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蛙鳴蝉噪(バレンタインデー)

2013 FEB 5 17:17:12 pm by mtsuzaka

                「土用の丑の日の鰻」か「バレンタインデーのチョコレート」か。200年以上も前の鰻に関するキャッチコピーは、現代では既に常識。旬かどうかに関わらず、いまや、鰻の蒲焼は夏の食べ物。世帯支出金額(年間)の大体4割が土用の丑の日期間に集中する(2003年総務省統計トピックス)。その土用の丑の日と多くの国で標準のバレンタインデーを一緒にするのは失礼だが、特定の期間中に特定の商品が集中的に売れると言う点では共通だ。                                              日本チョコレートココア協会の統計によると、バレンタインデー期間のチョコレートの売上高は、年間売上高の約10%~15%程度と推定されている。 10年前の統計だが、最近でもさほど変わらないだろう。期間中の売上げ金額は500~600億円だ。だが、日本人の一人当たりチョコレート菓子の消費量はさほど多くない。2011年のチョコレート菓子消費国ベスト3は、1位がドイツ、2位がスイス、3位がイギリスだ。確かにドイツやスイスのケーキはチョコレートが分厚くコーティングされているものが多い。フランスは、掲載22カ国中、8位。日本は、20位。ドイツの5分の1の消費量だ。一番少ない国は意外にもオーストリアだ(ザッハホテルで食したザッハトルテは甘すぎて食べられなかったが)。

バレンタインデー・チョコレートの広告を見て、25年前、フィナンシャルタイムス紙に日本のバレンタインデーが紹介されていたことを思い出した。当時の上司は、私達の貧弱な英語力を鍛えるため、英文和訳の「業務」を課していた。その中の記事のひとつに、たまたま日本のバレンタインデー特集があった。 内容はほとんど覚えていない。ただ、日本では、バレンタインデーに女性が男性に愛を告白してチョコレートを贈るという珍しい風習があること、ブームの起源はメリーチョコレートが百貨店(伊勢丹)でハート型のチョコレートを売り出したことと、紹介していた(たしか)。

 

 『1958年(昭和33年)1月、パリに住む知人から受け取った一通の絵葉書にヒントはありました。「ヨーロッパではバレンタインデーといって、男女が花やカードやチョコレートを贈りあう習慣がある。」  これをきっかけに、メリーチョコレートはその年、東京の百貨店で初めてのバレンタインセールを行います。しかし、当時はバレンタインを知る人もなく、3日間で50円の板チョコレートが3枚と20円のメッセージカードが1枚、たった170円の売上。それにもめげず、翌年もチョコレートを販売することにしました。
「ヨーロッパのように、愛の日バレンタインデーにチョコレートをお買い求め頂くにはどうしたら良いのだろう。」                                        悩んだ結果、まず、チョコレートをハート型にして、その上に贈る人と相手の名前を入れられるサービスを実施、さらに 『年に一度、女性から男性へ愛の告白を!』 というキャッチコピーを付けました。
  “自ら告白をする”ということが一般的ではなかった当時、このコピーはとてもセンセーショナルなものでした。しかし、女性の社会進出が進みはじめ発言力が高まった時代と相まって、やがて週刊誌なども特集を組み、「女性が愛を告白してよい日」としてバレンタインデーは日本に浸透していきます。恋心を後押しした日本のバレンタインデーは、女性に支持されその後定着し、現在日本でみられるような“女性から男性にチョコレートを贈る”スタイルになりました。(メリーチョコレートHP http://www.mary.co.jp/ より抜粋)』

 強烈に記憶に残っていたのが、「3日間のセール期間中170円の売上げ」だった。まさに、千里の道も一歩からだが、「(女性)自らが告白をすることが一般的ではなかった当時」に新しい市場を創ったことは、「土用の丑の日の鰻」に匹敵しよう。ただし、その「常識」を享受するには、魅力以外にも年齢制限があるようだが・・・。

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