Sonar Members Club No.9

月別: 2012年11月

蛙鳴蝉噪(手帳)

2012 NOV 27 12:12:07 pm by mtsuzaka

11月末は手帳のダイアリーを入替える時期だ。

私はfILOFAXを愛用している。かれこれ10年近く使用しているので、私の風貌同様   くたびれた黒革の手帳だ。今年1月に書いたデータを読み返すと、「今年こそは丁寧に記入する」という意志が感じられる。でも、今日書いたメモにはそんな気は微塵も伺えない。毎年のことだ。
スケジュール欄がメモになっているページも結構ある。これは怠慢のせいではない。
仕事上の予定はオフィスにあるパソコンのOUTLOOKの予定表を併用しているからだ。予定表は会社の同僚に公開される。だからいつの間にか、出張やミーティングなどが書き込まれてしまう。こまめに手帳に転記すればよいのだが、そこまでまめではない(これを怠慢というのだろうが)。 おまけに情報管理が厳しくなったため、外部の端末から会社のパソコンにアクセスできない。仕事とプライベートの予定が完全に分かれていれば問題は少ないが、サラリーマンの仕事上そうもいかない。
結果として、忘年会の誘いがあっても、「オフィスで予定を確認してから」回答することになる。私の手帳のダイアリーは本来の役割を失い、データを転記する単なるメモ欄になってしまうのだ。困ったことに、データを丁寧に書き写したり、綺麗な字でメモを書くことができない。だから、必要に迫られないとメモを積極的に読み返す気にならない。
そんな非生産的な行動を改めるため、スマホでスケジュールをチェックすることにした。Googleを使用するとパソコンで入力した予定をスマホに同期できる。
ついでに、新聞や雑誌、ウィキペディアだって読めるiPADもトライした(スマホは字が小さすぎる)。遠隔操作でデータを消去することもできる。情報管理も徹底できる。一石二鳥だ。そういえば某証券会社の担当者は手帳を持ち歩くことが禁止されたと嘆いておられた。担当の法人や個人の情報管理(漏洩防止)のためだそうだ。落とすと大変だということか。スケジュールはスマホで管理、新聞や雑誌はタブレット版。チャットはLINEだ。
iPADやスマホを操作している人を見ると、なんといっても格好いい。

先週、2013年版の週間ダイアリーを買った。
先週、駅の売店のおばさんとの朝の挨拶が復活した。
新聞を買って縦に四つ折りにして窮屈な電車の中で読む。
相変わらず手帳のスケジュール欄は予定ではなくメモで埋まるだろうし、オフィスでOUTLOOKの予定表を見る。
そもそも、私は、新聞を一面から順に読まない。見出しをざっと見て面白そうな記事から読む。週刊誌もそうだ。iPADでも見出しはでる。タップすれば記事もでるし、ネットで関連情報を読むこともできる。写真だって綺麗だ。CNNやBBCのビデオも You TubeもOKだ。
紙の新聞を読む時も電子新聞を読むときも、手順は同じフローチャートになる。
でも、電子新聞では何故か面白そうな記事のイメージが伝わってこない。
小説の題名だって、「黒革ケースのiPAD」よりは「黒革の手帖」のほうが読む気をそそる。
私はやっぱりアナログオヤジなのだ。

蛙鳴蝉噪(クリスマス)

2012 NOV 14 17:17:06 pm by mtsuzaka

     東京ディズニーランドでは早くもクリスマスファンタジーが始まった。ハロウィンが終わったばかりでクリスマスは、やや早い気もするが「犬の日」以外は盛り上がりに欠ける(?)11月だからやむを得まい。
     ドイツやフランスなどでは11月下旬からクリスマス・マーケットが始まる。イギリスでもマーケットは開催されるが、早々にロンドンのリージェント・ストリートでクリスマス・ライトが点灯される。ヨーロッパの大半の国では11月下旬から12月はクリスマス一色になる。無理もない、日本と違いヨーロッパの国はクリスマスが終わると春までイベントが少ない。だから大半の人はこの期間を目一杯楽しみ、暗く寒い冬を乗り切るのだ。 宝飾品を販売する店はこの時期に勝負にでる。なにしろ、年間売り上げの7割がこの時期だ。ジャイアンツの優勝記念セールの比ではない。

