Sonar Members Club No.7

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ナパ・バレー ケンゾー・エステート訪問

今月のお題目とは全く関係の無い話題で申し訳ありません。

久しぶりにナパで素晴らしい体験をしてきました。

過去に何回か日本からのお客様をお連れしてナパに行った事がありますが、今回は自分の仕事半分、楽しみ半分です。NYの何人かの友達からケンゾーエステートのワインは一級品だとの話を聞いておりましたが、実物のワインをNYのレストランで見る事はあまりなく、幻のワインとも言われており、一度は現地へ行ってみたいと思っておりました。ワイン通の何人かのコメントでは、あのオーパスワンを超えるとまで言われており、あまりワインを飲まない私でさえも一度賞味してみたいと言う欲望に掻き立てられます。

SFに住んでいる友人が何回かケンゾーエステートに行った事があるとの事で、案内をお願いし向かう事にしました。SFから北に走る事約1時間、段々ブドウ畑が見えてくると胸が高鳴ってきます。谷から山沿いを駆け上がって行った所に、ケンゾーエステートの門があり閉まっていました。 友人が「今日は開いてないのかも知れない」と言いながら門前に車を置いてゲートに近づくと、ゲートが突然静かに開き始めました。どこからかカメラで見られてる!! 多分、典型的な日本人の格好の私をカメラで見て安心して開けてくださったのでしょう。 ゲートを抜けて走る事数分、ゲストハウスらしき瀟洒な建物が見えてきました。

ゲストハウスの入り口には、「紫 藍」と記された書画が飾られており、中はシンプルながら非常に上品にデザインされたワインバーがあります。少し中に入り左手を見るとテラスがありそこからは見渡す限りのブドウ畑が広がっている光景は、まるで一枚の絵画の様であり思わず「ワー」と言って息をのみます。

コンショルジェの方から歓迎のお言葉を頂き、ケンゾーエステートについてご説明をして頂きました。当地は、日本の某企業オーナーが20数年前に会社の保養所として購入した事、しかし、ナパでの土地利用には様々な規制があり保養地としてのアイデアは断念し、真剣にワイン作りに挑み現在に至っているとの事です。因みに、当ワイナリーの敷地面積はナパでも最大手らしく、4000エーカー程あり丁度中野区と同じぐらいの広さだと言う事と、未だ利用している土地は数%のみでマダマダこれから発展して行くと仰っていました。又、ナパの雄であるオーパスワンとモンダミのワイナリーは当地の近くだそうです。

説明の後、ブドウ畑とワインの醸造所、そして樽を寝かせているケイブ(洞窟)の方に案内して頂きました。現在は、年間8万本製造されており固定客が多い事から一般のレストランに出回る本数が少ないのではないかと仰っていました。NYでもケンゾーエステートのワインを出しているところは少なく、数える程しか無い為、幻のワインと言われる由縁の様です。

ツアーの後は、先程のバーでティスティングを楽しみました。 紫鈴(りんどう)、紫(むらさき)、藍(あい)の3銘柄を頂きました。何れも非常に円やかでフルーティーなワインでした。この時ばかりは、是非ワイン通の方に表現して頂きたいと思いましたね。紫は暫くブリージングしておくとほのかなチョコレートの様な香りがしてきたのが不思議に思えました。

コンシェルジェの方から、「ボトルショック」と言う映画をご覧になった事がありますかと聞かれました。1976年にナパのワインが初めてフランスのワインにブラインドテストで勝った実話を基にした映画です。その主人公であるジム・バレット氏は、現在ケンゾーエステートでワイン製造責任者されているハイジ・バレット女史のお父様だそうです。成る程、血筋か。

2時間ぐらいの訪問でしたが、非常に内容の濃い、印象深い訪問でした。あのワインの美味しさと当地の美しさを友人に伝えたいと思った次第です。

当地の山を下りて来て、麓の町のイタリアンレストランに立ち寄りましたが、何と美味しかった事か。豊かな気持ちと、美味しい空気と水、イタリアンフードにワインがあれば極楽です。

