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ポンペイ通信 潜水病

2016 AUG 11 10:10:45 am by トム 市原

これから夏に向かって水の事故が多くなります。
特にダイビングは一歩間違えると死に繋がります。
以下は朝日新聞より求められた文で明日12日の医療コラムに乗るそうです。

 ●50年前のダイビング経験
 ダイビング歴五十数年になります。私が20代の頃は、まだライセンス制度はなかったので、潜る時間や深さは、自己判断でした。
 知識もろくになく、「急に浮上するな、自分が吐いた泡を追い越さない速度でゆっくり」という程度の認識しかありませんでした。
 潜る深さを計るのも、簡単な水深計だけが頼りでした。
 ある日、伊豆半島で水深30メートルほど潜ると、写真撮影に夢中になってしまい、酸素ー空気が少なくなって、呼吸が苦しくなりました。
 急上昇してから、車で帰る途中、ひざがちくちくと痛み始めました。「これは窒素がたまったな」と思い、車のヒーターを全開にしてひざに当てていると、1時間くらいで治まりました。
 体脂肪の多い人は、脂肪に窒素がたまりやすく、浮上後に症状が現れやすいといいます。一般的には関節などの毛細血管にたまりやすいようなので、注意が必要です。
(ミクロネシア 男性 75歳)

 3年前にはこんな事がありました。実名をいれます。
 東京海洋大学の佐藤教授(60歳くらい)がポナペに珊瑚の生息調査に来て、ミクロネシア大学からサポートを頼まれ一緒にもぐりました。
 水深15mで、ふと後ろを振り返ると教授がパニック状態で暴れ、レギュレーター(呼吸器)を外しています。
すぐさま捕まえ、羽交い締めにしてレギュレーターを口に押し込み、パージボタンを押して強制的に空気を送り込みました。そしてゆっくりと上昇し、ボートに引き上げました。
 落ち着いてから様子を聞くと、糖尿でめまいを起こしたそうです。
 小生は思いきり怒り、今後は絶対に潜らない事、そうしないと貴君は良いかも知れないが、周囲に多大な迷惑を掛けるからと、強く言いました。
 その後はポナペに来ても小生に声を掛けてきません。

 長いダイビング歴の内、身近な人が水中で亡くなり、同行した人たちの気の毒さは目も当てられません。
 フイジーでは別グループで潜っていたアメリカ人が食べたものを水中でもどし、誤嚥により亡くなりました。
 日本と違って誓約書を書いているのでツアー会社の責任はそれほど追求されなかったようです。
 日本では同行した人が亡くなりました。日頃、アスレチック、ヨガなど体を鍛えていましたが、自分の体力を過信していたようです。友人としてご家族に申し上げる言葉もありません。
 保険も6m以上の深さでは対象にならなかったようです。

 日本人に欠けているのはやはり「安全意識の欠如」では無いでしょうか。
 道路のセンターライン、ガードレール、それに沢山の法規が有り、それから踏み外すとペナルテイがあり、それでも事故がありますね。
 ここポナペでは全てが自己責任で、ボートで沖へ出ても万が一の事があっても、誰も助けてはくれません。
 この20年で2人の日本人が横波を食らって事故を起こし、亡くなっています。

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