   クリスマス・マーケット、起源は14世紀頃というから、フランシスコザビエルが日本に来る前から開かれていたことになる。この期間限定、地域限定のマーケットでは、クリスマス・オーナメントが飛ぶように売れる。前の年も買ったはずなのになぜか毎年買う。私などは飾りが赤だろうが青だろうがどちらでもいいし、毎年飾りを変えようという気持ちも少ない。だから我が家の飾りは「空けずのダンボール箱」に半永久的に眠ったままだ。クリスマス前のマーケットはかなり寒い。零下10℃の中、マーケットの人ごみの中で時間をつぶすのは厳しい。だから、必然的にグリューワインと、クリームソースをかけたキノコ(料理の名前は知らない)の屋台に張り付いてしまう。グリューワインは赤ワインを暖めて、シナモン、砂糖を大量に入れたものだ。コレステロール値が高い方は、飲みすぎないほうが懸命だ。グリューワインを注ぐマグカップは、開催する年や場所によって異なる。質実剛健のドイツにしてはやけに可愛い図案が多い。
デパートのショーウインドウも華やかだ。特に、Kaufhof(百貨店?)のショーウインドウで動くシュタイフのぬいぐるみは、人気だ(ネッで、”kaufhof steiff”とググっていただくと観ることができる)。 シュタイフはテディーベアー生みの親。 シュタイフを知らなくとも、テディーベアーを知っている人は多いだろう。Mr ビーンもお気に入りだ。シュタイフブランドのぬいぐるみは皆ピアスをしている(はず)。本社はドイツ南部のギーンゲンという小さな町にある。ここから北に100km、車で1時間程度走ると、ローテンブルクという町がある。ここには、ケーテというクリスマス用品の専門店がある(以前は銀座マツヤに出店していたと記憶している)。主たる企業はこれしかない。だから真夏でも、ケーテに入るとクリスマスだ。両方とも人口10000人程度の町だが、ここから世界ブランドが発信されている。ケーテもクリスマスベアーもワインカップもクリスマス用に毎年新作が発表される。熱狂的なコレクターが世界中にいるらしい。聖なるキリストは世界的ベストセラーを生み出したのみならず、世界の消費関連セクターにも莫大な貢献をしているのだ。

 

クリスマスには、サンタクロースが靴下にプレゼントを入れてくれる。
言い伝えでは、「ある一家が、あまりの生活の苦しさに、娘3人を過酷な仕事に出すという話を聞きつけた聖ニクラウス(サンタクロースのモデル)は、たいそう同情し、夜中に煙突から娘たちへの贈り物として金貨をつぎつぎに投げ込んでやった。すると金貨は、たまたま暖炉に干してあった靴下の中に入ってしまった。翌朝、一家が靴下の中の金貨に驚きの声をあげたことはいうまでもない。そのおかげで、3人の娘は幸せな結婚ができたという。スペインでは、いい子にしていないと、プレゼントの代わりに消し炭を入れられてしまうとか。」(株式会社ナイガイのHPより)

巷ではクリスマス総選挙の可能性もあると伝えている。まさか、「総選挙は国民の民意を反映させるためののクリスマスプレゼントだ」などと言う候補者はいないだろうが、票だけもらって何もしないのはスクルージだ。
だから、私も言い伝えに従って、スクルージの「靴下」の中には消し炭を入れることにしよう。

 

写真は、テディーベアーがシュタイフ社、ツリーはケーテ社HPよりお借りしました。

 

②私の好きなシネマ・ベスト3 (津坂)

2012 NOV 2 18:18:38 pm by mtsuzaka

映画館で観る予告も大好きなんですが…

記憶に残っているシネマって観点で

New cinema papadise
The Deer hunter
Field of dreams
でしょうか。

きっとあと10歳若ければ、違うシネマになったと思いますが
Money ball もおもしろかったし、
チャーリー・シーンのメジャーリーグも痛快ですよね。
新しい靴を買わなくちゃも中山美穂ファンにおすすめです。

