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月別: 2013年1月

蛙鳴蝉噪(為替)

2013 JAN 25 15:15:14 pm by mtsuzaka

政府も日銀も国民も皆で「脱デフレ」の大合唱だ。                  その甲斐あってか、11月14日の野田首相(当時)による「やりましょう、だから」発言後、日経平均は20%以上上昇し、ドルも対円で10%以上円安となった。「適正な」為替レート」など無いに等しいから、早晩1ドルで¥100マックを買えるかも知れないし、日経新聞の夕刊ですら買えなくなるかもしれない。

先日、銀行生活の大半を為替ディーラーですごされた先輩に食事をごちそうになった。昨年12月からのドル上昇相場で、大いに活躍されたと思いきや、やや長めの休暇をとっていたため、全く参加できなかったと悔しがっておられた。

相場に「売り」、「買い」、「休む」の三法ありとは、有名なフレーズだ。確かに、相場の方向性がはっきりししない時には、何もしない(売買しない)ことも必要だが、参加しないことではない。私のように小心者は、「何もしない」事が不得手だ。同じく、相場の格言で「頭と尻尾はくれてやれ」というが、私のように欲が深い者は、いわしの丸干しのように頭から尻尾まで食べてしまいたいとの欲望が強いからだ。だが、結果として尻尾だけになるか、最悪の場合料金だけ払って食べられなかったりすることもあった。

先日、ロイターニュースは、日本の個人投資家を意味する「Mrs Watanabe」が、最近の円安を背景に新興国への投資を再開した伝えた。なるほど、Mrs Watanabeは、相場の極意を心得ている。円高の間は、国内の債券にお金をじっくり寝かせ、相場のトレンドが変わると見るや、すかさず外国債券、それも金利の高い新興国債券に投資する。昨年11月22日(いい夫婦)の前日に発表された明治安田生命保険のアンケート結果では、世の中の奥さまのへそくりの平均額は127万円強で旦那の約3倍だそうだ。堅実な投資家だ。海外メディアからMrs Watanabeと称されることだけある。

 

 

蛙鳴蝉噪(北海道)

2013 JAN 15 23:23:47 pm by mtsuzaka

やっぱり北海道(といっても札幌のことだが)は寒い。「寒いですね」と、あいさつすると、「今日は氷点下6度だから、まだましなほう」と返された。積雪も多い。札幌から40km程度北の小さな町は、雪に埋もれていた。前の日は一晩で雪が1メートル程度積もったそうだ。JR駅のプラットフォームは乗客の歩く部分だけを除雪していた。 「雪がすごいですね」に対して、タクシーの運転手さんは、「今年も(積雪)記録更新かな~」とあきらめ顔。 白銀の世界ならぬ、朝から夕方まで灰色の世界だ。

この時期の道産子は傘など持ち歩かない。老若男女、皆雪の中を黙って下を向いて目的地に急ぐ。まつ毛のエクステに積もる雪だって、瞬きで解消だ。雪でぬれることなどない。風が強ければ、吹き飛ばしてくれるし、家に入る時に、手で払えばコートについた猫の毛程度は一緒にとってくれる。

除雪車が通る前、朝5時頃から自宅前の雪をよける(雪かきというが)。ご近所の方々も一緒に除雪する。夜は仕事から戻られてからも、雪をよけるそうだ。それなりのお年の方も多い。私もあともう少しで仲間に入れていただけそうだ。家内からは、あまり張り切って除雪するなと釘を刺されたが、そんなことも言っていられない。

この時期、「雪がしんしんと降る」という表現がぴったりだ。英語のsilentlyでは、しっくりこない。

「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪降り積む 次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪降り積む」

除雪の合間に、日が差してきた。灰色の世界が一転して青と白銀の世界に変わる。学生時代の冬は日本海側ですごした。毎日が雪か曇りで海も鉛色だった。 雪国の生活を離れて久しいが、日が差し込む瞬間は、それまでの灰色の世界を一転させる。私の原風景だ。しかし、友人は、その感覚を「年のせいだ」と、言う。ロマンのわからない奴だ。

 

 

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