蛙鳴蝉噪(スカート丈と株価編)
2012 SEP 27 8:08:39 am by mtsuzaka
パリコレが始まった。常に最新のファッションに敏感な(何を着てもオヤジファッションとなる)私にとってパリコレは、流行をチェックするだけではなく、Hemline theory による投資理論の検証を行う意味でも、重要なイベントなのだ。
Hemline theory は、1926年、ペンシルベニア大学ウォートン校の経済学教授George Taylor氏によって発表された。教授の研究によると、好況時には女性のスカートの丈が短くなり、景気が良くない時期は丈が長くなるという、感覚的にも分かりやすいセオリーだ。何事にも探究心旺盛な私は、東京でサンプル調査を行ってきたが、青山と新橋だけでは正確なサンプルを得ることは難しい。そこで、多くのHemline theory 研究者同様、パリコレをサンプルとして採用しているのだ。難解な数学を駆使してノーベル賞を受賞する学者や、オプションを売って利益を得たと虚偽の報告をする輩がいる魑魅魍魎な株式相場の世界において、Hemline theory は極めて明快だ。
2010年には経済を学ぶオランダの学生によって理論の実証レポートが発表された。Taylor 教授が示したように、スカートの丈と景気には相関があるというものだった。
但し、スカートの丈は、景気に対する先行指標ではなく、3年ないし4年程度の遅行指標であるとしたものだった。
にも関わらず、Hemline は先行指標として根強い人気を保っている。ビジネス・インサイダー誌は、今年2月に、ニューヨーク・ファッション・ウィークに出品した25人のデザイナーの作品を計測し、スカート丈が短くなったこと示して今年2012年の株価の上昇を予想した。サーチナ(searchina)5月16日のニュースが、中国では長いスカート丈を好む女性が増えていると伝え、中国の景気回復に懸念を示した。
今年10月、ニューヨークダウ指数は史上最高値に接近している。一方、上海総合株価指数は、2009年2月以来の最安値を更新した。日本の株式市場の今後は、颯爽と街を歩く女性の服装にかかっていると言っても過言ではない。
くだんの、ビジネスインサイダー誌は、Hemline theory の他にも様々な先行指標を紹介している。口紅やハイヒール、アスピリン インデックスなどもある。http://www.businessinsider.com/hemline-index-2012-2?op=1
正統派のテクニカルチャートも数多く、研究されている。しかし、絶対に当たるチャートも指標もない。相場を正確に予想する事はプロと謂えども無理なのだ。無理であるが故に、多くの理論とチャートがあるのだ。
街を歩く女性のスカートを観察して景気を予想するのも一案だが、迷惑行為として通報されると予想することは、さほど難しくない。
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東 賢太郎
9/27/2012 | 10:55 AM Permalink
勉強になりました。じつにおもしろいですね。George Taylor先生の着想もすごい。オランダの学生もえらい!日本の学者はこういう実証的な研究はばかにしてる感じがします。地震の予知も。東大地震研究所なんて後講釈の研究なんかしなくていいから「地震予知所」に名前を変えろといいたい。当たってナンボの世界では当たらないなら評論家です。
福田 玲子
9/28/2012 | 10:10 PM Permalink
それでは、我々女性は積極的にスカート丈を短くし、経済成長を促しましょうではありませんか!