蛙鳴蝉噪(冬に節電)

2012 NOV 2 12:12:53 pm by mtsuzaka

北海道ではこの時期になると「雪虫」が飛ぶ。真っ白い綿のような小さい虫が飛んでいる姿をを見るとあたかも粉雪が舞っているかのようだ。「雪の妖精」などと表現する人もいる。アブラムシの仲間らしい。雪虫が飛ぶと雪が近い。子供の頃から、そう信じているし、今でも札幌に住む友人とのメールでは雪虫が初雪の枕言葉となる。だから、子供の頃は、雪虫を見かけるとなんとなくうきうきした 。

 

昨日付けの日経新聞2面の真相深層に「北海道、節電だけで冬越せる?」との記事が掲載された。答えは「供給余力が少ない。トラブルが起きると深刻な事態になる。トラブルは増加傾向にある。」 だ。                                                         今年10月、北海道経済界は泊原子力発電所の早期再稼働を枝野経済産業相など関係者に要請していた。経産相は「再稼働問題は原子力規制委員会が判断する。私から規制委に何か言うことは法律上できない」と述べ、規制委が稼働の是非を決めるとしていた。道経済会は、経産相のほか官房副長官と民主党にも訪問し、「北海道の電力需給は大変厳しい。対策として泊原発1、2号機の運転再開を検討いただきたい」などと訴えていた。更に、自民党の安倍晋三総裁らにも同様の要望をしていたのだ。この事実を踏まえ、同記事は、北海道ではロードヒーティングや鉄道のレールの隙間にたまる雪を溶かす装置などを例にあげ、電気動力とする日常生活を守るための設備も、多いことから電力不足は深刻な事態に陥るかもしれないと警告を発している。しかし、泊原発の再稼動を判断する原子力規制委員会による安全基準作りには時間がかかる見通しで、年内再稼動は絶望的だ。
北海道では冬の電力需要は夏より高い。北海道の夏をすごすのにエアコンは必要ない。たまに30度を超えるが我慢の限度内だ。道東の釧路の8月の平均気温は18度、札幌だって21度くらいだ。梅雨もない。北海道の夏は、猛暑に悩まされる地方からするとすこぶる快適だ。余談だが、海水浴に行くと浜辺でたき火がないと寒くて泳ぐ気にもならない。だから、夏のビーチの華やかな眺めも期待できない。そのせいだけでもないが、私は泳ぎが不得意だ。しかし、スキーは得意だ。3歳からおもちゃはスキーだったし、小学校から大学まで体育の授業はスキーだった。北海道の太平洋側は雪が少ないため、スケートが盛んだ。北海道に暮らす人は大抵スキーかスケートどちらかはできる。しかし、どの地域でも、雪や寒さとの共存は厳しい。 旭山動物園がある旭川地方の1月の平均気温はマイナス7.5度だ。関東で比較的寒いといわれる、さいたまでも、3.6度だ。
私の母親は雪深い地域に住んでいる。今年は記録的な豪雪となった。朝起きて50cm程度積もった雪をよけて、夕方もう一度積もった雪をよける。この作業をサボると大変なことになる。近年一般家庭においても電力の安定供給はますます重要性を増している。北海道では2005年以降オール電化が進んできた。それまでは新設住宅の2割以下だったが2010年度は新築の54%がオール電化住宅だ。累計件数では15万戸を超えた(北海道電力)。母が住む家は、オール電化ではない。暖房は灯油を燃料とするストーブと温水を循環させる床暖房だ。しかし、屋根からの落雪を防ぐためのルーフヒーティングや玄関前のロードヒーティング、水道の凍結を防ぐ電熱などは、電気を使う。節電のためにこのヒーティングを止めると、一晩で屋根に1mを越す雪が積もり、玄関を開けるのも困難になる。昔は、水道が凍結すると水道管にお湯をかけた。公道でのロードヒーティングも重要だ。緩やかな坂道であっても、凍結した路面は一瞬で車を制御不能にする。                                                “Trick or treat”。雪の妖精「雪虫」は、たくさんお菓子をもらったのだろうか。満足したなら、あまり過激ないたずらは起こしてもらいたくない。

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