないでしょうか。それなら逆手にとって、基地撤収してもらって構わないので核保有を認めてくれと交渉すべきではないでしょうか。憲法改正と自衛隊の増強は必要ですが長い目で見ればその方が日本は安全な専守防衛ができ無駄な防衛費を抑えられ、ものが言える本来の国家状態に復帰できる可能性があります。ここから10年、トランプ以上にそれを飲んで議会を説得できそうな大統領が現われる期待値はほぼゼロです。懐柔、腹芸をまじえてそれを仕掛けられる傑物が総理にならなくてはいけませんね。相手はビジネスマンです。できそうな胆力、交渉力がある人は自民党にはいないかもしれません、政党より個人の資質だから野党だ新党だと言ってる場合じゃないですね。
1,2年ほど前に国内政治については散々好き勝手に書きました。それもこれもトランプ政権になるという前提での話で、そうなりましたからもうつけ加えることはありません。自民という党は不人気で支持が減っているのではありません、書いたように時代の流れからもはやオワコンなのです。右左だ保守だ革新だなんてものは元から戦後日本に真面目なテーゼとしてはなく、総理は米の高額請求書を国会で通すのがお役目だから国民ウケが良ければどっちでも誰でも構わない、その都合がいいように55年に米によって読売新聞などと共に作られた政党であって、いまや、どうやらシンジロー社長じゃコクミンは騙せんようだねってことになってる。だから切れ者の財務担当役員である財務省は重用なんです、これも米のヘゲモニーの一角という視点で見れば当然で、これだけ頭脳明晰な官僚たちが安月給で毎日夜中まで働いてくれる国など世界のどこにもないからです。
問題は何かというと、官僚もいち社会人ですからね、より良いポジションと報酬を求めるのは当然です。米は能力ある者には桁外れの大金をくれるんです。NPBとMLBが良い例です、大谷翔平も佐々木朗希もファンが泣き叫ぼうが米に行ってしまいましたね。金だけが人生じゃないなんて万人が言ってるふりをしないといけないのは世界で日本だけです。野球選手も官僚も選挙で選ばれてないんです、だから愛国心やら国民の負託なんて押し付けても仕方ないしそういう時代じゃない。日本は平和で世界一素晴らしい国ですが、そのコストとして、実力がある若者にとって悪平等でもあるんです。何のために厳しい受験勉強で勝ち抜いたんだと疑念をもってしまい、官僚になれるのに外資系のコンサルや金融に行く人が増えてるわけです。だから官僚の道に進めば、上司が馬鹿なら省益のために遠慮なくつけこむのはこれまた人間界では世界の常識なのであって、彼らに非があるわけではなく、情けなく官僚の軍門に下って使われちまう国会議員たちが情けないという事なんです。彼らは選挙で選ばれてますからね、泣き叫ぶ国民を無視して米になびくなんてことは許されない。そこが最大のポイントなんです。米では選挙で選ばれてない官僚が国をめちゃくちゃにしてるのは許し難いという国民国家にとって実にまともな大統領が登場した。日本では神輿に乗ってりゃどんな馬鹿でもオッケーという優秀な官僚制に巣食うだけのビジネス議員が閣僚になって利権をほしいままにし、世襲し、官僚は官僚で別の生態系を作ってしまい、それこそDSのスローガンである「民主主義にとって非常に危険だ」という事態になっています。そんな議員を政治に無関心な国民がスルーして選挙に当選させている、これがおかしいんです。あちこちで水道管が金属疲労で破裂してますが、立法も行政も同じことが起きてます。もう高齢者である僕の世代が発することのできる警鐘はそれだけです。これからこの国で何十年も生きていく若者が選挙に行かなければ、誰も救ってくれるものはありません。
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