ポンペイ通信 パンの実
2016 AUG 4 20:20:01 pm by トム 市原
昔「戦艦バウンテイン号の反乱」という映画が有ったのを知っている方も居ると思うけど、これにパンの実が登場する。
英国支配のインドの農場の奴隷に食わせるため、戦艦を使ってタヒチ島から「パンの実の苗」を大量に運んだ。
戦艦のブライ艦長はその使命を達成するため、過酷な規律を敷き乗組員をしごいた。
あまりの厳しさに反乱が起き、ブライ艦長と士官達はわずかな食物と共に本船を追放された。
19人の乗組員たちは1日スプーン1杯の水とマッチ箱程度の食物で過ごし、盗み水をした者は容赦なく銃殺された。
41日間の漕艇の後、東チモール(オランダ領)へたどり着いた。その時のドクターの記録に寄れば収容されたときの排便がうさぎの糞程度だったそうだ。
人間の食べて居る食物の内、必要な栄養素を除けば排泄にはいくらも無かったのが実証されたそうだ。
さて、本船を乗っ取った反乱軍は東へ行き、ピトケアン島ヘ原住民と共にハーレムを築いた。
やがてイギリス政府が海軍を派遣して島を襲い、全員を処刑した。
今もその子孫が生きて居て、観光客に語り継いで居る。
本題のパンの実は直径20~30cm、果物で有りながら熱処理して食べる。調理法は石焼きが一番うまい、日本の石焼き芋に似ている。
煮るのはココナッツミルクと一緒にボイルする。
その他、未熟な実を摺り下ろしバナナの葉に包み地面に埋める、やがて発酵してどろどろになる。ポリネシアでは「ポイ」と言う、なれないと臭くて酸っぱくて食べにくい。
更に日にちを置くと玄米パンそっくりになる、これは我々にも食える。
更に1年以上置くと虫が沸き、固まり、味もブルーチーズそっくりになる。これをシーぜと呼ぶが、Cheesと同じ語源になるのではないか。
年2回のシーズンに実ると、家族8人でも食いきれず、又、飽きるのか転がって蹴飛ばしている。
それを拾ってきて発酵させ蒸留すると焼酎が出来る。
誰もやっていないので、作って農業博覧会に出品すると大騒ぎになり、大統領まで試飲に来て「これを企業する者には優先的に融資するように」と言ってくれた。その後CESと政府機関で講演を頼まれ、作り方を披露した。
この趣旨は島で売られている安酒(ラム、テキーラ、ウイスキーなど)はほとんどが合成酒で米国では販売できない代物だ。ほとんどが肝臓をやられ、重病になる。
自分たちの酒は自分たちで作ろうと教えたのだが、其処まで手間暇を掛けてまで作る人は少ないようだ。
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西室 建
8/4/2016 | 8:28 PM Permalink
トムさん、
それは密造酒ではないのでしょうね・・。
Tom Ichihara
8/4/2016 | 8:39 PM Permalink
この国ではアルコールを造るのは問題有りませんよ。
販売するならアルコール免許(100$)を払うだけです。
私が飲み助なら毎日作るでしょうね。
余談ですが小生の兄弟は6人居て、海外の3人はまるっきり飲まず、国内の3人は底なし、たまに帰国した折、「こんなうまい物なんで3人は飲まないのかな〜」
小生は「決まっているだろう、しらふで作ったのが俺たち3人、酔った勢いで出来たのがおまえ達3人」ぐうの音も出なかったようです。
東 賢太郎
8/4/2016 | 11:04 PM Permalink
今年はぜひパンの実を食べてみたいと願ってましたが市原さんのおかげで叶いました。甘くない焼き芋というところでしょうか。醤油かポン酢でおいしく召し上がれますね。バターも合うでしょう。焼酎もいただきましたが、これは異(い)なる味。ちょっと香りと酸味があって野生的ですがやっぱり焼酎です。自然のパワーで元気が出ます。