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超常現象?カープ田村のサヨナラ本塁打

2025 APR 6 9:09:36 am by 東 賢太郎

あっ、ホームラン打ちそうだ!アップで映った打席の顔を見て、ウソのようだが本当に、ビビッと感じた。山崎康晃がゆっくり投球モーションに入る。初球。高めのストレート。バットが一閃。右中間に大飛球。ちょっとシュートしたから先っぽ気味だったかな・・・・はいった!田村俊介、プロ入り初ホームランでサヨナラ勝ちだ。

伏線があった。東と常田の先発で投手戦が予想されていた。ところがDeNAが4失策もやってくれて6対2の楽勝ムードで9回表をむかえる。セーブのつかない4点差なので普通は守護神は出てこない。ところが栗林だ。ブルペンが映ったが森浦もやっていた。う~んなぜかなあ、まさか4人右が続くからじゃないだろうな・・・。いやな予感があたる。球威も変化球の切れもコントロールもいまいちだ。何もいい所がない。四球、安打、安打、二塁打、三振、四球で6対4にされたあげくに一死満塁を残してKOである。こんなピッチャーの降板をやさしいカープファンは拍手で慰労?する。やめてくれんかな。かわってマウンドに立った塹江は球速、切れ、メンタルどれも文句なしで一番いやなバッターである梶原を三振にとって二死だ。なんとかなるか・・・。ところが、ここで満を持して出たかどうか知らないが、島内に交代だ。おいおい、牧が右だから右かよ。彼は剛球が良いときは無双だがメンタルが弱いのだ。やばい。これまた球威もコントロールもいまいちである。なんと押し出しで1点差。なおも満塁。ここでついに佐野にレフトの頭を超えてワンバウンドでスタンドに入る二塁打を食らう。6対7の逆転だ。新井の投手リレーは無様というしかない。広島市民球場だったらベンチの上まで酔っ払いのオッサンが出てきて罵声を浴びせとるぞ。

その裏。代打の野間がいきなり痛烈な右前安打を放つ。これが嫌なムードを押し戻した。内角を引っ張った野間の鋭い振りは数年前とは別人だ。進化に驚くしかない。そしてその代走・羽月が三球牽制させたあとの初球を二盗したのも効いた。羽月は強力な武器だ。そこで打者・会澤が体の真正面に死球をうける。DeNA入江投手もまさかの登板だったろうから仕方ない。会澤が退場だと守る捕手がいないピンチだったが根性で一塁へ。ここで、先日にバント自打球を顔面に受けて前歯を8本折っており、怪人二十面相の黒覆面みたいなのをかぶって根性で出場している二俣。しかし、あいにく、ここはまさしくバントの場面なのだ。嫌だろうなあ・・。あの時と似たような顔に近い難しい球!ビビらずに成功した二俣!男だねえ。そして作った 一死二三塁で矢野がしぶとく二塁にころがして7対7の同点に持ち込んだ。これぞカープ野球。執念でもぎ取った1点だ。

ここでマウンドに立ちはだかったのが森浦である。これが本当に凄かった。10回表をあっさり三者三振!11回も戸柱、京田を三振で五者連続!当たっている梶原も一ゴロであっさり零封した。森浦君、9回のブルペンで、栗林のむこう側でもう肩できてたよな。見てたよ。あそこで君の名が呼ばれていればこの試合は難なく6対2で勝ってたのである。お立ち台で「名前が呼ばれたら全力で投げるだけです」と淡々と語った気持ちはわかる気がする。君のメンタルは素晴らしい。最高にピッチャーに向いてる。去年のホークス戦で三者連続三球三振(イマキュレート)をやった男だ。打者を手玉にとることこそピッチャーやる快感と思ってる僕は君のマウンド姿を見るのが楽しみで仕方ない。

そこで迎えた11回裏。ここだったのだ。冒頭のシーンがやってきたのは。以上のドタバタ劇は、まるでオセロみたいに、みんな田村の鮮烈デビューへのお膳立てでしたねという話になってしまった。4点差で栗林をマウンドに送った新井の意味不明の采配あってこそ。まったくもってなんともいえない。大逆転を食らった直後のカープベンチはお通夜状態、我が家は激怒を通り越して絶句だったのである。

いやいや、それなくしてあのホームランはなかったのだから新井独特の華がある霊感だったというしかない。それにしても、「あっ、ホームラン打ちそうだ!」。打席に入ってアップされた田村の顔を見てビビッと感じた、あれはいったい何だったんだろう??

「谷深ければ山高し」。相場の格言だ。喜びは10倍だ。代打でのプロ初本塁打がサヨナラ本塁打となるのは広島カープ球団史上初の快挙らしい。田村が「持ってる男」であることが天下に知れた日だ。

 

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