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月別: 2013年3月

過熱感を帯び始めた一部の米国不動産市場

2013 MAR 24 6:06:05 am by 安岡 佳一

先程、当コメントを書き公開したと思ったのですが、どこかに飛んで行って仕舞ったようです。がっかりしたところで、船橋さんのライブがアップされているのを発見し、コンサートを聞かせて頂きながら気を取り直してもう一度書いております。 しかし、船橋さんのお姿を見るのは大変久しぶりで懐かしいですね。以前、船橋さんがロンドンにいらした時に、確かイギリス人の女性とカラオケでデュエットをされて、「Endless Love」を歌われ、圧倒されたのを記憶しています。日本人離れした英語力と歌唱力だと思いましたが、更に進化されていますね。

ところで、日本は今桜が満開で最高の時期ですね。 NYは未だ朝晩氷点下まで気温が下がり、未だ春遠しと言った感じです。

先日ご紹介した米国株式市場は過熱感無く新値更新と言うお話しでしたが、今回はそれよりももっと熱くなりつつある一部の米国不動産市場についてご紹介します。

私の友人の中で不動産を営む3人の方々から聞いた生の情報です。一人はマンハッタン、一人はロングアイランド、そしてもう一人は西海岸のサンディエゴでの話です。

マンハッタンでは、半年前は中古のマンションを売りに出しオープンハウスをしても見込み客が見に来る数は1日にせいぜい4~5人程度でした。しかし、ここ2ヶ月位前からは急に盛り上がり始めて、来客数が40~50人を軽く超えるぐらいの状況になって来ている様です。中にはその場で売値の提示価格で即決する人や数人で競売になったりする事も起こり始めています。しかし、普通の人はここで売り主と価格で折り合って交渉成立しても、その後に銀行に行って当不動産を買う為のローンの申請を行いますが、銀行の融資姿勢はマダマダ厳しい状況で、申請者に対して散々あれこれ要求はしてくるものの3ヶ月経ってもローンが下りないものも多々有り、結局ファイナンスが付かず買い手も売り手も泣く泣く契約不成立と言う事も未だあります。こんな中、現金を持っている米国や外国の富裕層がその場で契約を取り付けてしまうケースが増えてきているそうです。いよいよ、リスクマネーと言われる様なお金が動き始めた様です。

ロングアイランドでは景色が少々違うようです。ここはNY市の一部ではありますが、面積は非常に大きな島で奈良県と粗同等の大きさのところです。そのロングアイランドの大西洋側の海岸線に位置する場所の不動産屋さんの話ですが、この辺りは昨年の10月のハリケーンで大打撃を受け、100万ドルした海沿いの家が20万ドルまで落ち込んでいました。そこへ、機関投資家と思われる様な投資グループや個人の富裕層がここ1ヶ月前から連日地元の不動産屋を訪れる様になり、纏め買いを始めているとの事で、友人の不動産屋はここの所全く休みが取れないと嬉しい悲鳴を上げていました。

最後に西海岸のサンディエゴでは、売り物件数が非常に少なく、物件が売りに出された瞬間に買い手が直ぐに付くそうで、大変な競争になっているようです。当地は元々住宅戸数も少なく、恒常的に在庫も非常に少ない事から、需給関係は安定しておらず、値動きは非常に荒っぽい動きをします。上昇する時は他の地域よりも上昇率は大きく、その反対に下がる時も下げ率は他地域よりも大きくなります。 漸く、上昇傾向に転じる状況を察した目敏い投資家グループや富裕層の一部が、先回りしてサンディエゴの不動産を買い、早めに売り抜けようとする動きが顕著になって来ているそうです。そんな中に、マダマダ強い円をバックに日本から当地の不動産に投資をする方々もいらっしゃると言う事で、動物的嗅覚を持った投資家が未だ日本にいるのだと言う事が分かり、少々嬉しかったです。

(ご参考までに米国の住宅不動産市場は日本のそれとかなり異なりまして、日本の様に新築市場が主体で、中古のマンション等は年々市場価値が下がって行くと言うのとは違います。市場規模としては、新築の着工件数などは、リーマンショック後などは年間30万件弱に落ち込みましたが、最近は漸く回復してきており約90万件程度です。一方、中古住宅(マンション等を含む)の年間売買件数は約500万戸程度です。これらの中古物件は手入れを小まめにする事等により、物件の価値は下がるどころか場所により上がって行くものも多々有り、その代表的なものはマンハッタンのマンションになります。)

以上

過熱感無き米国株式市場新値更新

2013 MAR 19 14:14:56 pm by 安岡 佳一

皆様もご存知の様に、米国株式市場は先々週から先週に掛けて16年振りの10連騰を達成し新値を更新していました。しかし、その直後に二日連続安となっていますが、マダマダ高値圏に留まっています。 これだけ凄い上げを達成したのだからさぞや盛り上がっているかと言えば、必ずしもその様な感じはしません。何故か? 幾つか理由があると思うのですが、私が考える所ではこの上げの御利益を受けている人は比較的少ないのではないかと思うこと。 2008年のリーマンショックのお陰で、株は40%以上下げ、安値で叩き売ったお金を定期預金(CD)などに滞留させている方々がまだまだ多くいらして、その額ざっと2.5兆ドルとか。全てとは言いませんが、未だ傷が癒えていないお金がかなりあると言う事。 その上、このCDの利率は2008年以前は5年物で4%を超えるものあり、結構利息が付いて美味しい貯蓄商品だったのですが、今では優良銀行のCDは優に1%を切っていると言う事で、年金生活の方々やこれから引退しようかと思ってこつこつ投資していた株式投信がいきなり40%吹っ飛び、その上逃げた先の金利が何も生み出さない程のレートだと自然と暗くなる気持ちは分かります。こう言う方々は未だ結構いらっしゃると推察されます。 それから、ダウ等の指標(ナスダック指数を除く)は名目で新値を更新していますが、所謂物価調整後の指数ですと、直近の高値だった2007年や2000年のITバブルの時代に比べて未だ高値を更新していないらしく、こう言う事も影響しているのかなとも思います。 それと、何と言っても、よくは成りつつあるも未だ2000万人以上の失業者がいる事や、8%を少し切る位の高い失業率では、浮かれられないと言う気持ちがあるやに思います。(娘の大学の授業料はこの秋から3.75%上がるそうです、教育費は過去20年来間違いなくインフレです。)

しかし、この様な環境下だから未だ上がりそうな気がします。前回、大統領選挙後に相場展望的な話をさせて頂きましたが、基本的には同じ理由で、上がる理由が複数あるからです。需給で言えば、FRBが引き続き輪転機を盛んに回していますし、今度は日銀も本格的に稼動すると言う事で、これは結構大きなインパクトになるのではないでしょうか。株式市場だけでは無く、実体経済にもインパクトを与えるでしょう。二つ目に、2007年から始まった住宅バブルの清算が漸く終局に向かいつつあります。あれだけゴーストタウン化し始めたフロリダのマンションが、今度は足りなくなって来たと言うニュースが聞かれます。10月のハリケーンで駄目出しされたNY界隈の海岸沿いの不動産にも、投資ファンドや富裕層の投資家が買い漁っていると言う話を、友人である不動産屋さんから最近よく聞きます。ご案内の様に、企業業績は予想を上回っています。 上記の様に、CD等に待避している資金もかなり一杯あります。

個人的な感触として、株式市場の上げは未だ5割位の感触を持っています。

以上です。

ジムより

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