以上ですが、現地へ行ったのが2週間前、又、今週の週末に掛けて訪問する事になりました。又、NYの友人何人かと世界に所在する友人何人かが是非訪問してみたいととの事で、今年は少なくとも何回か行く事になりそうです。何でもベストシーズンは収穫期の9月頃だそうです。

 

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  1. 東 賢太郎

    7/7/2013 | 1:16 PM Permalink

    安岡さんの全米をまたにかけたブログ、いつも日本人として元気をいただけます。また、仕事半分楽しみ半分というのが実にいいです。余裕があるのでますます楽しめますよね。ケンゾーを一度味わってみたくなりました。

    • 7/8/2013 | 1:01 AM Permalink

      東さん、

      余裕があるかどうかは分かりませんが、楽しませて頂いている事は確かです。

      東京と大阪で飲める場所があるようです。
      少々値が張りそうですが。
       
      http://www.kenzoestate.com/Japan/Tokyo

  2. 花崎洋です。安岡さん、前回のコメントから、ご無沙汰しております。「紫鈴」、「紫」、「藍」、という名前も洒落ていて、何となく味わいも想像がつきそうです。チョコレートの香りは長い期間をかけて熟成された結果だと思います。アメリカはフランス同様に農業国でもあるんですね。

    • 7/8/2013 | 3:46 AM Permalink

      花崎さん、

      ご無沙汰しております。

      私も銘柄の名前が粋だなと思いました。 白ワインは、「朝露」あさつゆです。 これもなかなか良い名前ですよね。非常に描写的な名前です。

      フランスの広大な農地を見る度に、ここは本当に豊かな国だなと思いますね。
      ただ広いだけでなく農作物の種類の間口と奥行きに幅がありそうで、そこに豊かさを感じさせます。

      アメリカは更に広大な土地を持っていますが、フランスの間口と奥行きにはまだまだ及ばないと思っている人が多いと思います。ワイナリーもその一つでしょうし、その食材を芸術のレベルにまで発展させたフランス料理に至っては到底敵わないと思っています。

      唯、アメリカ人の良さは、そこで良い意味で諦めて他の所で勝負しようとする姿勢です。 農作業に関しては徹底的に科学を利用して効率的な作業を行い、ビジネスとして成り立たせようとしています。

      30年程前に農水省から派遣された農業研修生30人ほどの農家訪問に通訳として同行した際の事ですが、アボカドを栽培している大規模農家を訪ねました。ご存知かも知れませんが、アボカドの木は結構な大木になり高さは5~6メートルに達します。その上、積算温度(日射時間X期間)が十分に必要な作物で、極力積算温度が高い斜面に植えられます。従って農作業、特に収穫は非常に危険な作業になります。作業員が落下して大怪我を負う事もよくあるそうです。その様な問題解決の一つとしてあの時代既に斜面にはモノレールが張り巡らされて収穫したアボカドを麓の集荷場まで運んだり、雨量に応じて水をミリ単位で供給する自動灌漑装置が取り付けられていたりしたのを見て舌を巻きました。 又、アーモンドの収穫では実が成っている木を傷めずに揺すって実を振るい落とし、下には傘を反対にした様なもので実が地面に落ちずに集めたり機械があったりと、研修生と共に驚きと共に感動したものです。
       
      今では、もっと高度化してGPS機能を駆使して広範囲な農地での作柄状況を把握し、その状況により対応するようです。 無人飛行機を使っての害虫駆除や緊急肥料の供給、収穫もGPSを使って無人のコンバインを使って行っている大規模農家があるそうです。 アメリカはこれらの総合的な大規模農作業システムをブラジルやロシア、中国に売り込もうとしているそうです。

      ご参考まで。

  3. 安岡さん、アメリカの農業についての詳しいお話、たいへん有り難うございました。科学的、効率的、ビジネスライクというアメリカ人の持つ特徴が、とても具体的にイメージ出来ました。白ワインは「朝露」ですか。しっとりとした奥行きの深さと、それでいて、しつこくない絶妙な味のバランスを、何となく想像してしまいます。花崎洋